表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
極大魔力の初級魔法  作者: 明日葉 晴
第2章 進むべき道、アタシの意志
21/263

第21話

こんにちは!

明日葉晴ですっ!


よかれと思ってやったことが思わぬ悲劇を生むことがあります。

私がある日友人Aの家に行った時、私以外の来客がありました。

何やら重要な人っぽかったので、私が気を遣ってお茶を出したんです。

私はその時転んでその人にお茶をぶっかけてしまいました。

やっぱり慣れない事はするものじゃないですね。

因みにその人は笑って許してくれました。


では、本編をどうぞ!

 前回のあらすじ

 ついに魔物の群れとの戦闘に入るソラ。本当の戦場と言うものを目の当たりにし、怯みつつも役割をこなす。しかし、人が目の前で傷つく事に慣れていない為に、役割外の事も行ってしまう。それを班長に咎められ、自らの役割に注力し、部隊を勢い付かせる。だが勢いが付いたのも束の間、大型の魔物が接近してきたのであった。


 =============


 大型の魔物が出現してから、しばらくしないうちに前線は乱れ始めた。


「うわぁぁぁ!」

「くそぉぉ!」


 尋常じゃない魔物の数に加え、単体でも一つ班と渡り合える程の魔物が暴れる。


「総員!戦線を下げろ!一度立て直す!支援班!壁用意!」

「「「戦闘支援!壁用意!…発動!」」」

「「「“アースウォール”!」」」


 戦闘支援の人達によって、下級魔法の“アースウォール”が唱えられる。いくつもの土の壁が、前線と魔物の群れの間に作られていく。


「今のうちに下がれ!誰一人置いて行くな!」


 皆が必死に仲間を庇いあい、戦線を下げて行く。だけど…


「ガァァァ!」

「シャャャャ!」


 作り上げられた壁が、次々に大型の魔物によって破壊され、徐々に距離を詰めてきた。

 やがて、魔物の猛威は前線の一番前にいた部隊に届いた。


「うわぁぁぁ!」

「あぁぁ!」


 部隊の人達の悲鳴が聞こえる。


 いや…


「ちくしょぉぉ!」


 いやぁ…


「俺に構うなっ!行けぇぇ!」


 いやあぁ…


「いぃやあぁぁぁっ!“アァァァス”ゥゥゥゥッ!」


 アタシは絶叫とともに初級の土魔法を唱えた。無我夢中に、ただひたすらに力を込めて。


 ズズズズゥゥンッ!


 すると魔物の群れを押し退け、前線部隊と群れを分断するように山がそびえ立った。


「ソラっ!」

「お父さん…」

「今は何も言うな。とにかく撤退するぞ」

「うん…」


 アタシが出した山により、魔物の進行が止まり無事に戦線を下げる事に成功したのだった。


 =============


「報告します!負傷者多数!死者は幸いにもいません!」

「うむ。わかった。ひとまず休んでくれ」

「はいっ!」


 戦線をだいぶ町の近くまで残し、部隊は態勢の建て直しに入った。アタシはお父さんの隣で静かに報告を聞いていた。


 よかった…死んじゃった人はいないんだ…


「ソラ君、君には本当に助けられた。お陰で死者を出さずに済んだ。ありがとう」

「いえ…アタシは…」


 アレができるならアタシはもっと早くにやるべきだった…


「ソラ、いいんだ。自分を責めるな」

「うん…」


 お父さんはアタシの思った事を察したのか、励ましてくれた。嬉しい反面、それでもアタシは後悔していた。


「ソラ君、あんな状況になるなんて誰も思わなかった。誰もが逃げるしか出来ないなかで、君は自分の出来ることをやったんだ。誰も君を責めはしない。仮にいたとしても、私が責任を持ってさせない」

「ありがとう…ございます…」

「うん。ソラ、よくやった。さすが俺の愛する娘だ」


 ナノ町の隊長さんから慰められ、お父さんに抱き締められる。


 温かい…生きてる…


 アタシはただただ、助かったことに安心した。


「ところでトーマ殿、これからどうする?」

「そうですね…大型が複数同時は流石に厳しいものがありますね…取り巻きもまだ数多く残っていますし…」

「問題は山積みと言ったところか…これ以上戦線を下げるのも危うい」

「それに、いくらソラが山を作ったといってもいずれは越えられるか、回り込まれるでしょう」

「そうなる前に北の部隊が応援に来られればいいのだが…」

「先程伝令がありました。北も現状で手一杯のようです。押し負ける程ではなさそうですが、こちらに回す余力は無いそうです」

「そうか…」


 お父さんと隊長さんが沈黙する。


「あの…アタシがまた山を作ります…それで時間が稼げるなら…」


 アタシは勇気を出して伝えた。しかし、二人は難しい顔をした。


「ソラ、いくらソラの魔力が桁外れだとしてもダメだ。限界がわからないのに時間稼ぎしても意味がない」

「なら、焼き尽くす」

「それもダメだ。ソラの魔力が持つ保証がない。もし失敗したら真っ先に危ないのはソラなんだ。それは兵士としても、親としても許可出来ない」

「うむ。それにグランドサーペントは脱皮をする。燃えても脱皮をされれば意味がない」

「なら…」

「ソラ、無理は良くない。考えてくれるのは有難いよ。でも自分だけ犠牲になるのはダメだ」


 お父さんに釘を刺され、アタシは黙った。


「ふむ。しかし振り出しに戻ったな」

「そうですね。現状では圧倒的に戦力が足りない」

「せめてもう一部隊あれば…」

「無いものを考えても仕方ありません。現在の残り戦力を整理しましょう」

「そうだな。今残っているのは…」


 お父さんと隊長さんが再び打ち合わせを始めた。その時…


「ほ、報告しますっ!山を回り込んだと思われる魔物の一部が町の外壁を破壊っ!現在町の中に進行し始めましたっ!」

「なんだとっ!?」


 山を回り込んでって…アタシがやったから…!


 アタシは頭を過った後悔を一旦片隅にやり、考えるまでもなく反射的にお父さんの下を飛び出した。


「ソラっ!」

「待ちなさいっ!」


 お父さんと隊長さんの制止を無視して走り出す。


「“ウィンド”!」


 さらに風の魔法も使い加速して、最速で町に向かう。


 アタシのせいで…一刻も早く行かなきゃ…!


 =============


 町に着くと、端的に言えば荒れていた。綺麗に均されていた道は魔物の足で抉られていて、建ち並ぶ店や家は破壊されていた。


 アタシのせいで…アタシのせいで…!アタシのせいでっ!


 町の中を走る。幸いにも、侵入した魔物は多くないようで、一体一体が好き勝手に暴れているだけで、それを通りすがりに倒しながら進む。だけど…


 せっかく綺麗な町だったのに…!アタシがっ!


 アタシの気持ちは晴れることはなかった。


「はぁぁっ!」


 一体、また一体と目に付く魔物を倒し、町を走る。


「きゃあぁぁっ!」


 逃げ遅れた人が…!?


 アタシは声のする方に向かった。


「誰かぁぁ!」


 女の人が狼の魔物から逃げていた。


「やめてぇぇ!」


 狼の魔物の首を落とした。


「あ、ありが…」

「すいません…」


 アタシは女の人のお礼を聞かずにまた走り出した。


 アタシは…お礼を言われる立場じゃない…!


「“ウィンド”…“ウィンド”…“ウィンド”…!」


 最早走っているというより、飛んでいるという方が合ってる形で町を進む。


「っ!」


 魔物を切り進む風になり、町を進む。やがてよく知る道に出た。


 ゾーラさん…


 避難するとは言っていたものの、不安になりアタシはこの町で知り合った人のいた場所に向かう。


 ちゃんと避難したよね…?


 だけど、そんな不安を嘲笑うように聞いたことのある声が聞こえてくる。


「こっちにくるんじゃないよっ!」


 なんでっ…!?


「ゾーラさんっ!」

「ソラちゃん!?」


 アタシはゾーラさんに迫っていた猪の魔物を切り飛ばし、ゾーラさんに駆け寄った。


「なんで逃げて無いんですか!?」


 それでゾーラさんが死んでしまったら…


 ゾーラさんはアタシの問い掛けに笑った。


「だってもしこの店が壊れたら、ソラちゃんが来れないだろう?」


 そんな…


「ゾーラさん…ごめんなさい…ごめんなさい…!」

「泣かないで、ソラちゃん。ソラちゃんのせいじゃないだろう?」


 違う…だって…


「アタシのせいなんです…アタシがっ!」


 アタシがゾーラさんに、アタシの罪を言おうとした時…


「キシャァァァッ!」

「ソラちゃん危ないっ!」


 大型の蛇の魔物が背後から襲い掛かってきた。それをゾーラさんが庇おうとした。


「あっ…!」


 魔物の巨大な口がゾーラさんに向けられる。


 ダメ…


 全てがスローモーションに感じられた。


 ダメッ…!


 アタシのせいで…人が…ゾーラさんが…!!


「ダメェェェェェェ!!“ウィンド”ォォォォ!!!」


 がむしゃらに力を込めた魔法が突風となる。魔物の巨体が吹き飛ばされ、建物に叩き付けられる。


「“ウィンド”ッ!“ウィンド”ォッ!!“ウィンド”ォォォォッ!!!」


 アタシは魔物を更に押し潰すように突風を起こし続けた。


「ソラちゃん!もういいんだよ!ソラちゃんっ!」


 魔法を叫び唱え続けるアタシをあやすようにゾーラさんは抱き締めた。


「ぞぉらっ…さぁん…」

「助けてくれてありがとう。もう大丈夫だから泣かないで。ほらかわいい顔が台無しじゃないかい」

「だってぇ…ぁたしぃがぁ…」

「大丈夫。ソラちゃんのせいじゃないよ。ソラちゃんを責めるヤツがいたら、ワタシがぶん殴ってあげるから。ね?」

「あぁぁぁ…」

「よしよし。大丈夫。大丈夫」


 その後、アタシはお父さんが来るまでゾーラさんの胸でなき続けた。

21話を読んで頂き、ありがとうございます!


ソラちゃんは叫んで魔法を放つ系ヒロインです!

嘘です。ごめんなさい。

今回は非常に心苦しかったのですが、ソラちゃんに追い詰められてもらいました。

実はこれは緩和させた方で、これ以上やると私が持たなかったのでやりませんでした。

正直もうやりたくないです。

ソラちゃんの前に私が絶叫しそうでしたよ。


ではでは、次回もお付き合い頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 転生者なのに記憶なし?記憶があってその程度なら程度が知れる。
2021/12/05 18:29 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ