第49話
こんにちは!
明日葉晴です!
誰しもバレたくないことはあると思います。
かくいう私にもバレたくないことは腐るほどあります。
まぁ引き込もってるお陰でバレることもないんですけど。
恥ずかしいあだ名とかは代表格だと思いますね!
それでは本編をどうぞ!
前回のあらすじ
試験を開始するソラ達。副学園長に連れられ、訓練場にて最初の格闘試験が行われた。受験者が次々に挑む中、シンの順番になる。しかしシンは一瞬で試験を終了にさせるのだった。
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順番になったために、訓練場の中央に進んで試験の先生と対峙した。
「おう。さっきのやつの連れだな」
「ソラです。よろしくお願いします」
試験の先生にお辞儀をして挨拶をした。上半身裸なので一瞬変態かと思ったけど、たぶんこの人も副学園長と同じように職員で、たぶん格闘家か何かなのだろう。防具は体が重くなるとかの理由で付けてないんだろう。
てか、そうだと思いたい…
「へぇ…なかなか可愛いじゃねぇか。あんななよなよした奴なんか捨てて、俺が可愛がってやろうか?」
訂正。変態かもしれない。この人の評価が一瞬にして下がった。怒るのも癪だから冷静に対応しよう。
「すみませんが彼とはそういう関係ではないです。それよりも試験の方いいですか?」
「………はぁ…」
ん?なんだか知らないけど溜息つかれた?
試験の先生の言葉をほとんど無視をすると、なぜか雰囲気が変わって、さっきまでの悪く言えばチャラい態度ではなくなった。
「挑発しても意味なし…か。俺はクランダン。武闘科の講師だ。先ほどの発言は謝罪させてもらおう」
「えと…どうしたんですか?」
「あぁ。この試験、最初は挑発して様子を見てくれと言われているんだ。君には意味がなかったようだから謝罪させてもらった。それだけだ」
「あ、そうなんですか…それなら…まぁいいです」
すみません。変態かと思いました…
「ありがとう。では試験を始めよう。どこからでもかかってきてくれ」
「では…行きますっ!」
アタシは普段よりもだいぶ遅い速度で正面から突っ込んだ。
今まで見てた感じなら…
クランダン先生はアタシをつかもうとして腕を伸ばしてきた。
きたっ!
瞬間、アタシは速度を上げてタイミングをずらし踏み込んだ。そして伸ばされた腕をつかみ、カウンターで背負い投げをした。
「せあっ!」
「あぶっ!!っと!」
「はっ…!」
背負い投げは決まったけど、クランダン先生は受け身を取り、そのまま地を這うように足払いをしてきた。アタシはそれをバク転で避けて構え直した。
「ほう…?避けるか」
「投げる手ごたえが軽すぎました。いつかは投げられるって想定してましたね?」
「そういう君も、俺の行動を読んでいたようだが?」
「正面から突っ込んでた人に全員、最初に投げ技掛けようとしてれば気付きますよ。みんな避けたりしてましたけど。わざとですよね?」
「流石は首斬りと言ったところか。見事な観察眼だ」
見事と言われるほどでもないと思うけど、褒められるのは素直に嬉しい。けど、一つだけ喜べないことを言われた。
「あの…アタシがその…噂になってるの知ってるんですか?」
「ソラと言う名前を聞いてもしやと思ったんだ。身のこなしで確信した」
「首斬りと呼ばれるのは女子としては複雑なので、止めていただけると…」
「そうか。わかった。試験を再開しよう。次はこちらから行くぞ」
「っ!」
クランダン先生が今度は正面から突っ込んできて拳を次々に繰り出してきた。アタシは繰り出される拳に手を添えて受け流す。
きっつ…
先生から体術を叩き込まれているけど、実際に格闘のみで戦うのは初めてだ。なんとか対処できてはいるけど、相手はプロなのだろう。隙が見込めない。
どっかで形勢を変えないと…
「せいっ!」
「ふんっ!!」
「きゃあっ…!」
アタシが隙を見て苦し紛れに出した蹴りはあっさりとクランダン先生に掴まれて投げられてしまう。しかし突然ではあったけど、何とか空中で体勢を立て直し、着地した。
あっぶな…でもおかげで距離は取れ…
「ぼさっとするな!」
「しまっ…!」
距離を取れて安心したのも一瞬で、クランダン先生はアタシとの距離を詰めていた。
「くっ…!」
クランダン先生が拳を振り上げていたため、アタシは転がって回避する。
「ぜあぁっ!!」
アタシが回避したのも構わずに、クランダン先生は大きな気合とともに拳を地面に突き立てた。すると、クランダン先生を中心に衝撃波が発生し、アタシはあっさりと吹き飛ばされた。
「かはっ…!」
「終わりだな」
飛ばされた後、受け身も取れずに倒れたアタシを、見下ろすようにクランダン先生が見ていた。
「参りました…」
「いや、見事だった。うっかり本気を出してしまったよ」
アタシは降参を宣言しながらゆっくりと立ち上がり、砂埃を軽く払った。褒められはしたけど、負けは負けだ。悔しい。
「初手の奇襲以外、手も足も出ませんでした」
「身のこなしは素晴らしい。俺の拳をすべて受け流されるとは思わなかった」
「いっぱいいっぱいでしたけどね。堪え切れずに早まって反撃されましたし」
「あぁ…おかげで本気になってしまった。間は問題なかったぞ」
だからと言ってアタシの気は晴れなかった。先生に見られていたら再訓練は免れないだろう。
先生が見てなくてよかった…ホント…
先生から技を教わる前、回避を基本に徹底的に体術を仕込まれた思い出が甦って軽く身震いをした。これからはもうちょっと体術の訓練もしよう。少なくとも先生に見られても怒られない程度に。
「君が武闘科に来るというなら喜んで歓迎しよう」
「ありがとうございました…」
アタシはお辞儀をした後背を向けた時に、ふと思い出したことがあったので再び振り返った。
「あの…さっきの彼にはなんて言ったんですか?あれだけ怒ってたのは初めて見ましたけど…」
「ん?あぁ…お前みたいな女みてぇな奴にあんなかわいい子はもったいねぇ。全く持って馬鹿な女だ。俺が可愛がってやろう。……とこんな感じか」
この人挑発の時ホント性格違うな!?まぁでも大体わかった…
「女みたいって言われて喜ぶ男はいないですもんね…ましてやアタシと同じくらいの年の男の子は…」
「いや…あぁまぁ…野暮か…」
「…?」
「気にしなくていい。次の人と交代してくれ」
「あ…はい」
アタシの答えに微妙な表情をしたから、アタシが疑問を持つように首を傾げたけど、クランダン先生は特に何も言わなかった。アタシは疑問に思いつつ、おとなしく観客席に戻った。
「お疲れ様です」
「ありがと。負けちゃったけどね」
「充分だと思いますよ。ほかの人より明らかに動きが違いました。しょうがないですよ」
「負けは負けだよ。実力を隠すのは普通だし、それを言い訳にはできないよ」
「ははは。さすがソラさんですね」
アタシはシンの軽口には何も言わずに、別のことを考えていた。
あぁ…ホント…言い訳出来ない…先生にバレたら…あうぅ…
「ソラさん?どうしました?」
「へっ!?いやっ!なんでもない!なんでもない…」
アタシは再び先生の訓練を思い出して身震いした。アタシの様子がおかしいのを心配そうにするシンをごまかしつつ、残りの人の試験を見る余裕もなく、格闘試験が終わるのだった。
第49話を読んで頂きありがとうございます!
今回はソラちゃんのトラウマ回でした!
といってもエグいのではなくて笑い話ですね。
私は剣道とか全くですけど、身体の動かし方は基本ですよね!ですよね?
はぁ…運動神経ほしい…
それでは今回はここまで!
ブックマークして頂いてる皆さん!
そうでない皆さん!
いつも読んで頂き、ありがとう!
次回もお付き合い頂ければ幸いです!




