表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第3章 信じること、他者の事情と理解
42/263

第42話

こんにちは!

明日葉晴です!


私は読書が好きです。

趣味の中では一番ですね。

でも読書はかなり時間を取る趣味で、やるとほとんどの趣味をやる時間がなくなってしまいます。

一番の趣味とそれ以外の多くの趣味、天秤に掛けたらどちらを取るのがいいんでしょうね。


では、本編をどぞ!

 前回のあらすじ

 何故か動く馬車で目を覚ましたソラ。シンとロッチの間で何かの約束により行われた行動であった。ソラはその行動に納得せずにシンを助け出しに行く。しかしたどり着いたはいいものの、逆にソラが危険に陥ってしまった。そしてソラをシンが助けた時、限界を超えてオニ化した代償としてシンは暴走してしまったのだった。


 ============


 目の前で起きている現象を、アタシはシンが起こしている事と思うことができなかった。


「うるるるぅぅらあぁ!!」


 襲い来る魔物を次々に殴り飛ばし、動かぬ肉塊へと変えていった。周囲には、原形を留めない魔物の死体が次々に出来上がっていく。


「あぁぁだらぁぁ!!」


 個々では敵わないと本能で悟ったのか、連携を取り左右から同時に魔物が飛び掛かる。しかしシンは左右片方ずつ手で頭を掴み、魔物を回転するように振り回した。


「うぅあぁぁぁぁ!!!」


 振り回された魔物の軌跡にいた魔物はもれなく薙ぎ倒されていく。さらに魔物が振り回された風圧が後方まで届き、竜巻に遭ったかのように魔物が吹き上がった。


「があぁぁぁぁぁ!!」

「これが…オニの本当の力…」


 狂化する前のシンに突き飛ばされたおかげで入り口近くにいたアタシは、幸いにもシンの攻撃対象から外れているらしい。しかし、今いる魔物が全滅した時、その限りではないかもしれない。それでもアタシは、その光景から逃げ出すことも、目を逸らすことも、立ち向かうこともできなかった。


 きっと…今の状況も長くは続かない…


「ロッチさん…何とかする方法は無いんですか…?」

「シン君の魔力が回復する以外、あの状態を解く方法は無いよ」

「魔力を…」


 それまでこの地獄絵図を見続けなければならないの…?


 ロッチさんから言われた事実は、無情にも取れる方法があまりにも少なかった。


「あぁぁがあぁぁぁ!!」

「あっ…!!」


 アタシがロッチさんと話し考え込んでいる間に、周囲にいた魔物の最後の一匹が、ついに仕留められた。


「うあぁぁぁ…ぐぅらあぁぁ…!!」

「シン…」


 獣のように爛々と輝いた瞳が、次の獲物を求めるかのようにアタシとロッチさんの方を向いた。野生を完全にむき出しにした表情からは、いつもの涼しげなシンは欠片も感じられなかった。


「うぅぅぐぅぅ…!!」

「シン…もう戻って…」

「あぁぁ…ぐあぁ…」


 願いは届かずに、アタシとロッチさんを獲物として見定めるかのように、妖しい光を放つ目を向ける。アタシ達に敵意がないことを見てか、いきなり襲ってくる気配はない。


 だけど…なんかアクション起こした途端に襲ってくるかな…


 見逃していると言うより、襲ってくる気配も逃げる気配がないからのんびりしているといった様子だ。


「ロッチさん…アタシが食い止めるので逃げてください…」

「いや…私はここで村の皆とともに眠るさ」

「そんな…!」


 アタシはシンから視線を逸らさずにロッチさんに逃げるように声を掛けた。しかしロッチさんは生きることを諦めた発言をした。


 ロッチさんを守りながら時間を稼ぐ…?いや…アタシがシンに全力で敵意を見せれば、シンもアタシを無視出来ないか…?


 今は野生の動物や魔物と変わらないような今のシンならば、敵意を見せれば反応せずにはいられないはず。なら、アタシが生きている限りロッチさんに危険はないと思った。


「シン…アタシが…相手だよっ!“ウィンド”っ!!」

「らあぁっ!!」


 静かな気合とともに、アタシは全力で風に乗ってシンを目掛けて飛び出し剣を振り抜いた。完全な不意打ちで、一瞬での超加速だったのにも関わらず、シンは即座に反応し大きな横跳びで回避してきた。


 避けられたっ!?でも動作が大きい!これなら…


「らぁっ!」

「くっ!!?」


 避けられた動作で一瞬油断したけど、その油断が甘いとでも言うかのように、大きく距離をとっても関係ないほどでも速さで、拳をアタシのお腹目掛けて振り抜いてきた。アタシはそれを紙一重で躱し、シンの後ろに回り込んだ。


「ぐぅあぁ!!」

「がふぅっ!!」


 しかしシンはすぐさま反応し、拳を振り切った状態から強引な体勢で回し蹴りを繰り出した。アタシはそれを剣でかろうじて防御したけど、威力を殺しきれず飛ばされた。


 いっつぅ…!!体勢が悪くてこの威力…!?


「がっ!」

「ちょっ!?“アース”っ!ぐっ!!」

「がぁあ!」

「はっ!!」


 飛ばされた後アタシの体勢が整う前にシンが拳を振り下ろしてきた。アタシは土の魔法で無理やり態勢を変え回避。突如隆起した地面にシンの拳が突き刺さる。すぐに引き抜かれたけど、アタシはその一瞬の隙を逃さず距離を取り構えた。万全に構えたことでシンも警戒態勢に入ったのか、アタシを鋭く睨み付けてきた。


「はぁ…はぁ…」

「ぐあぁ…」


 マジでこの状況を続けるの…?体力も精神も持たない…なんか方法見つけないと…


 膠着状態を利用し、アタシは必死に考えを巡らせる。


 魔力が回復するまで…確か周囲の魔力を取り込むとか言ってた…周囲の…周囲…


「だぁあぁっ!!」

「っ!“アース”!“ウィンド”!」

「ぐがっ!」

「あっ…!!」


 思考が自分から逸れたことを感じ取ったのか、シンが一瞬で距離を詰め襲ってきた。アタシはそれを土の魔法で妨害、風の魔法で回避した。そしてその瞬間、アタシはあることを思いつく。


 魔力と言ったら魔法…失敗したら無事じゃ済まない…けど…今のままでもジリ貧ならっ…!


「ちっ…!はっ!くっ!」

「らぁっ!がぁっ!だぁうあっ!」


 アタシは思いついたことを試すべく機会を伺う。


 チャンスは確実に一度のみ…失敗すれば次どころか命がない…慎重に…


「いまっ!!“ウィンド”っ!」

「ぐがぁ!?」


 シンが拳を振り抜いた瞬間にアタシは風の魔法で一瞬で距離を詰め、シンを抱き締めた。


「痛くないよ!“ヒィィィィィィィル”!!!!」


 アタシは暴れるシンを持てる力の限り拘束して、回復の魔法をシンに掛けた。


 この魔力を吸収してくれればっ!!


「がぁっ!…かぁ!…はぁ…!」

「シン…!?シンっ!しっかり!」


 だんだん抵抗する力が弱まってきて、アタシを振り解こうとする動作も小さくなってきた。


「いい加減起きてよバカっ!!」

「そ…らさ…ん…?」

「シンっ!!戻った!?」


 名前を呼ぶ声に反応し、アタシはシンの顔を見た。見ると髪の色は深緑に、目の色も戻っていて、角も消えていた。完全に正気に戻った証拠だ。


「やった…やったぁ!!シンっ!!」

「ちょっと…ソラさん…苦し…」

「だって…だって!」

「ははは…心配掛けてすみません…」

「ホントだよぉ…!!怖かったんだからねぇ…!」


 アタシは半分くらい泣いた状態で、シンが正気に戻ったことに安心し、喜んだ。


「でも…ソラさんが抱き着いてくれるご褒美があるなら、良いかもしれませんね…」

「あっ…!!」


 シンが指摘して、ようやくアタシはシンを抱き締めたままだったことに気付いて、急いで離れるのだった。

第42話を読んで頂き、ありがとうございます!


今回はほぼ戦闘でお送りしました!

戦闘シーンを文字にすると、どうしても疾走感みたいなものが欠けてしまいます。

それをどうにかするのが腕前の見せ所な訳なんですが。

いやはや難しいものなんですよ。

ということで今回はここまで!


ブックマークして頂いてる皆さん!

そうでない皆さん!

いつも読んで頂き、感謝が絶えません!

次回もお付き合い頂ければ幸いです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ