第41話
こんにちは!
明日葉晴です!
私前回、重い話が苦手と話しました。
理由は単純で、私が明るい話が好きだから、なんですけど。
まぁ特に復讐するタイプが苦手で、復讐する方だろうが、される方だろうが、どっちかが死ぬととても後味が悪く感じてしまいます。
では、本編をどうぞ!
前回のあらすじ
ロッチの提案により進路を変えるソラ達。ロッチの故郷へと向かう。しかし、着いた先はとても人が住めるようなところではなかった。過去に事件があり、壊滅した村なのだった。
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アタシは車輪の音と振動で目を覚ました。
「えっ…!?何っ!?ロッチさん!どうしたんですか!!?」
状況が呑み込めず、馬車を操作してるだろう人物に声を掛けた。
「あぁ…ソラちゃん、起きたのかい。魔物が来たから離れているんだよ」
「あっ…!そうだったんですね…ってあれ…?シンは…?」
緊急事態で馬車を動かしているのは理解した。けど、ここにいるべきもう一人がいないことに気付いた。
「シン君には残ってもらったよ…これは決めていたことなんだ」
「シンが残ったって…一人で!?それに決めてたって何ですか!?」
ロッチさんの口から出てくる事実の数にアタシは混乱した。
「これはシン君も同意の上なんだよ」
「一人で残しておくことがですかっ!?アタシも行きますっ!…っ!!」
「やめておきなよ。ソラちゃんの夕飯に睡眠薬を入れておいた。思ったより早く起きたけど、まだ体は痺れてるはずだよ」
「なっ…!なんでそんなっ!?」
アタシに睡眠薬を飲ませていたことにも驚いたけど、それ以前にロッチさんはこうなることが分かっていたような態度に一番驚いた。
「私の村、事件が起きてって言っただろ?」
「それが一体…?」
「オニが村を壊したんだ」
「え…!?」
もうこの数回のやり取りだけで何度驚いたかわからない。
「魔物の群れが襲ってきたのは引き金にすぎないのさ。村が滅びた原因は、たまたま村にいたオニが暴れてね。魔物も人も関係なく襲って、壊して…私が戻ってきた時には、暴れていたオニを含めた死体の山が出来上がっていたのさ」
オニが…?そんなことって…
「おかげでオニが憎くて憎くてたまらないんだ…いくら彼がいい子だろうとね…」
「でも…そんな仕草一度も…」
「私は商人だよ?態度を隠すのなんて朝飯前さ。それに最初は私も普通に王都に連れて行こうとしたよ。でもね…彼の存在がそれを許せなかった。だから私はオニの彼と話し合って、こうすることにしたんだ。魔物をおびき寄せるのは簡単だからね」
アタシはロッチさんの話を、シンの決めたことを理解できなかった。
「どう…いうこと…何ですか……?」
「だから、オニの彼を私の復讐に…」
「そうじゃないっ!!」
「っ!?」
アタシの問いかけに、なおも何かを言おうとしたロッチさんをアタシは強引に遮った。
「ロッチさんの故郷を失った悲しみはわかんないよ…!?シンがなんで一人で魔物の群れに残ったのかもわかんないよ…!?」
「なら…私とオニの彼に…」
「だからぁっ!!シンはオニの彼じゃないっ!!シンはシンだよっ!!今はそれだけはわかるよぉっ!!」
「…!!」
正直、アタシだって何が言いたいかわかんない。でも、だからこそ。はっきりしてることを叫んだ。
「シンの考えはシンに直接聞く!ロッチさんにも聞きたいことあるけど、今はシンを助けるのが先!だからアタシは行く!」
「危険だ!それにオニ…シン君がいくら強いからと言って…ソラちゃんの痺れもまだ…」
確かに体はまだ少し痺れてる…けど…
「動けるなら行くっ!動けなくても無理やり行くっ!アタシはぁ…!アタシの信じるものを信じる!」
「ソラちゃん!!」
「“ウィンド”っ!」
アタシはロッチさんの制止を聞かずに馬車から飛び出した。飛び出した勢いで地面に叩きつけられないように風で調整しながら地面に降りた。そしてそのまま馬車の方向とは逆の方に走り出す。
「まに…あって…“ウィンド”!」
風を操り飛ぶように進む。あてずっぽうではあったけど、アタシの運が良かったのか、見覚えのある廃墟が見えてきた。かすかにだけど、戦っている音もする。
「まだ…いる…!“ウィンド”っ!!」
希望が見えてきたことで、アタシは不自由な体を無理に動かし加速を加える。
「シィィィン!!」
「っ!ソラさん!?なんでっ!?」
アタシが叫んだことで、シンは驚きを隠せない様子でこっちを見た。そして、アタシに気付いたのはシンだけでなく、魔物達も一斉にこちらを向いてアタシに襲い掛かってきた。
「邪魔ぁぁぁ!!」
アタシは襲い掛かってくる魔物を切り払いながら進む。そしてシンのところで止まろうと思ったが、体が痺れている影響か、勢いを殺しきれずに転倒した。
「ったぁ…!」
「ソラさん!」
「え…?きゃあ!」
アタシが転んだの好機と思ったのか、魔物の一匹が襲い掛かる。それはシンが切り飛ばして事なきを得た。
まに…あった…けど…
「危なかったですね…じゃなくて!なんで来たんですか!?」
「助けに来たんだよ。今は逆に助けられちゃったけどね…」
「そうじゃなくて…これは僕がやらなきゃいけないんです!」
「だからっ!それがわかんないから来たのっ!」
アタシとシンは言い合いをしながら魔物を端から切り伏せていく。一匹一匹は強くはないけど、何より数が多い。
「聞きたいことはっ!いっぱいあるけどっ!とりあえずシン!オニ化して一掃出来ないの!?」
「もう使い切りました!これ以上は…!危ない!」
「おっと…!もう…!ここが村じゃなきゃ…!」
廃墟とはいえ、村は村。それにここはロッチさんの大切な場所だ。最大火力で全部吹き飛ばすわけにはいかない。
だけど…このままじゃジリ貧だ…!何とかして打開しないと…そうだ…!
「シン!この村に魔物をおびき寄せてるものがあるでしょ!?それの場所を教えなさい!」
「…焚火です…あれで魔物をおびき寄せる匂いを出してます…石碑の前です」
シンが一瞬の間をおいてから、目的のものの場所を言った。アタシはすぐに石碑のあるほうを向いた。
「あれかぁぁ!“ウォーター”ぁ!!」
もくもくと煙を出している焚火に初級の水魔法をぶっ放した。少し力を込めた魔法は、込めた分にこたえるかのように勢いよく水が焚火に降り注いだ。
よし…これで後は今いる分を…
「ソラさん!」
「え?…きゃっ!!」
焚火を消したことで気を抜いたことが原因か、アタシは魔物の一撃を食らい飛ばされた。
「っ…はっ…!」
「ソラさん!!」
飛ばされた先で、アタシにさらに追い打ちを掛けようと魔物が腕を振り上げた。アタシは体の痺れと、飛ばされた衝撃で動けずにいた。
「はぁぁぁぁぁぁ!!!」
「シン…!」
しかし、オニ化したシンが間一髪のところで魔物を蹴り飛ばした。
「ごめん…また助け…」
「来ないで下さい!!」
「くっ!!」
アタシはよろけながらも立ち上がり、シンにお礼を言おうと近付いた時、そのシンによって突き飛ばされた。
「シン…?なんで…?」
「は…やく…早くっ…逃げて!」
「シン!?シンどうしたの!!?」
「がぁあぁぁぁぁぁぁ!!」
オニ化したままシンは、苦しみながらアタシに逃げるように促した後、大きく仰け反りながら空に向かって獣のように叫んだ。そして、髪と瞳の色が水色へと変色していった。
「あーあ…結局、こうなってしまうのか」
「ロッチさん…」
「見届けようと思ってきてみたけど、私もこの村で眠ることになりそうだ」
「あれは何ですか!?シンはどうなったんですか!?」
「あれがオニの暴走だよ。オニは狂化と呼んでいたかな」
「暴走…」
あれが…この村の滅んだ理由…
「オニ化は自分の魔力を消費してなっている。そして、オニ化して魔力がなくなったら、ああやって暴走状態になるらしいよ。空気中とかの魔力を取り込んで自分の魔力が回復するまで続くらしい」
「そんな…ていうことは…」
「シン君の魔力量がどんなかははからないけど、生き残るには回復するまで理性のない最強種族候補を凌ぎ切るしかない」
ロッチさんからの無情な宣告とともに、シンと魔物達の咆哮が廃墟の夜空に響き渡るのだった。
第41話を読んで頂き、ありがとうございます!
今まで影の薄かったロッチさんがようやく本領発揮しました!
ロッチさんの裏切りパターンはいくつかあったんですけど、一番人的被害が少ないパターンです。
村一つ滅んでて何を…って思うかもしれませんが。
まぁ過去は振り返らず前を向いていきましょう!
では、今回はここまで!
ブックマークして頂いてる皆さん!
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いつも読んで頂き、ありがとうございます!
次回もお付き合い頂ければ至福の限りです!




