第50話
こんにちは!
明日葉晴です!
人の噂も七十五日っていいますけど、ネットの普及した昨今では一瞬で消えるか一生続くかの二択ですね。
かくいう私は慎ましく|(引きこもって)生活しているので、まともに噂になったことがないですね。
たまに私の失踪説が出るくらいで、安否確認がたまに来ます。
常に噂の中心にいるのがいいのか、話の種にもならないのがいいのか。
どっちが幸せなんでしょうね。
では!本編をどうぞ!
前回のあらすじ
試験を受けるソラ達。最初の試験、格闘試験で学園の講師と対峙するソラ。その試験によって講師から高評価をもらうが、自分では納得いかず、かつての先生の指導の恐怖を思い出すのだった。
============
少しの休憩をはさみ、その間訓練場の先生が入れ替わっていた。今回は二人いる。ついでにいつの間にか先生の後ろには多くの武器が置かれていた。
「ではこれより、剣術及び武術試験を開始する。武器を持ってきたものは用意を。ないものは貸し出すので訓練場に降りたら講師に言うように。それと、剣術か武術かを講師の方に言うように。では一番から行っておいで」
そうして武器を使った試験が開始される。剣以外の武器や、アタシの使う以外の剣術が見れるからちょっと楽しみだ。
「ソラさん、ちょっと楽しそうですね」
「うん。ほかの人の戦い方ってちょっと興味あるんだよね」
「ははは。やっぱりソラさんは変わってますよね」
確かにこの世界にきて、ちょっと変わったように今更思う。やってることは物騒だし、危険だ。なのに鍛えるのは楽しいと思うし、強くなったら嬉しい。前の世界じゃ絶対にありえないけど、充実しているようにも思う。
「変…かな…?」
「いえ。ソラさんらしくていいと思います」
「それは褒めてる?」
「はい」
誉め言葉か微妙なラインのセリフを、笑顔で言い放つシン。そしてなぜかどっかで舌打ちが聞こえた。
「シン…ごめん。変わってるって言われるのは微妙に喜べないよ?」
「そうですか。でも本心なので」
「まぁ、女の子らしくないのはもう別にいいけど」
自分に素直に、他人に合わせるのではなくて自分がやりたいことを。この世界で学んだことの一つだ。
「それでもソラさんは可愛いと思います」
「はいはい。わかったよ」
また舌打ちが聞こえた。今度は一つじゃなくて複数聞こえた。そりゃこんなとこで歯の浮くセリフ言ってたら不謹慎だろう。アタシはもう慣れたけど、周りからすればなんだコイツ状態だろう。
「試験に集中しなよ。次、シンだよ」
「そうですね。行ってきます」
「いってらー」
ちょうどよくシンの番が回ってきたから送り出す。
そういえばシンは武器いろいろ使えるっぽいけど、どうするんだろ…?一応剣は持ってったみたいだけど…
そんなことを思っているとシンは訓練場の中央で剣を構えた。どうやら剣術の試験を受けるようだ。試験の先生も剣を持った人が前に出た。観客席では、バカでかい剣を二本構えているシンに驚いているようだった。
あ…慣れてたけどそりゃあの大きさの剣を片手で持ってたら驚くよね…
観客の驚きをよそに、訓練場の中央でシンが動いた。正面から右から横薙ぎに剣を振るう。相変わらず剣の大きさを無視したかのような速度だ。試験の先生はそれを真正面から受け、大きな刀身を滑らせるように払う。
まぁ、あのでかい剣を振ってるような奴を、力では受け止めないよね。
旅の途中、シンと何回か模擬戦をしたけど、試しに正面から止めるために受けたら吹っ飛ばされた。もう二度とやらない。
てか、試験の先生もやるなー…
シンの大剣を一本の直剣で次々と受け流している。シンの大剣を振るう速度は、その辺の兵士が普通の剣を振る速度より早い。それを全部受け流しているのだから、実力は確かなんだろう。
おっ…形勢が傾いた。
右と左と、シンは次々に剣を振っていたけど、右の横薙ぎを試験の先生が大きく切り払った後、間合いを詰める。すかさずシンは左の剣を地面に突き立て、棒高跳びのように飛び、刀身の後ろに隠れて防御した。
試験の先生も剣の速度なかなか速いな…先生には程遠いけど。
完全に試験の先生の間合いになり、シンは防戦を強いられる。剣の大きさを生かし、盾のように構えて連撃を防いでいる。
アタシも最初の方はあの戦法で押したなー…でも…
シンの大剣を封じる簡単な方法としては間合いを詰めるのが最善だ。それでも学習したシンには通じなくなっている。
おっ…試験の先生の体勢が崩れた。
シンは大剣を盾にしたまま押し込みタックルを決める。普通なら押し込んだだけじゃ効果はあんまり期待できないだろうけど、シンの身体能力があれば、ほぼゼロ距離のタックルでも押されるだけじゃなくて弾き飛ばされる。大きく仰け反った試験の先生にシンの大剣が突き付けられた。
終わりかー…
試験の先生は両手を上げる。どうやら降参のようだ。剣を下したシンは一礼してからこっちに戻ってきた。
「おかー。どうだった?」
「はい。試験官の方はかなりの腕前でした。ソラさんと模擬戦してなければ負けていたでしょう」
「アタシがあれやったの二回目の模擬戦のときだったのに、一回でやったのは経験の差かな」
「かもしれません。次はソラさんですね。行ってらっしゃい」
「うん。行ってくる」
アタシは自分の剣を腰に下げ、訓練場に降り立って試験の先生のいるところに行く。
「剣術で。剣は自分のを使います」
「じゃあ俺だな。さっきの奴の連れみたいだから、油断は出来んな」
「レブラン、クランダンが言っていたが、彼女は噂の首斬りらしいぞ」
「ランドルート、それは本当か?俄かには信じがたいが…」
「あはは…ソラです。その呼び方はやめてほしいですが、よろしくお願いします」
アタシは苦笑しつつ名乗って頭を下げる。それを見て二人の試験の先生は一瞬驚いた様子だったけどすぐに姿勢を正した。
「剣士科の講師。レブランだ。よろしく頼む」
「戦士科の講師で、ランドルートという。噂とは違っておとなしいな」
「やめろ。確かにそうだが、本人の前で言って噂通りになったらどうすんだ。試験するのは俺なんだぞ」
おっと?どういう噂なのかな?非常に気になるよ?
「その時は…骨は拾ってやる…」
「冗談で済まないから止めてくれ…」
「あの…試験いいですか?」
噂のことはとてつもなく気になるけど、このままでは進まないので試験を促した。
「あ…あぁ…すまない…始めよう。どこからでもかかってきてくれ」
「はい」
アタシとレブラン先生は向かい合って、お互いに構えた。一応鞘に納めたままではあるけど、張り詰めた空気が場に満ちる。
「っ!!」
「がっ!!?」
カンッ!!
静かに気合を込めた後、一気にトップスピードに持っていき真正面へ、直前で体を沈めてから飛び上がる切り上げを行う。切り上げは真上ではなく、後ろに行くように飛んでいて、アタシは宙で一回転しながら後方に降り立った。
先生から教わった技、『絶空』だ。
技は思ったように決まり、試験の先生の剣を弾き飛ばしていた。アタシが剣を下すと、試験の先生は何も持っていない両手を上げて降参を示す。
「参った。噂通りの実力だ」
「全くだ。誰に師事したらこうなるんだか…」
「ありがとうございました」
アタシは一礼をした後、観客席に向かおうとしてから、思いとどまって振り返る。
「あの…ところで噂とは?」
「ん…?いや、気にしなくていいと思う…そのまま礼儀正しくいてくれ…」
待って!?その言い方はすごい気になるよ!?
「気になってこの後の試験に集中できそうにないです…聞かせてください…」
アタシは上目遣いでレブラン先生に詰め寄った。するとレブラン先生は顔をちょっと引きつらせてから、顔を逸らした。か弱い感じで詰め寄ったのにその反応は如何なものか。
「その…首斬りの戦幼女は…立ちはだかる者すべての首を問答無用で切り落とすと…そういう噂が流れている…」
「は…?」
「ひぃぃ…」
レブラン先生の話を聞くと、アタシは自分でも驚くほどの低い声が出てしまった。おかげでレブラン先生が細い悲鳴を上げた。ランドルート先生は後ろで悟った顔で目を瞑っている。
「すいません…レブラン先生は悪くないですよね…でも噂のことは忘れてくれると嬉しいです」
アタシは笑ってそういうと、レブラン先生は何度も首を縦に振った。
「ありがとうございます!」
お礼を言ってからアタシは観客席へと戻った。
噂…どうやったら取り消せるかな…
そんなことを思いながら、遠くの村でできた噂が届いているのだから難しいかもしれないと、アタシは頭を悩ませるのだった。
第49話を読んで頂き、ありがとうございます!
今回はシン君の戦闘が長め、ソラちゃんは一瞬でお送りしました!
そしてソラちゃんの噂は悪化していくんですよねー。
可愛いからついつい弄りたくなしますよね。
小学生かって話ですけど、最近の小学生はもっとましな男女付き合いしてそうですよね。
まぁ私は思考が小学生から変わってないような気がするんで気にしないですけど!
では今回はここまで!
ブックマークして頂いてる皆さん!
そうでない皆さん!
いつも大変お世話になっております。
次回もお付き合い頂ければ幸いです!




