表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/157

完遂4

 夕紀も期待したがあいつは女を知らなすぎる。全ては小説の中だけで、女はこう有るべきだと決めてかかっている、それが癪だった。

 夕紀の話を聞いて急に快活になった美紀は、ホッとしたのか話に乗ってきた。

「じゃあ、あの本を今日は借りられそうね」

「もうあの本を読んでもしゃないよ、桜木君は女に対する認識が他の男とは釣り合いが取れてない気がするのよ。だから女心を理解して貰うには相当の苦労が要るわよ」

 どうも美紀はあたしの言うことは上の空で聞いている。目を覚せ。

「滝川さんについて桜木君は、道子さんは消息を誰にも知らせずに想い出の場所で四十年も暮らした事に、本当はどう思っていたのか聞いたのよ。すると桜木君は何の痕跡も残していないから彼女の愛情は既に消え失せていたと決めつけるのよ。そんな単純な思考回路には驚いて、まったくアイツはどうかしている」

 居場所が分からなくても、テレパシーのように気持ちが通じるって事はあるでしょう。念じれば(むく)われると謂うように、と言ってもそれは非科学的だとアイツに一蹴された。

「とにかく桜木君には、なんとしてでも人を思うと云うロマンに欠片ているのよ」

 そうなんか、と美紀は少し気落ちしたようだが、それでも本を借りにゆく。

「美紀は本当にあの本を読みたいの」

 夕紀は夕べの桜木との逢瀬が不発に終わると美紀は俄然張り切って、だから行くのよと今度は剥きになる。

 しゃあないか、昨日の今日で、果たしてあいつはどう何だろう。多分面倒くさがるのが落ちなような気がするが。だから行くのよと解ったような解らん変な理屈を並べて美紀も向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ