第20話
こんにちは!
明日葉晴ですっ!
私は今、他に2作ほど書いているのですが、たまにどの作品でどんな前・後書きを書いたか忘れます。
もしかしたらもう話がごっちゃになってる部分があるかもしれません。
今度時間があったら見直そうかと思ってます。
では、本編をどうぞ!
前回のあらすじ
無類の強さで次々と衛兵に打ち勝つソラ。それにより衛兵たちの間ではオニと恐れられるようになる。そのことに不満を抱き、ゾーラの店で愚痴を言っている最中に町に非常事態を告げる鐘が鳴る。ソラは急ぎ駐屯所へ戻ると魔物の群れが押し寄せていることを知るのだった。
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速やかに作戦の打ち合わせと行動が起こり、町の中も外も慌ただしくなった。予定通り一時間で部隊の編成が終了し、アタシ達東の迎撃部隊は、魔物の群れを迎え討つための準備が完了した。
「各班、準備はいいな!?これより東から接近している魔物の群れを殲滅する。訓練も不十分での部隊編成で申し訳なく思う!しかし短い時間ではあったが互いに剣を交え、酒を酌み交わした仲だ!互いを信頼し合い、連携できることを信じている!」
「「「はいっ!」」」
ナノ町の隊長さんが宣言し、部隊の士気が高まる。周りでも、互いに声を掛け合ったり挨拶をしたりして緊張をほぐし合っている。
へぇ…隊長さんやるなぁ…まぁアタシは訓練参加できなかったけど。
それでもアタシを見たことある人がいたのか、時々声を掛けられたり、恐れられたりした。
「では…出撃!」
その声を合図に部隊が前に進む。アタシは後方支援組の馬車の中でおとなしくしていた。
「君が噂の幼女か?」
すると、アタシが気になったのか声を掛けられた。見ると声を掛けた人だけじゃなく、他の人もアタシを見ていた。
「まぁ…だいぶ尾ヒレがついてますけどそうです」
「そうか…ほんとに子供なんだな…」
「これでも十一歳なんですけどね」
精神的には二十六歳だけど。
「充分子供だと思うが…まぁいい、互いに頑張ろう。後方だが俺達が倒れたら前にいる連中が困るから、無理のない程度に、だが」
「はい」
「一応俺がこの班の班長だから、きつくなったら言ってくれよ」
「わかりました」
「うむ」
いいおっちゃんだ。班長さんだったのか。
班長さんが話したのをきっかけに周りの人もアタシのところに集まり始めた。
「あ、あのっ!俺、試合見てました!」
「俺も見てました!剣技、すごかったです!」
「ワシも見てたが大人と対等に以上に戦えるとはな」
うーん…なんだか最近よく囲まれるなー…
「あー…ありがとうございます」
「なんで前衛部隊じゃないんですか?」
「魔法の方が得意なんですか?」
「どうやってそんなに強くなったんですか?」
次々に質問が繰り出され、どうしようかと困っていた。その時…
「総員、戦闘準備!」
外から隊長さんの焦りを含んだような声が聞こえてきた。
もう群れが…?早い…
馬車内もさっきまでのワイワイとしていた空気が一変して、緊張感が走る。アタシを含めて馬車から飛び出て周囲を確認する。他の馬車からも人が下りていて戦闘態勢に入っていた。
「支援班!支援魔法を!」
「「「はいっ!」」」
隊長さんの掛け声を合図に、支援班が一斉に前衛部隊全員に補助魔法を掛けていく。もちろん、アタシもだ。
「“パワード”“ガード”“クイック”」
割り当てられた班に補助魔法を掛けいく。
「おぉ…すごいな」
「体が軽い…」
「やっぱりかわいい子に掛けてもらうと違うのかな」
いちいち何か言う必要もないと思うけど、それでやる気が上がるのならアタシも、頑張るのはやぶさかじゃない。
「皆さん、頑張ってきてくださいね!」
とびきりの笑顔でそう言い放つと、一瞬静まり返った後に…
「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
アタシが魔法を掛けた班だけやたら士気が上がった。周りが何事がとこっちを見てるのがちょっとだけ恥ずかしい。しかし盛り上がるのも束の間、遠くから複数の足音やら這いずる音やらが聞こえてきた。やがて、一個の塊のような魔物の群れが見えてきた。
数が…多い…
アタシは魔物の数の多さに怯んだ。だけど、周りの人は訓練を受けている人達。流石に反応が違った。
「後方部隊、魔法放てっ!」
「「「放てっ!」」」
隊長さんの掛け声の後に、すぐさま後方部隊から一斉に魔法が放たれる。巨大な火の玉や、水球、中には雷なんかもあった。
「後方部隊、煙掃い!その後前衛部隊、突撃っ!!」
「「「うおぉぉぉぉぉぉ!」」」
ひとしきり魔法が終わった後、土煙を風の魔法で掃い、前衛部隊が突撃する。
「後方部隊、前進っ!」
少しの間をあけて、アタシたちの部隊も前進した。ここまでは事前の打ち合わせ通りの展開だ。
こっからは戦況を見ながら支援だ…アタシ達の担当班は…いたっ!
今回、前衛と後衛は細かく班に分かれて、前衛と後衛の班がペアで組まれている。それによって、一人が見る負担を軽くして動きやすいようにしている。アタシはその班の中でも補助支援魔法担当だ。
「班長。もう少し前に出ませんか?」
「ソラ…だったか、今はこのあたりが限界だ。思いのほか数が多い。前衛を抜けてくる奴もいる…っと“フレイランス”」
班長さんが火の中級魔法“フレイランス”で流れてきた魔物を狙う。針のような形をした炎が猪のような魔物を貫く。
「でも…」
「気持ちはわかるが今は耐えろ。前に出すぎて俺たちが倒れたら、そこから一気に崩れる」
「わかりました…」
「うむ。もう少し数が減れば前に出れる。それまで待て」
「はい」
わかる…けど歯がゆい…
道中、支援の役回りは教わってきたけど、その間の戦闘はどこか余裕があった。けど今はみんな必死だ。その中で安全な距離で見守るのはとても辛かった。
これが…本当の戦場…
誰が怪我しても…死んでもおかしくない場所。理解してた。してたはずだった。だけど実際に目の当たりにすると想像以上に、頭でわかっていた以上に心が痛い。
「っ!“ヒール”っ!」
担当班の一人が狼の魔物に噛まれ怪我を負った。反射的に回復魔法を力を入れて掛ける。
「ソラっ!魔力を込め過ぎだ!それに君は補助支援担当で回復支援ではないだろう!?」
「すいません…でも…」
「役割を忘れるな。ちゃんと回復支援担当がいるんだ。信じろ。初級魔法であれだけ治してたら魔力が尽きるぞ」
「すいません…気を付けます。魔力はまだ全然余裕があるので大丈夫です」
「そうか。わかればいい。それと、今のは間がいい。回復支援も出来るのだな」
そう言って班長さんは優しく笑ってくれた。どうやら気を遣ってくれたみたいだ。
「あ…ありがとうございます」
「あぁ。そろそろ補助支援の掛け直しを頼む」
「はいっ!“パワード”!“ガード”!“クイック”!」
アタシは再び補助魔法を担当班に掛け直した。遠くにいてもしっかり掛かるように、精一杯力と願いを込めて。
どうか、このまま怪我が無いように…誰も死なないように…!
「あれっ?なんか体がさっきより軽い…」
「うおっ…っと?当たりが弱くなった?」
無意識のうちに範囲を広げていたのか、担当班の人がいるところ以外の方から次々と驚きを含んだ声が聞こえた。
「ソラ…君は…」
「アタシは大丈夫です。役割はもう間違えません」
「そう…か。無理はするなよ」
「はいっ!」
どうやら班長さんはアタシが担当班を無視したことを咎めはしないで、見なかったことにしてくれるようだ。なかなか粋な人だ。
突如掛かった補助に驚きながらも、強化されたことで勢いが付いた前衛部隊は、さらに魔物を倒す速度を上げた。しかし、魔物の数は終わりを見せるどころか増え続けているようにも見える。
このままじゃ…
そして、アタシを含め部隊全体が焦り始めた頃、さらなる混乱が前衛部隊の叫びによって伝わった。
「ぐ、グランドサーペントだっ!」
「こっちはタイラントベアが来たぞ!」
叫び声の方を見ると、大型の魔物が複数接近してきていたのだった。
20話を読んで頂きありがとうございます!
時間が経つのは早いもので、もう20話です。
まぁいろんな人からしたらまだまだなんでしょうが、やっぱり感慨深いものはあります。
さて、ソラちゃん初の大規模な戦闘です!
お得意の超速剣技で無双!みたいなのを期待してた方はごめんなさい。
地味ポジションです。
いやでも、支援役って重要じゃないですか。
私は好きですよ?支援役。
まぁそれは置いといて、ちゃんと見せ場も考えてます。
なのでっ!この次もお付き合い頂ければとっても嬉しいですっ!




