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②⓪⑧元舎弟に色恋話

今年は確定申告がギリギリになってしまった。

そしてリアル仕事でもやる事多々‥‥全くストックが増えない苦笑

「女神が兄貴をでヤンすかーっ!!!」

「でけー声出すな」

「フツさん」

「ああ」

小っこいからはっきり見えないけど、仲介所(ギルド)の受付に居る栗鼠(リス) 族のお姉さんがこっちを睨んでると思う。


「ちょっと声抑えろ」

「でもでもでもでヤンす!う、嘘でヤンすよね?ね?女神?ねぇーっ??」

「聞けよ」

「ニノさん落ち着いて下さい」

「女神が‥‥あっしの女神が‥‥」

「お前の女神じゃねぇだろって、お出でなすった」

やっぱりお姉さんは俺達を睨んでいたみたいで受付台から飛び降りて俺達の席に走って来た。


「すみませんがそちらの奴隷を大人しくさせて下さい」

「申し訳有りません、今言い聞かせます」

「こんな兄貴を‥‥」

「お姉さんはお前の事を言ってんだよ、いい加減黙れ」

『こんな俺』に対しては反論出来ないので流してやるが目を付けられたらこれからの事もやり辛くなる。


「まだみたいですが?」

「ちゃんと言い聞かせます、ニノさん」

「え?あ‥‥‥すいヤせん」

「宜しくお願い致します、他の方達の迷惑になりますので」

「他の奴等?」

一体誰が迷惑してんだか、俺達以外に今 仲介所(ギルド)に居るのはごく僅かだ。


「何でしょう?」

「そんなに居な‥‥」

「フツさん」

「はい、悪かった」

「‥‥奴隷が問題を起こすと持ち主が責任を負う事になりますのでくれぐれも御注意下さい」

「気を付けます」

「はいでヤンす」

俺までとばっちりを受けたけど、確かに他所者の俺達が奴隷を引き連れて騒いでたら良い気はしないか。


「なぁお姉さん」

「何か?」

「いや迷惑掛けたし受付台まで運ぼうか?」

「‥‥‥」

「フツさん、この方にそんな必要は無いですよ」

「あそう?」

善意で言ったんだが余計なお世話だったみたいだ。


「では私はこれで」

「はい、ご迷惑をお掛けしました」

頷いたお姉さんは気にした様子も無くトコトコと定位置に戻って行った。


「あんなに小っこい体じゃ登るのも一苦労だと思ったんだけど?」

「いいえ、彼女は私達人族よりより高い所まで飛べる筈です」

「そうなんだ、じぁ何か悪い事言っちゃったか」

「慣れてらっしゃるでしょうけどそうですね」

「う~ん」

小さ過ぎる体でも栗鼠(リス) 族の身体能力は高いらしく、良かれと思って言ったんだけど逆に馬鹿にしてると思われたか。その辺の気遣いは各種族の特性を知らないと難しい。


「これから下手な事言わない方が良いな」

「フツさんがわざとじゃ無いのは相手も解るので大丈夫と思いますよ」

「‥‥‥兄貴」

「まだ騒ぐんなら殴るぞ」

「聞きたい事が有るでヤンす」

「しつけぇな、今度は何だよ?」

「兄貴は女神の事をどう思ってるんでヤンす?」

「どうって」

「ニ、ニノさんもうその話題は‥‥」

「女神は兄貴の事を好いてるんでヤンしょう?知りたいじゃないでヤンすか」

「‥‥私は知っていますよ」

「あっしがでヤンす」

「何だそれ、お前が知りたいだけじぇねぇか」

「どうなんでヤンす?」

「無視すんな」

ただカーラは自分の気持ちを堂々と打ち明けていて、そんな彼女を思えばここで俺がもごもごする訳には行かないな。


「はぁ‥‥俺も惚れてるぞ」

「お?」

「フツさん」

「悪いこんな場所で、何かこいつのせいで変な流れになっちまったよ」

「いえ‥‥嬉しいです」

「それは、うん」

「兄貴がそんな事あっしに言うなんて」

「お前が聞いたんじゃねぇか!‥‥‥あ」

やべっ受付台からの視線を感じる、小っこいのに圧力が半端ない。


「‥‥‥変わりヤしたね兄貴」

「俺もそう思うよ、お前には二度と言わねぇけどな」

俺がこんな事を口にするなんて以前まで考えられない事だ。でもいざ口にしてみるとそれ程恥ずかしさは無くカーラも喜んでくれたのでこれはこれで良いのか。彼女やステトや伯爵(パパ)さん達、タツ院国から逃げて来て出会った人達の影響なのか変われば変わるもんだ。


「お前こそ奴隷になって平和ぼけしたんじゃねぇか?」

これが王都の下民区みたいな場所に有る店だったら絶対喧嘩になってるし、仲介所(ギルドでもいちゃもんを付けて来る奴が居てもおかしくない。


「そん時は兄貴が何とかしてくれるでヤンしょ」

「お前のそういう所は変わってねぇな」

荒事が苦手なニノはその類の事になると俺や別の舎弟に丸投げだった。幸いツルギ領の仲介所(ギルド)には大した依頼や仕事が有るとは言えず人影もまばらで絡まれる事は無かったけどさ。


「まぁ仲介所(ここ)は奴隷関連が主な仕事でヤンしょからね、表に出てる職員もあの姉さんしか居ないみたいでヤンす」

「お前は他の職員を見た事あんのか?」

「奴隷になる時は裏の部屋に連れ行かれるでヤンすよ、そこに他の職員達が居ヤす」

「何で表に出てこないんだ?」

「依頼者や受託者より奴隷の対応の方が忙しいでヤンしょ」

「もう何の為の仲介所(ギルド)だって話だぞそれ」

元々人手が居ないのか犯罪奴隷や契約奴隷の相手で忙しいって、活気が無いのは解ってたけどいざ依頼を出す身(正確にはカーラにやってもらう)になるとちょっと心配になる。


「女神と兄貴の関係は解りヤした」

「じぁもう俺達の話は良いだろ」

「へい、考えて見れば兄貴と女神がどうなろうとあっしが女神の奴隷なのは変わりないでヤンすね」

「そんな事を解らせる為に話したんじゃないっての」

「うふふふ」

「女神は笑顔も女神でヤンすね~」

「止めろ気持ち悪い」

カーラがニノの気持ち悪い言い草に笑ってるのは多分さっきの事で機嫌が良いからだろうな。


「それにしても欲が無いでヤンすよ兄貴は、ナンコー領が手に入るかも知れないのに」

「入れてどうしろってんだ、俺には手に負えねぇよ」

「じゃ婿入りはどうなんでヤンすか?貴族に成れるかもでヤンす」

「俺がそんな柄か」

「そうでヤンすけど、女神はそれで良いんでヤンすか?」

「私は別に、でもニノさんはよくそこまでの考えに至りましたね」

「物事の裏を見るのが好きなんでヤンすよ」

何気に嫌な性格だ。


「それだけで詳細をお知りになりたがったのではないのでしょう?」

「へい、死なない為でヤンす」

「死なない?」

「あっしは荒事が無理でヤンすから、状況とかを把握してその中から最善の選択をする様にしてるんでヤンすよ」

「最善、ですか」

「こいつは(ファミリー)の時も目端を利かせて上手く立ち回ってたんだ」

「生き残る為でヤンすよ兄貴、それが無けりゃとっくにあっしはくたばってるでヤンしょ」

「まぁな」

「‥‥‥奴隷の今もですが過酷な世界で生きて来られたんですね」

「いんや、今は女神の奴隷なんで悪くは無いでヤンすよ」

「え?あ、あははははなら良かったです」

「だから気持ち悪いっての」

思えばニノは妹が暴漢に殺された事が切っ掛けで『ゴート・ファミリー』の(カシラ)と繋がり俺の下に付いたんだ。それまで勤勉に働いて来たこいつが俺の縄張りでまかりなりにも生き残り、(ファミリー)内のいざこざで奴隷になった今では小さい集団を任されてる。それは要領の良さもさることながらその細かい性格のお陰なんだよな、聞かれる方は鬱陶しいけど。

次回更新は、少し先の3/18予定です。


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