第37話
こんにちは!
明日葉晴です!
最近は花火とか祭りとかにぎやかですね!
これぞ夏!って感じで、暑さもかなり来てますね!
祭りとかはいいんですけど、暑さだけは苦手です。
それでは、本編をどうぞ!
前回のあらすじ
グマンの町を散策するソラとシン。現在の雇い主であるロッチが商人であることを再確認する。そして、散策を続けていると、男達と少年が荷物を取り合っているところに遭遇するも解決するのだった。
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大通りを巡りきったアタシとシンは、今度は隠れた名店を探すべく、細い路地をぶらぶらしていた。もちろん発案はアタシだ。
「思いの外、路地ってお店ないね」
「大通りに集中してるんですかね」
しかし名店探しは上手くいかず、何の変哲もない民家が続いていた。
「こういうとこに凄腕の鍛冶屋とかあるのが定石だと思うんだけど…」
「そうなんですか?」
「………だといいなぁ…って話」
まぁ、ロマンの問題だよね…
「少し前から思ってましたけど、ソラさんって結構変わった趣味ですよね」
「え?そう?」
「はい」
んー…別に変な趣味は無いと思うけど…
「どうしてそう思うの?」
「鍛冶屋とか武器屋とか、ひいては剣とか好きじゃないですか。差別するわけじゃないですけど、女の子らしくないなって」
「あー…」
それ、お父さんとかにも言われたわ…
「可愛い物とかも普通に好きだよ?ただ、剣とか武器とかもカッコいいじゃん。だから憧れるって言うか…そんな感じ」
「武器とかそういうの、野蛮とか、怖いとか思わないんですか?」
「いやいや。アタシはハウンドだし。それにお父さんが衛兵の隊長だから、人を守る道具って印象だよ」
まぁ…お父さんが隊長って知ったのは割と最近だけど。
「ソラさんのお父様は隊長ですか。だとしたら、ソラさんの強さにも納得がいきますね」
「ついでに言えば、お父さんを鍛えた人がアタシの先生だよ」
「親子二代でですか。よっぽど強い方なんですね」
「うん。すっごく強い。正直、なんでうちの村にいるのか分かんない」
そんな他愛ない会話を挟みつつ、路地をひたすら彷徨う。
「あれ?あの子…」
「さっきの子供ですね」
そんな中、さっきまでヨーロンさん達と荷物の取り合いを繰り広げていた子を再び発見した。
「捕まえますか?」
「んー…でも実際には盗ってないわけだし…注意だけにしとこっか。そもそもアタシ達が捕まえる理由ないし」
「そうですか。まぁソラさんがそれでいいなら僕は構いませんよ」
「じゃあちょっと話そう」
そう言ってアタシ達が近付くと、気配を感じたのかすぐにこっちを見て逃げる体勢を取った。
「あ、待って!」
そしてアタシの制止を聞かず、また走って逃げてしまった。
「追うよ!」
「はいっ!」
アタシは即座にシンに声を掛け、男の子を追う。だけどなかなか距離は縮まない。
土地勘があるとは言え、あの子…速い…
路地を奥へ奥へとひた走る。時には箱を飛び越え、時には壁を蹴り、時には屋根の上を走った。
「ねぇっ!待って!」
「待てって言われて待つかよっ!いつまで追ってくんだ!諦めろ!」
さっきからこんな調子で、物理的にも精神的にも距離が縮まない。
「話を聞きたいだけなの!」
「オレは話すことなんかねぇ!」
あれ!?一人称変わってない!?
「それにお前らみたいなのはそう言って捕まえにくるんだろ!」
「そんなことしないよっ!」
「嘘だっ!さっきも嘘吐いただろ!」
それを言われると弱いっ!
「それはごめん!でも今は本当に話がしたいだけだから!この距離から近付かない!」
「…わかった!少しでも怪しかったら逃げるからな!」
そう言って足を止めた男の子。その様子を見てアタシとシンも足を止めた。
「ありがとう!」
「なにが聞きたいんだよ」
「えっと…」
やっばぁ…特に決めてなかった…
「なんで盗みなんかしてるの?」
何か言わないと逃げられる心配があったからとりあえずど直球に聞くことにした。
「生きる為に決まってんだろ!」
「親は?」
「そんなのいない!」
親がいない…?
「オレは捨てられたんだ!だから生きる為にはなんでもする!腹を満たす為には小石だって食うし、喉を潤す為には泥水だって飲む!」
「そんな…」
アタシは言葉を無くした。親がいないなんて人に会うのは初めてで、辛い生活をしなきゃ生きていけない子供に掛けられる言葉をアタシは持ってない。
「お前らみたいに綺麗な身なりしてる奴らには分かんないだろ!親がいるのが当たり前で!守って貰えるのが当然で!オレみたいなのを捕まるのは決まってそういう奴らだ!」
「っ!」
親がいる。守って貰える。アタシにとっては当たり前だった言葉が、深く刺さった。
この子にとって、アタシは恵まれてるんだ…
「ソラさん、悲しまなくていいですよ」
「シン…」
アタシが何も言えずにいると、シンがアタシの肩に手を置いて慰めてきた。
「僕が説得しますよ」
「え…?」
それだけ言うと、アタシより一歩前に出た。
「君は僕らが羨ましいですか?」
「当たり前だろ!不自由なんかなくて!誰に追われることもないんだから!」
「そうですか。僕は君が羨ましいですよ」
「は?」
「シン?」
シンの言葉に、男の子は見るからに不機嫌そうな顔をした。アタシもシンの言葉を理解出来なかった。
「僕は君が羨ましいです。君が言うように、僕には親がいて、それは大事に守って貰えました。でも、君みたいになんでも出来る可能性はありませんでした。僕は君の未来を選べる可能性が羨ましいです」
「オレに未来なんか選べねぇよ!汚く生きる未来しかねぇ!」
「選べるます。さっき見たましたけど、君には大人顔負けの力があります。足も速いし、体力もあるようです。なら、仕事はきっと見つけられるはずです」
「………」
今度は男の子が押し黙った。
「力仕事なら貰い手はあるでしょう。頼み込めば日雇いの仕事くらい見つかると思います。そうしてまともに生活出来れば、未来はもっと選べるでしょう」
「孤児のオレなんて誰も雇わない…」
苦しげに、男の子はようやくそう言った。
「ならハウンドはどうですか?身分も出自も関係ないですよ」
「戦い方なんか知らないし、武器もない」
「誰かに頼んでみましょう。なんならさっきの人達に謝って教えて貰うのもいいでしょう。最低限の武器なら僕がお金を出してもいいです」
「あっ!アタシも!」
「ソラさんもこう言ってます。どうですか?」
「なんで…そこまで…?」
確かに。アタシの勢いに付いてきただけのはずなのに…
「僕は君が羨ましいんです。憧れがこのまま潰れてしまったら、悲しいじゃないですか」
「オレが…憧れ…?」
「はい。だからかっこよく生きて下さい」
「……わかった。ならお前らの手は借りない。オレ一人で話付けてくる」
「はい」
男の子はそう言い残すと、どこかへと立ち去って行った。
「シン。ありがと」
「いえ。僕は本心を言っただけです」
「それでも。だよ」
「なら、どういたしまして。ですね」
シンのあの言葉が本心だとすれば、親と離れた状態の今のシンは幸せなの…?
そんな疑問が最後に浮かんだけど、結局聞くことは出来なかった。
そのあとは暗くなってきたから、朝に取っておいた宿に二人で帰ったのだった。
第37話を読んで頂き、ありがとうございます!
ほのぼのデートもここまで!
次回からこの章の終わりまでに動き出します!…多分。
私の頑張り次第ですが…
いや、頑張ります。
では今回はここまで!
ブックマークして頂いてる皆さん、そうでない皆さん。
いつも読んで頂きありがとうございます!
次回もお付き合い頂ければ、幸いです!




