第12話
こんにちは!
明日葉 晴です!
最近は暖かいのか寒いのかよくわかりませんね。
私は布団やこたつの誘惑に堪えながら日々過ごしています。
それでは、本編をどうぞ!
前回のあらすじ
突如道場に現れたクラウセッド。バウゼルに本気の勝負を申し込む。それに対しバウゼルはソラに勝ってからという条件を付け、クラウセッドはそれを了承した。嘗めた態度のクラウセッドに対して怒りを露わにするソラだったが、成長したクラウセッドによってすぐに倒されてしまう。そして、そのままバウゼルに挑み善戦をしたが、師という高い壁に対してクラウセッドは挫けてしまう。が、そんなクラウセッドを再び立ち上がらせたのも他ならぬバウゼルであり、改めて強くなることを決意したクラウセッドは王都へと旅立つのであった。
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クラウセッドが旅立ってから約一年、村…というかこの国ではまだ様々なことが変わっていた。一番大きく変わったのは、いつぞや他の町の隊長さんが言っていた傭兵派遣の制度が導入されたこと。大々的に発表、整備されたその制度の正式名称は『派遣型傭兵団運営組織導入制度』。各地に設立された建物は『派遣所』と呼ばれ、そこに所属する人たちのことを制度の略称から『ハウンド』と呼ばれるようになった。
このニィガ村にももちろん派遣所ができて、王都から職員さんが四名やってきた。制度の説明をして、その後に村で軽く聞き取り調査が行われた。村の周りに出る魔物の種類や、取れる薬草の種類、それと今現在の村の問題点など様々ことを聞かれた。
と言っても、この村では魔物はそこまで頻繁に出るものじゃなく、一年前の騒動以降も少し増えたくらいで問題は特になかった。
というわけで、ハウンドの人は特に村には来なく、時折手が空いた人たちが、村の人の手伝いを円滑に行うような場所、というような施設に落ち着いた。一応、一度でも依頼を受けた人は書類上ハウンドとして登録をしたけど、それで何が変わったということもなかった。
かくいうアタシもハウンドに登録した一人で、割と高い頻度で派遣所には通っていた。
「こんにちはー」
「あら、こんにちは。ソラさんは今日もですか?」
「どうもティトリさん、今日もです。なんかありますか?」
「うーん…そうですねぇ…」
受付にいたのは職員の一人、ティトリさん。物腰は穏やかな優しい女性職員さんだ。昼は大抵受付にいて、よく話したりして、一番仲のいい職員さん。そんなティトリさんはちょっと考え込んだ。
「今日はソラさんによさそうなのが特にないですね。採取ものも急ぎはありませんし」
「そうですかぁ…」
「ごめんなさいね」
「いえいえ、平和な証拠ですよね!」
「そうですね。この村は平和で素敵ですね。人もみんな優しくて、よそからいきなり来た私たちにも好意的で、歓迎会なんかも開いていただいて」
職員さんが来た日、村で歓迎会を開いた。そのおかげで職員さんと変な壁を作らずに、派遣所もすぐに村に馴染むことができたのだと思う。今は昼まで閑古鳥が鳴いてるけど、朝と夜はそこそこ人が出入りしているらしい。
「あはは。基本的に騒ぎたいだけですよ。みんな優しいのももちろんありますけど」
「それでも、おかげで皆さんと早く仲良くなれました。他の村や町では、派遣所やハウンドをあまり好意的に受け付けてないところもあるそうですから…」
「まぁ確かに、物騒な人たちが増えるとなるとあまりよく見えませんし、逆に治安が悪くなる可能性も無きにしも非ずですからねぇ」
傭兵、と聞くと真っ先に思い浮かぶのがならず者、荒くれ者のイメージだ。それはきっとこの世界でも共通なのだろう。
「それに一応、この村の人たちも最初は警戒してたんですよ?」
「やっぱりそうなんですか?」
「はい。でもティトリさんたちが丁寧に、わかりやすく説明したから受け入れることにしたんです。この村は助け合いが当たり前なので、助け合いが円滑に進むようになる組織だとわかれば拒む理由もありませんから」
「そうだったんですね。この村に来れてよかったです。私達職員も最初、受け入れてくれなかったらどうしよ、とか言い合ってたんですよ。心配は無用でしたけど」
「まぁ、誰しもわからないものは不安ですから。大事なのはお互いを理解しようとする姿勢ですよね」
ティトリさんと一緒に、うんうんと頷きながらしみじみ思っていた。
「話は変わりますけど…前々から思ってたんですが、ソラさんって見た目のわりによく考えますよね」
「え、それって馬鹿に見えるってことですか?」
そうだったらちょっとショックだ。
「いえいえ、そうではなく。考えることが年相応じゃないというか、子供に見えるのに大人みたいな思考というか…」
あぁ、なるほど。まぁ精神年齢だけで言ったら二十六歳になるからなぁ。最近意識してなかったけど。
「もしかして実は長命な種族だったりするのかな、と」
ん?長命な種族?
「長命な種族って何ですか?」
「あぁ、村から出たことなかったり、聞かなければ知る機会もないですね。代表的なのはエルフやドワーフですね。他には、ヴァンパイア、ワービーストと言った種族が当たりますね。本来なら全種族総じて人と呼ぶんですが、私達が普段人と言って指すのは、ホミニスという種族ですね」
ここにきてすっごいファンタジー要素!
「へぇ…全然知りませんでした。人って色々いたんですね」
「ということは長命な種族ではない?」
「というより気にしたことなかったんですが、多分違います。いやでも、お母さんは歳増えても全然見た目変わんないし…もしかして?」
「ソラさんのお母さんは耳が尖がってたり、歯が鋭かったりとかありますか?」
「いえ…普通の耳で、普通の歯ですね。アタシが初日に来た時に見てますよね?」
流石にアタシの年齢でハウンドに登録するのは難しく、保護者同伴だった。その時にお母さんもいたのだけど…
「え!?あの人お母さんだったんですか!?私てっきりお姉さんかと…若いんですね」
「あれでも三十後半のはずです」
「えぇ!?結構年上!!?私と同じ位かと思ってたのに…はぁ…ま、まぁさておき、お母さんがあの方で三十後半ならおそらく…多分…結構な確率でホミニスですね。正直疑いたいですが」
まぁ、お母さんはどう見ても若い。今でも二十前半と言ってもばれないレベルで、長命な種族がいるなら疑いたくもなるだろう。
「となると、まぁアタシの適正のせいだけですね。六歳の時に大人と同程度の知能と言われたので」
「あぁそうなんですね。納得です。他はどうだったんですか?」
「基本的に高めでしたね。魔法とかは全部の属性でした」
「全部!?へぇ!凄いじゃないですか!そんな人もいるんですね!私なんて平凡もいいとこでしたよー」
やっぱり驚かれるものなのか。
「でも恥ずかしい話、アタシには魔法の才能はなかったみたいで、もう五年ほど練習してるのに未だに初級魔法しか使えないんですよ」
「そうなんですか?私はてっきり適正さえあれば、バシバシ使えるものだと。すいません。悪いこと聞いたみたいで」
「いえ、いいんです。それでも頑張ろうと決めたので。当初はへこみましたけど、今は大丈夫です!」
いろんな人のお陰で頑張ろうと思った。へこむ時間を練習しようと決めたからもう大丈夫。
「強いんですね…私も応援するので、頑張って下さいね!」
「はい!」
そうして、この日はティトリさんと雑談をして過ごした。夕方頃になると、人が増えてきて忙しそうになってきたので帰ることにした。
12話を読んで頂きありがとうございます!
今回をもって第2章の始まりとしたいと思います。
まぁ名前とか変えてはいますが、派遣所もハウンドも、ぶっちゃけよくあるアレですね。
さて、頑張ってどんどん話を進めて行きたいと思います。
それでは、これからもお付き合い頂ければ幸いです。




