第11話
こんにちは!
明日葉 晴です!
最近、4代目遊べる駅を買いまして、書く時間が減ってしまいました。
バランスは大事ですね。
では、本編をどうぞ。
前回のあらすじ
道場が再開した聞きバウゼルのもとに訪れたソラ。そして、剣で本気の勝負を行う。最初は劣勢だったものの、徐々に押し返すことに成功する。だがしかし、突然の訪問者によって隙が生まれ決着がつく。その訪問者とはクラウセッドであり、バウゼルに勝負を挑むのであった…
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クラウセッドの登場と宣言に、道場内は一瞬固まった。
そりゃいきなり現れて勝負しろは訳わからんわね。アタシはちゃんと間をあけたからいきなりじゃないよ?話振ったのも先生だし。
「クラウセッド、なんで私と勝負したいのですか?」
「ただの勝負じゃない!本気の勝負だ!」
クラウセッド、敬語がなくなってるよ…何がそこまでクラウセッドを駆り立てるのだろう?
「ふむ…いいでしょう。ただし条件があります」
「条件って?」
「私と戦う前にソラさんと勝負してください。ソラさんに勝てたら、後日私と勝負しましょう」
いや、アタシを勝手に条件にしないでほしいです、先生…
「…いやだ」
ほら、クラウセッドも納得しないでしょう…
「そいつを倒したら、今日戦ってよ。先生」
ほほぉ…こいつアタシを倒すの前提か…しかもそこから先生と戦えると?大した自信じゃない。
「分かりました。ソラさん、いいですか?」
「かまいません。嘗めてるあいつを叩き潰します」
アタシ、ちょっと怒ったよ?
勇んで道場の中央にアタシは進んだ。クラウセッドも道場の中央で少し距離を取って構えた。
「では…始め!」
先生の合図とともにアタシは踏み込んで、斬り付ける。クラウセッドはそれを受け止めた。
「やるじゃない」
「ふんっ…“セルフパワード”“セルフクイック”」
これは…下級魔法の自己強化!
アタシと競り合っている間にクラウセッドは自分を強化した。
そのあと、クラウセッドはアタシを軽々と弾き飛ばす。
「っ!」
飛ばされたアタシは空中で体勢を立て直し、着地した。直後、今度はクラウセッドが間合いを詰め、斬りかかってくる。
「あぶっ!」
カンッ!
重い…!
何とか受け止めることには成功したのも一瞬、次々にクラウセッドは鋭い斬撃を放って来た。上下左右にと休まず繰り出される攻撃に、防戦一方のアタシ。段々と、受けるのが遅れていき、何度か掠るようになってきた。そして…
カンッ!
「っと!」
アタシが受けきれず、体勢をほんの少し崩したその一瞬。
「…しぃっ!」
クラウセッドの回し蹴りがアタシ脇に入った。
「ぁはっ!」
受け身も取れずに再び飛ばされ、完全に体勢を崩す。そして、倒れたアタシにクラウセッドの木剣が突き付けられた。
「…終わり。これで戦ってくれるよね?先生」
すでにアタシに興味をなくしたのか、クラウセッドは木剣を先生に向け構える。
「いいでしょう。ソラさんは休んでいなさい」
先生もクラウセッドに向き合い、手にしていた木剣を構える。
「“セルフパワード”“セルフクイック”」
クラウセッドは再び、自己強化を行う。
「準備はいいですか?」
「うん…」
「では、来なさい」
先生が言い終えるのが早いか、というくらいのタイミングでクラウセッドが跳びかかる。その速度はアタシと戦った時より速く、ほんとに一瞬で間合いを詰めていた。
アタシの時は本気じゃなかったのか…
少しショックを受けるのも束の間、目で追うのがやっとくらいの速度の斬撃が二人の間で交わされていた。
「それが本気なのですか?」
「………」
カンッ!
先生の言葉の返事なのか、クラウセッドが思い切り剣を弾き距離を取る。そして大きく息を吸い込む。
「“フィジカルブースト”!」
「ッ!」
クラウセッドの唱えた魔法に道場の全員が驚く。アタシはもちろん、対峙していた先生さえも息をのんでいた。
「あれって中級魔法…だよね…クラウセッド使えたんだ…」
無属性の中級魔法“フィジカルブースト”、“パワード”や“クイック”が能力の加算効果だとすると、乗算効果だ。今のクラウセッドはさっきより確実に強くなっている。もうきっと、アタシの目では動きを追えないだろう。
「シィィッ!」
気合とともにクラウセッドが視界から消える。
ガンッ!
「くっ!」
激しい音のした方、先生の方を見ると、先生が剣が弾かれて体勢を崩していた。
「先生が押し返された…!」
ただ、そこは流石先生だった。体勢を崩された後に一瞬で立て直し反撃を加えていた、のだろう。もう二人の剣筋が見えない。風を切る音と、木剣同士がぶつかる音で戦っているのがわかる程度だ。
先生は体の向きを変えているだけで、その場からほとんど動いてないから姿は見える。肩から先は影しか見えないけど。
クラウセッドの姿はもうほとんど見えない。金色の影が飛び回ってるようにしか見えない。
だけど、激しい攻防も長くは続かなかった。
「ッ…!」
突然クラウセッドの姿がはっきり見えたと思った次の瞬間、先生の剣で吹き飛ばされていた。
「ぐぁっはっ…!」
壁に叩き付けられてクラウセッドが倒れる。そして先生が剣を突き付ける。勝負終了だ。
「終わりですね。いい勝負でした。成長しましたね。ですが、いつものように楽しく剣を振っているわけではありませんでしたね」
先生はいつのも笑顔でクラウセッドを称えた。クラウセッドは腕で顔を覆っていて表情は見えない。
「成長?こんだけやっても勝てないんじゃ意味ないよ。楽しく?本気なのに出来るわけないじゃないか」
クラウセッドは微かに嗚咽を漏らしながらそう言った。
「成長は進んでいる証拠です。諦めなければいい。本気でも楽しく出来ることはあります。クラウセッド、あなたは何故そんなに追い詰められているのですか?」
「この前の騒動、結局俺はほとんど何もしてない。一匹魔物を倒せたのもそいつの魔法があったからだ。それでも先生が押されていた魔物には手も足も出なかった」
「でも一体倒したのは事実じゃないですか。それでも充分だと思いますが」
「充分じゃない。俺はこの村を守りたい。強くなりたい。だからまず魔法を覚えた。次に先生に勝てれば俺だってあの魔物に勝てるかもしれない。だけど負けた。結局無駄だった」
「今すぐには無理でも何年かしたらわかりませんよ?」
「それじゃ意味ない。先生はもうおじいちゃんじゃん。俺が成長したら、先生はもっとおじいちゃんになって弱くなる。勝てて当然じゃん」
まぁ確かに当然の理論な気はする。
アタシはひそかに納得していると、先生は密かに息をついた。
「思い上がるなよ小僧。俺が弱くなる?勝てて当然?そんなこと、一撃でもまともに入れてから言え」
圧と殺気と覇気と確かな存在感のようなものが先生から放たれた。いつもの優しく穏やかな先生ではなく、そこにいたのは鬼のような存在だった。
そう感じたのも一瞬で、すぐに空気が変わり、穏やかになった。
「ゆっくりでいいのですよ。私はいつまでも待ちましょう」
クラウセッドは顔を隠したまま小刻みに震えていた。泣いてる?それとも怯えてる?そう思って様子を見ていたら。
「……くっ、くはっ!あははは!やっぱり先生はすごいや!」
大声で笑いだした。その笑い顔には、道場にいた時のような張りつめたようなものはなく、すっきりしていた。
「先生、失礼をしてごめんなさい。でも俺やっぱり強くなりたいです。だから俺、王都行きます。本当は先生倒してからって決めてたんですけど、王都で学校行って強くなって帰ってきます。その時また戦ってください」
「いいでしょう。楽しみにしていますよ」
「はいっ!」
こうして、道場でのクラウセッドの騒動は幕を閉じた。
その数日後、クラウセッドは王都へと旅立っていった。
11話を読んで頂き、ありがとうございます!
今回はクラウセッドの旅立ちのための回です!
迷って、悩んで、足掻いて、少年よ大志を抱けって感じですね!
さて、そろそろ大きく動かしていこうとは思いますが、まだ詰め切れてはいません。
頑張ります。はい。
こんなでもこれからもお付き合い頂ければ幸いです。
2019.2.6 修正:下級魔法を追加。それに伴い、今までの中級魔法を下級魔法に、上級魔法を中級魔法とします。なんかゲームのアプデっぽい…




