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極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第4章 再会。思いの違い。ぶつかる意思
52/263

第52話

こんにちは!

明日葉晴です!


今更な話なんですが…

第三章入る時に、第三章はどこまでーって話したと思いますが、この第四章ではネタバレになるので明記しません。

第三章もネタバレっちゃネタバレだったんですけど、重みが違いますかね。

まぁ章のタイトルはつけてるんで勘のいい方はもしかすると分かってるかもしれませんが。

それでは本編をどぞっ!

 前回のあらすじ

 試験の続くソラ達。魔法試験の時間となる。シンは土の魔法を使い、ソラは火の魔法を使い試験を終える。シンの土の魔法に疑問を抱き、質問すると、魔法が得意ではないことを知り、ソラは親近感を覚えるのだった。


 ============


 マシル先生が魔結晶と的を撤去してから、魔法によって訓練場は修理されてマシル先生は試験会場から出ていった。今度は交代の試験の先生は来なかった。休憩だろうか。


「では、これより最終試験を開始する」


 そう思ったのも束の間、副学園長が試験の続行を宣言する。だけど、他の試験の先生は見当たらない。


「あの…試験官は…?」

「私が相手をしよう」


 疑問に思ったのはアタシだけじゃないようで、どこからか質問の声が聞こえた。そして質問に答えによって、周囲に動揺したような空気が立ち込める。もちろんアタシも含めてだ。


 いつぞやの戦争で大活躍ってことは、ものすごく強い人なんだよね…そんな人が相手って…


 わくわく半分、試験の難易度が今までよりもずっと上がったことを感じ、緊張が高まった。


「もちろん、私は手加減をする。安心してもらいたい」


 まぁだろうけど、それでもって話だよね…


「それでは一番から順に来てもらおう。準備をしてくれて構わないよ」


 そう言ったあとに、副学園長は凛とした姿勢で訓練場に降りて行った。一番の人には同情せざるを得ない。


 副学園長は今までの試験を見てたってことは、相手の得意分野が分かる…でも一番の人は何もわかんないだろうからなぁ…


 アタシ達はこれから副学園長の戦い方を見て対策を立てられるけど、一番の人は何も情報がない。不憫だ。だけど…


「シンはこの試験、どう思う?」

「どう…とは、どういうことですか?」

「番号が若いと不利じゃない?今までの戦闘試験もそうだけど、今回は圧倒的に」

「情報のあるなしですか?」

「うん」


 アタシの質問の意図を理解したのか、シンは少しだけ思案したような態度をとった。


「思えば…今までの試験、全部合格基準は何なんでしょう?」

「え…?それはやっぱり、試験の先生に勝つこと…?」

「いえ。それだと試験官の方のさじ加減で合否が分かれます。ソラさんに関していえば、格闘試験は普通の方より実力があるのに負けたので不合格になってしまいます」

「実力があるかはともかく…確かにそうだね」


 それにお世辞でなければ、クランダン先生は歓迎するって言っていた。合格と言う意味なら、負けたのにおかしい。


「なら…明確な合格基準がある…?」

「実力が大きな割合なのは確かでしょうが、他にもあるかもしれませんね…っと始まりますね」

「ホントだ。まぁどのみち考えてもわかんないし、今は試験に集中しようか」

「そうですね」


 アタシ達が雑談しているうちに、訓練場の中央で一番の人と副学園長が向かい合った。一番の人は相変わらずフードを深くかぶっているので表情は見えない。副学園長は涼し気な凛とした表情を崩さずに、腕を組んで立っている。


 てか副学園長…武器も防具も付けてない!?


 左手にバインダーみたいなのを持ってるけど、あれは絶対武器じゃない。試験中、何か書き込んでいるのを見た覚えがある。記録表みたいなものだと思う。


 動いたっ!


 一番の人がローブをはためかせながら大きく後ろに飛びのき、同時に腕も大きく振り抜く。ローブの袖からチラリと木の棒みたいなものが見えた。


 あれは…杖?…って!えぐいっ!?


 腕が振り抜かれた後、副学園長の周囲を取り囲むように氷の棘が無数に作られた。その状態になっても副学園長は悠長にバインダーに何かを書き込んでいた。冷静を通り越して異様に見える。そんな様子の副学園長に、容赦なく氷の棘が一斉に襲い掛かった。


 危ないっ!!


 そう思った時、副学園長が煩わしそうにペンを持った右手を振ると、氷の棘は副学園長に届く手前で一瞬のうちに全て消えてしまった。あまりの出来事に、一番の人も驚いたように固まってしまったようだ。アタシも開いた口が塞がらなくなっていた。


 何が起きたの…?


 だけどアタシが考察に入る余裕もなく状況は動く。バインダーから目を離した副学園長は、一番の人に向かって歩き始めた。一番の人は驚きが解けたのか距離を取るために走り出し、それを追って副学園長も走り出した。


 一番の人が追い付かれないように走りながら火の玉をいくつも飛ばす。しかし決して遅くない速度で打ち出されているはずなのに副学園長は全てをこともなさげに躱していく。訓練場内は火の玉が衝突した衝撃によって煙が充満していく。


 魔法撃ちまくってるなぁ…いいなぁ…自由に魔法使えて…


 羨望を込めてみていると、訓練場の中央から煙を巻き上げながら巨大な氷の柱が立ち上がる。柱の上には人影が乗っていた。一番の人だ。そして氷の柱の上に立ったまま杖を持った腕を指揮者の様に上げる。すると訓練場を埋め尽くすように氷の礫がいくつも作られる。一番の人の腕が思いっきり振り降ろした。それに呼応するように氷の礫が一斉に落ちる。


 うっわぁ…氷の絨毯爆撃…


 氷が落ちた衝撃で訓練場の煙が晴れていく。くまなく氷の塊が落ちている中、一か所だけ綺麗に何も落ちていない所があって、その場所の中心に副学園長がバインダーに何か書き込みながら立っていた。


 凄い場違いな光景…


 記録が終わったのか副学園長は氷の柱を見上げると、ペンを持った手を上から下に振り下ろした。すると氷の柱に乗っていた一番の人が柱の中に飲み込まれた。そのまま柱の中で下に落ちていく。


 突然何っ…!?


 柱の根元付近まで落ちると、副学園長は再び右手を振る。同時に柱に穴が空き、大量の水と共に一番の人が流れ出てきた。流れて出て来てぐったりしている一番の人に副学園長はバインダーを突き付けた。試験終了と言うことだろう。


 水…?まさか…溶かしたの…?あの大きい氷を一瞬で…!?


 加えて言うなら柱を切り抜くように、だ。仕組みはわからない。何をしたかもわからない。ただ、途方もないほどの実力差だけはわかった。


 うん…合格条件が勝利はないわ…勝てる気しないもん…


 一番の人は副学園長によって手を引かれて起こされてから観客席とは別の方に歩いて行った。


「終わり…?」

「みたいですね」

「すごくない?」

「そうですね。全く実力の底が分からなかったですね」

「あれで手加減って…冗談じゃ済まないよ…」

「とりあえず、少しでも認めてもらえなければならないですね」

「それしかないかぁ…」


 見れば攻略法が分かる。そんなものは甘い考えだった。先生以来だろうか。


 もしかしたら…先生よりも…


 確かに先生が世界で一番強いなんて思っているわけじゃない。けれどそんなにホイホイいるようなレベルじゃないと、どこかで思っていたのかもしれない。思いたかったのかもしれない。先生に教わったアタシは凄いのだと。


 でも…よく考えれば、そんなに凄い人ならあの村にいないか…理由が分かんないし…


 少しだけ、思い上がっていたのだろうか。一番の人もあれだけ魔法が使えたんだ。あれが普通なら、アタシはきっと劣っている。


 はぁ…頑張ろ…謙虚に謙虚に…じゃないと先生に叱られるだろうし…


「ではソラさん。僕の番ですので行ってきますね」

「えっ!?もう!?行ってらっしゃい!」

「はい」


 自分への戒めと考え事をしていると、いつの間にかシンの試験の番になっていたようだ。全く見ていなかった。


 やっばぁ…これはしっかり見とこ…!


 改めて試験に集中し直して、訓練場に降りるシンの背中を見送るのだった。

第52話を読んで頂き、ホントにありがとうございます!


やり切った感とやりすぎた感の溢れる52話でした!

ここまでピックアップすれば気付くと思いますが、一番の人はメインキャラになります。

素性は後程。

さておき。

次回はシン君のターンですが、視点は今まで通りソラちゃんでお送りします。

私の気まぐれで化け物となってしまった副学園長に対してどう戦うんでしょうね。

因みに反省はしてますが後悔はしてません。


ブックマークして頂いてる皆さん!

そうでない皆さん!

いつも読んで頂き、ありがとうございます!

次回もお付き合い頂ければ幸いです!

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