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②⓪⑦元舎弟の驚き

お陰様で完全復活しております、がリアル仕事が忙しく今回少し短いです苦笑

そして前回お題が抜けてました笑

ツルギ領の仲介所(ギルド)内にある軽食を出す店の一角で、俺とカーラと元舎弟で今は彼女の奴隷になったニノ・イシロと話をし出して結構な時間が経っていた。そしてその机には俺達が頼んだ茶とナンコー領での一件で俺とステトが貰った報酬の白紙小切手が無造作に置かれている。


「‥‥‥‥‥‥」

ニノは小切手を見つめたまま黙ったままだがそれも仕方がない。

勿論俺もそうなんだけど白紙の小切手なんて見た事も無いんだろう、いや誰も見た事が無いんじゃねぇか。報酬額が金貨百枚とかだったらいつもの『きゃ~~~~~~~~』とか叫んでそれで済んでたかも知れないな。実際金貨五千枚を書き込もうとしてる俺も現実味が無いし。


「‥‥‥」

「これで金は問題無いって解ったろ、教える気になったか?」

「兄貴」

懐に小切手を戻すとニノがやっと戻って来やがった。こいつには緊急依頼以上に早く依頼の品を手に入れられる方法を聞かなくちゃならない。


「アンタその小切手の価値解ってないでヤンすよ」

「金貨五千枚になるんだぞ?とんでもない代物だってのは解ってるさ」

「全然解ってないでヤンす」

「あん?」

「‥‥‥」

ニノは何を言いたいのか、カーラを見たが彼女は黙って続きを聞くつもりの様だった。


「兄貴、下手すりゃアンタはナンコー領を潰す事も出来るんでヤンすよ」

「潰す?」

「これを発行したナンコー領は法的に書いた金額を払う義務が有りヤす」

「まぁそうだろうな、伯爵さんの印も入ってるし」

「領主の印が入ってる小切手は、もしナンコー領が払えない程の額を書いても法的義務は無くならないって事でヤンす」

「‥‥そういう事か」

ニノは俺がもしその気ならナンコー領を破産か身売りさせる事が出来ると言いたいんだ。


「お前のの言いたい事は解ったけど金貨五千枚じゃナンコー領はビクともしないみたいだぞ」

「まだ解ってないでヤンすか兄貴、この白紙小切手の意味を」

「他に何が有るんだよ?」

「これは女神と女神の父上様は兄貴にナンコー領を差し出したも同然なんでヤンすよ」

「‥‥‥差し出したは言い過ぎだろ、それだけ感謝してくれたって事だけで」

俺が伯爵(パパ)さんとカーラを路頭に迷わせる様な金額を書く訳がない。それを承知で誠意の印として白紙小切手を報酬としてくれたんだと思う。大体ツルギ領をそうさせない為に使うのに元も子も無くなるじゃねぇか。


「兄貴と女王はナンコー領を救ったんでヤンしょ?」

「手を貸しただけだ」

「手を貸した感謝の気持ちが白紙の小切手なんて度を越えてるでヤンす」

「しつけぇなお前も、色々有ったんだよ」

「‥‥‥」

「そんな意味の小切手じゃないって言ってやってくれ」

「‥‥‥ある意味ニノさんの仰る通りだと思います」

黙ってるカーラに話を振ると思ったのと違う答えが返って来た。


「ある意味って?」

「フツさんに対するお父様のお考えとでも言いましょうか、ご自分なりの本気を示したかったんだと思います」

「あ~」

将来自分の後を継ぐ娘の婿になるんだから差し出しても平気って事か。彼女の事は好きだし悪い気はしないがやり方が重過ぎるぞ。


「いやまぁ伯爵(パパ)さんの期待は光栄なんだだけどさ」

「気にしないで下さい、どうなるかなんて私も解らないのですから」

「でも白紙小切手はカーラも一緒に考えたんだろ?」

「言い出したのはお父様ですよ、私はお父様程その事に関して拘ってないです」

「何て言うか‥‥カーラはそれで良いのか?」

「うふふふ、一緒に居られればですけど」

カーラはそうでも差し出したなんて話を聞くと使い辛くなって来たな。


「あの~女神」

「あ、すみませんニノさんのお話の途中に」

「いえそれよりヤンすけど」

この話を始めたニノが途中から置いてきぼりになっていた。


「女神の父上様は兄貴の何に本気なんでヤンすか?」

「え?ああ、それはその」

「お前には関係無い」

「あっしが話した白紙小切手の意味と繋がってるでヤンしょう?だったら知っとかないとでヤンす」

俺達の色恋に繋がるんだよ!


「人には踏み入れて欲しくない事も有るんだぞ」

「そんなつもりは無いでヤンすけど細かい事を疎かにしたくないでヤンす」

「またそれか」

「フツさん、私が答えますから」

「いちいちこいつの聞く事に答える必要無いぜ?」

「ここまでお話ししましたし私は構いません」

「ほら女神はこういうお人なんでヤンす、あっしを解ってるでヤンすよ」

「‥‥‥カーラがそう言うなら」

カーラの奴隷になったからって調子に乗ってやがるな。


「ニノさん、お父様がフツさんとステトさんに白紙小切手を報酬としたのはお2人の事を大層お気に召したからなんです」

「兄貴と女神が手柄を立てたのは解りヤンしたがそこまででヤンすか?」

「ええ、でもニノさんの仰った意味合いとは少し違います」

「そう取れるでヤンすよ?」

「同じと言えば同じなのですが結果として差し出す事にはならないとお父様は考えています」

「何故でヤンす?」

「お父様がフツさんを将来的に私のお相手にとお望みだからです」

「‥‥は?」

「後継者の私の伴侶になればナンコー領は将来私とフツさんの領地になる、という意味だったのですよ」

「兄貴が?女神の伴侶??てててって事は、え?は?」

「何処まで本気か解らない人だから話半分に聞いとけ」

「ででででも、いいいいいくら何でもでヤンす!」

「解ってるよそんな事」

ニノに関わらず『(ゴート・ファミリー)』での俺を知ってるなら誰でもそうなる。


「あくまで伯爵さんが勝手にそう思ってるだけだからな」

「お父様は先走ってしまう性格ですからね」

「そそそそれでも女神は父上様のその考えを断ってないんでヤンしょ???」

「はい」

「じじじじじゃ、もしかして女神は‥‥‥兄貴を」

「‥‥‥‥はい」

「きゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!」

「うるせぇ!!」

ニノにしてみると白紙小切手みたいな有り得ない報酬よりこっちの方が衝撃らしい。

次回更新は3/12予定です。


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