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極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第2章 進むべき道、アタシの意志
22/263

第22話

こんにちは!

明日葉晴ですっ!


心が折れた時、支えになるものはありますか?

もしも無い人は作りましょう!

作り方がわからない人は他の人に相談しましょう!

きっと、その相談に乗ってくれた人は支えになってくれますよ。


では、本編をどうぞー!

 前回のあらすじ

 大型の魔物の襲撃を受け撤退を余儀なくされたソラ達。しかし、魔物は撤退を待ってくれるわけもなく、追撃を受ける。傷付く人を見過ごせず、ソラは魔法によって障害物を作り上げた。だがその障害物が仇となり、町に魔物が侵入。責任を感じたソラは一人で町の魔物を倒し続けた。その最中、ゾーラが襲われているのを助け、自分のやった事を責めるのであった。


 ============


 お父さんがアタシを迎えに来た後のことはよく覚えてない。ぼんやりと思い出せるのは、お父さんと隊長さんの会話で、東から来てた魔物が突如撤退したこと。北の魔物は殲滅されたこと。運良く死んだ人はいないこと。それだけ。細かい事は覚えてない。


 結果良かっただけで、アタシがやったことは消えない…


 ナノ町の騒動が一旦終わりを見せ、アタシ達は帰る事になった。見送りにゾーラさんや他の衛兵さんが来てたらしいけど、アタシはどんな顔で会えばいいかわからなくて、結局会わなかった。


 アタシ…最低だ…せめて謝ればよかった…


 そんな事を思っても後の祭り。出発した後だった。お父さん経由でゾーラさんから焼き菓子を貰った。その時、またいつでもおいで、と言ってくれたらしい。


 ゾーラさんは最後まで優しかったのに…アタシは…


 馬車の中は行きは賑やかだったのに、アタシが思い詰めているのに気を遣ってか、誰も何も言わなかった。


 ============


 村に戻ってから、アタシ達は無事を祝われながら、その日はちょっとしたお祭りになった。そんな中、アタシは気分が優れないと言って家に帰った。


「ソラ、おかえりなさい」

「ただいま…お母さん…」

「お父さんは?」

「まだ広場…」

「…?ソラ、どうしたの?」

「…何でもない。疲れてるだけ…」

「……そう。ゆっくり休んでね」

「ありがとう…」


 それだけやり取りをしてアタシは自分の部屋に入った。


 アタシ…役に立たないどころか、迷惑掛けた…こんなんだったら行かない方がよかった…


 一人になると更に気が重くなる。でも今は誰にも会いたくない。


 こんな迷惑掛けて、今更…


 結局アタシは何も出来ない。ちょっと強くなっていい気になってた。でも、力を持っても誰かを助けるどころか迷惑を掛けた。


 結局…アタシは何にも出来ない…前の世界と変わらない…変われない…


 人は死んでも変われない。その事実がアタシに酷く突き刺さる。


 こんなの…もう…アタシ…何もしない方がいい…


 ぐるぐると良くない感情が心の中で巡る。そんな時、不意にノックの音がした。


「ソラ、いい?」


 お母さんの声。この世界で一番優しい声。


「入るわよ」


 アタシが黙っていると、それを了解と思ったのかお母さんがアタシの部屋に入ってきた。


「ソラ、やっぱり何かあったんでしょ?」


 やっぱりお母さんにはバレていたようだ。いや、今回はアタシが分かりやすかったのかもしれない。


「話したくない」


 失敗したこと。アタシのせいで人が死にそうになったこと。全部。


「そう」


 アタシの小さな拒絶をお母さんは一言で受け止めた。


「ソラが話したくないなら、深くは聞かないわ。でも、これだけは言わせて?私はソラが帰って来てくれた、それだけで満足だから」


 お母さんは深く聞かない。アタシは何も言わないのに全部を受け止めてくれる。今はそれがただ嬉しかった。


「おかぁさん…ァタシ…」


 アタシが自分の罪を告白しようとした時、お母さんに指で口を閉じられた。


「聞かないって言ったでしょ?何か悲しいことが、嫌なことがあったら、今はただ泣きなさい。泣いて、すっきりして、それから色々決めればいいの」

「ぅん…うん…ぐすっ…あぁ…あぁぁぁん!」

「よしよし。帰って来てくれてありがとう」

「あぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!」


 アタシはその夜、お母さんに抱き締められたまま泣いて、泣きつかれて眠った。


 ============


 ここは…どこだろう…


 白。白。白。見渡す限りの白い空間。


 なんだろう…なんか覚えがある…


 手足の感覚はない。見ると体がなかった。いや、実際に見たのかもわからない。思考だけがある。そんな感覚。


 だとすると、白に見えるのも気のせいかもしれないのかな…


 そんなことを考えていると、どこからか澄んでいて、でも無機質な感じのする声が聞こえてきた。


「…ら…ぉら…ソラ…ソラ、聞こえていますか」

「あ…はい…えっと…誰…ですか…?」

「ワタシは世界の安定を望む者」

「世界の…安定?」

「今、アナタのいる世界は非常に不安定な状況です。アナタにはそれを正す義務があります」


 世界が不安定?正す義務?


「なにそれ!?アタシそんなこと聞いてない!アタシにはそんなこと出来ない!勝手に決めないで!」

「既に契約は行われています。義務を放棄する事は、原則出来ません」

「勝手に決めないでって言ってるでしょ!」


 そんな契約した覚えがない。


「では、アナタは契約を破り、義務を放棄すると?」

「そうよ!アタシには世界を正すとか、そんなこと出来ない!町一つ迷惑を掛けたのに!世界なんて…!」


 今更言われても…こんな…アタシが何も出来ないって知った時に…


「なんで今更そんなこと言うのよ!」

「それはアナタが義務を放棄しようと考えたからです。以前であれば、アナタは世界を守る道にいました。そのままであればワタシがアナタの思考に介入する必要もありませんでした」

「だからアタシはそんな義務知らないって言ってるでしょ!そんなの無効よ!」


 アタシに期待しないで欲しい…アタシは何も出来ないのだから…


「わかりました。では、契約破棄に伴いアナタの存在を消滅。それに伴い、世界を修正させて頂きます」


 は…?今…なんて…?


「待って!アタシの消滅って何よ!?」

「本来であれば、ソラという人物はごく普通の人として生まれ、ごく普通に暮らして行く予定でした。そこにアナタの元の思考、記憶を追加し、特例としてアナタが存在しています。契約を放棄すると言うことは、それらの特例を破棄、修正しなければなりません。故にアナタは消滅します」

「なら、アタシがいた事は…?」

「当然、なかった事になります」


 アタシがいなかった事に?なら、あの失敗は…


「アタシがいなかった事になるとどうなるの?魔物の騒動もなかった事になるの?」

「アナタ方が魔物と呼ぶ存在についての事象は、世界の不安定さが原因によるものです。その事象は必然であり、回避されることはありません」

「なら…町は?人は?」

「まず、アナタが生まれた集団拠点はアナタが介入した最初の事象により消滅します」


 消…滅?


「次に、アナタが介入した集団拠点の、今回の事象に関しては、アナタが生まれた集団拠点が消滅したことにより戦力が不足、結果、消滅します」


 そんな…


「そんなの…あんまりじゃない…」


 アタシがいても…いや、いなかったら更に…


「そんなの…見過ごせない…」

「はい。その解答に至ることは既に想定済みです。故に、アナタの思考に介入する。ということなのです」


 なるほど…全く持ってその通りだ…見事に誘導された…


「わかったわ。義務とやらを果たしてあげる。なら教えて、どうすれば世界は安定するの?魔王とやらを倒せばいいの?」


 魔王…いつか聞いたもの…確か世界を滅ぼすとか言っていた。


「アナタの今いる世界で魔王と呼ばれる存在はさしたる問題ではありません」


 魔王が問題じゃない…?


「なら、どうすればいいのよ!?」

「世界の安定とは、世界が存在し有り様が定まっていると言うこと。その世界に他の存在が介入する余地が無くなること」

「だからっ!どうすればっ!」

「アナタが存在する世界。その世界にワタシ以外で介入しているものを排除してください。方法は如何なるものでも構いません」

「そんなの…」


 無理だ。そもそもこの人?以外で介入してるなんてわからない。


「それこそ世界中の生き物を滅ぼして全部排除するしかないじゃない…」

「極論、それでも構いません」

「はっ!それこそ魔王の所業ね」


 滅ぼして、それでいいというなら、まさに魔王だ。


「アナタの言う魔王が人を滅ぼす存在という意味であるなら、そうなります」

「それ以外にどんな存在がいるのよ」

「言葉通りであるならば、魔王とは魔を統べる者。ならば誰もが魔王なりえます。人を滅ぼすという定義はありません」


 魔を…統べる?


「魔を統べるって…魔物を従わせろと?それが誰にでもできるって?」

「アナタのいる世界の人が定めた、人以外の動物の有害無害を割り振った存在は関係ありません。魔とはアナタのいる世界の人ならば誰もが持っているもの」

「何を…あっ…」


 “魔”法…


「本題からそれました。先程も言ったように如何なる方法でも構いません。それで世界が安定するならば」


 正直わからない。わからないことだらけだけど…


「あんた言ったわよね。アタシが最初に決めた道のままならよかったって」

「はい」

「そう。ならアタシがやることは最初から変えない。それでいい?」

「構いません」

「わかった」


 ならいい。もう迷わない。アタシは、アタシが最初に決めた事をやり遂げる。


「では。願わくは、二度と会わないことを」

「待って。最後に言いたいことがあるわ」

「はい?」


 虚を突かれたような声は、今までの無機質な声から思えないほど、人の様に思えて少し面白かった。


「この世界に連れてきてくれて、ありがとう」

「……では」

「じゃあね」


 そうして、アタシの意識は遠退いていった。

22話を読んで頂き、感謝で言葉も出ません!


1話目の伏線をようやく回収しました!

内容がちょっと強引になった気がします。

すいません。

ついでに第二章の大筋はこれにて終了ですっ!

今後はとりあえずいつも通り、何話か閑話を挟みます。

それと、設定とかプロフィール的なのも挟みたいと思います。


それでは、これからお付き合い頂ければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
[一言] その程度ならハナから何もしない方が賢いだろ(笑)
2021/12/05 18:31 退会済み
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