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極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第3章 信じること、他者の事情と理解
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第40話

おはにちばんは!

明日葉晴です!


最近は雨が少し多いですかね?

私は晴って名前ですけど、雨も好きです。

和むというか、落ち着くというか…そんな感じで好きです。

もちろん、晴れも好きですよ?

夏ももう終わりなんですかねぇ。


では、本編をどうぞ!

 前回のあらすじ

 グマンの町を出たソラ達。次の目的地の道中で野宿をする事になった。その見張りの最中、ソラは二人からハウンドになった理由を聞かれ、改めて見詰め直したのだった。


 ============


「ちょっと行き先を変えようと思うんだ」


 朝起きて支度をした時、ロッチさんが唐突に切り出した。


「王都に向かわないんですか?」


 そんな事を言われ、不安になったアタシはロッチさんにそう聞いた。王都に向かわないとなるとここでアタシとシンの二人で向かわなきゃならなくなる。


「いや、王都には向かうよ。正確には次の行き先さ。経由するところを変える」

「そうですか。王都にたどり着けるならアタシは構いませんよ」

「僕は元々ついでに乗せて貰ってる身なので、異論はありません」

「ありがとう…すまないね」


 ロッチさんは本当に申し訳なさそうな顔でお礼と謝罪を口にした。その後、アタシ達は馬車に乗り込み、進み出した。


「次はどんなところに向かうんですか?」

「王都の周りにある村の一つだよ。私の生まれ故郷でね。ちょっと用事を思い出したんだ」

「ロッチさんの故郷ですか。それは大事ですね!ねっ、シン!」


 故郷は大切だ。アタシにとってはちょっと複雑だけど、この世界の生まれた所も立派に故郷と言えるくらい、大事な思い出がある。だから、アタシは故郷に行きたいって人を止めることは出来ない。


「故郷…ですか…そうですね。僕もそう思います」

「なら、ちゃんと仲直り出来るといいね」

「……はい…ありがとうございます」


 故郷はやっぱり大事にして欲しい。そんな思いを込めて、アタシはシンにそう言った。シンにも少しは伝わったのか、若干申し訳なさそうにお礼を言う。


「いいよ。気不味いならアタシも付いていって上げるから」

「はは…その時はお願いしますね」

「わかった。シンがちゃんと謝れるか、見ててあげる」


 そんな会話をしていると、ふと視線を感じた。その主はロッチさんしかいないので、またからかわれるかと警戒して見ると、何故か少しだけ気不味そうにした後、再び前を向いた。


 なんか夜から変だなぁ…


 違和感を感じつつ、だけどその正体がわかんないからすっきりしない。得体の知れない感情を持ちながらも、アタシ達を乗せた馬車は進んだ。


 =============


 一度の魔物との戦いと、二度目の野宿を行った次の日。ロッチさんの話では、ロッチさんの故郷に今日の夕方には着くそうだ。


「そう言えば、ロッチさんの故郷ってどんなとこなんですか?」


 アタシは最初に聞くべき内容を聞いてなかったことを、今更ながらに思い出して尋ねた。


 美味しいご飯のお店とかあるかなぁ…


 あわよくば、と言うよりも、ほとんどそれを目当にした質問。村と言っていたけど、王都から近いらしいし、人の出入りもあるだろう。なら美味しいお店もあるはずだ。


「私の故郷かい?そうだね…特産も何もないとこだけど、住みやすい、いい村だったよ。王都から近いお陰で行商人の出入りは多かった。少なくとも私が住んでた時はね」

「あぁ…だからロッチさんも行商人になったんですか?」

「そうだねぇ…お陰で困らなかったけど、選択肢がなかったのも事実かな」

「それってどういう…」

「あぁ…見えてきたよ」

「ホントですか!?……え…?」


 アタシがどういうことか聞く前に、ロッチさんから目的地が見えたことを伝えられた。アタシは馬車の運転席に通じる所から身を乗り出して目的地を確認し、言葉を失った。


 あれ…は…村…?人…住んで…?え?


 目の前に見えたのは村でも町でもなく、遠目で見ても廃墟同然の所だった。見張り台も、村を囲っていただろう塀も壊されていて、形を保っている家よりも、崩れて家だったものの方が多かった。


「あれが私の故郷…イズカって村だったところさ」

「そんな…なんで…」


 なんで来たのかという疑問よりも、なんでこうなったかという思いが浮かんだ。


「五年前、魔物の群れに襲われてね。それが引き金になって事件が起きて村は壊滅。生き残ったのは応援を呼びに行った一人のみ。戻った時には全部終わっていたんだよ」


 生き残った…のは…ひと…り…まさか…!


「その生き残りが私だよ」

「ー…っ!」

「ここに来たのは墓参りさ。騙すように付き合わせて悪いと思うよ」

「いえ…そんな…アタシも…アタシもお墓参り、付き合いたいです」

「…ありがとう。本当にいい子だね。皆も喜ぶと思うよ」


 会話をしているうちに、馬車は村だったところに入っていき、広場のようなところにある大きな石碑の前で止まった。


「これが皆の墓だよ」

「そうなんですか…シン。出よ…シン?」


 アタシが馬車から出ようとして、シンに声を掛けた。ふとずっと喋っていないことを不思議に思い様子を見ると、深刻そうな表情でシンが俯いていた。


「っ!いえ…なんでもないです。出ましょうか」


 アタシが見ていることに気付いたのか、すぐに顔を上げて笑い顔を作ったけど、明らかに無理をした表情だった。


「うん…大丈夫?具合悪い?」

「はい。大丈夫ですよ」

「そう?無理はダメだよ?」

「わかりました。行きましょう」


 アタシは心配するも、シンは大丈夫だと言い張り馬車を出る。アタシはその態度を不安に思ったけど、何も言わずに後に付いて出た。


 もしかしたら、シンもロッチさんの故郷のことで心を痛めただけかもしんないしね…


 その後お墓にお参りをして、今日はここで野宿をすることになった。使えそうな家もあったけど、勝手に使うのはなんとなく失礼な気がしたから、アタシも素直に賛成した。


 とは言え…うーん…お風呂入りたい。


 さすがに三日目となると、ちょっと気になる。別にまだ匂ってはない。と信じたい。だけど、女子としてはそろそろ気にしてしまう。女子としては。


 お風呂だけ…お風呂だけ借りよう。


「あの…ロッチさん…非常に言いにくいんですけど…あの…お風呂だけ借りてもいいですか?」

「ん?誰も使ってないから聞かなくてもいいよ?」

「いえ、やっぱりロッチさんの故郷で、大事にしてると思うので」

「あはは!そうか…ありがとう。使えばいいよ。役に立つなら、人も物も嬉しいだろうよ」

「ありがとうございます!じゃあ少し失礼します」


 そうして、アタシは比較的きれいに残ってる家を探した。


「お邪魔します。お風呂貸して頂きます」


 返事がくることがないと知ってるけど、アタシはそう言って家に入ってお風呂を探した。


「“ウィンド”、“ウォーター”、“ファイア”…をしながら…“ウォーター”」


 風で埃を払ってから一回水でさっと浴槽を洗って流す。その後に火で温めながら水を張って簡単にお風呂を用意した。


 あー…今一番魔法使えて良かったと思ってる…


 お風呂に入りながらそんな庶民的なことを考えていた。お風呂から上がると、火を出しながら風で体に付いた水滴を飛ばして着替える。


「戻りました。二人もお風呂どうですか?」


 戻ったアタシは二人にお風呂に入ることを提案した。


「いや、私はいいよ」

「僕も…別に」

「ど、う、で、す、か?」

「「はい…」」


 訂正。提案じゃなくて強制にした。入れる時には入って欲しい。なんというか…気分の問題だ。


 まぁ、明日にはまた町に行く訳だし、綺麗にしといて損はないよね。


 二人がお風呂に入った後、ご飯を食べてから見張りの順番を決めることになった。その時、アタシは急に眠くなってきた。


「ソラちゃん、眠い?」

「はい…少し…」

「辛い物を見せてしまったしね、疲れてるんだろう。今日は先に眠りなよ」

「僕も、そうした方がいいと思います」

「すいません…甘えさせて貰います…」

「うん。おやすみ」

「ソラさん。おやすみなさい」

「おやすみなさい…」


 アタシは二人の好意に甘え、先に休ませて貰うことにし、馬車に入って眠りに就くのだった。

第40話を読んで頂き、誠にありがとうございます!


今回はちょっぴりシリアスでした。

重い話を書くのは苦手という話をしたことがあると思います。

滅んでしまった村ってだけで気持ち的に書くのが難しかったです。

それでは今回はここまで。


ブックマークして頂いてる皆さん、そうでない皆さん。

いつも読んで頂き、本当にありがとうございます!

次回もお付き合い頂ければ幸いです!

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