②⓪⑥元舎弟への説明
月末週末のアクセス数が自分史上最高なのにビックリで、お見舞い覗き見有難う御座います。
お陰様で咳は残るのものの回復しております。
ただ患っていた間の動きで何故か両足のアキレス腱が炎症を起こし数日歩けない状態に!!苦笑
此方の方も今は普通に歩くまで回復してとんでもない10日間だったと笑うしかないです。
「私達がツルギ領に来た目的はハヤ様との商談の為だったんですが、親しい方々が長く患っていらっしゃると知った事が始まりです
カーラは自分の奴隷になったニノに事情を説明する。
「親しいってのは領主様とでヤンすか?」
「はい、とても親しい間柄の方々でハヤ様はとてもお心を痛めていらっしゃいました」
「それで女神や兄貴がこうして動いてるんでヤンすか」
「微力ながらですが」
彼女が具体的に言わないのはニノがツルギ家の内情に踏み込み過ぎない為で、ニノも別に気にした風でもなく俺達と子爵さんとの繋がりに納得する。
「だから女神と兄貴達は領主様の屋敷で世話になってる訳でヤンすね」
「まぁそういうこった」
「でも今ままで治療はしてるんでヤンしょ?」
「勿論なさっています。ただそれが治療と言って良いのか‥‥‥」
「付け焼刃だな、完治にゃ程遠い」
「ややこしい病ってのは聞いてて解りヤすけど『キキョウ花』が素材の薬なんて聞いた事が無いでヤンす、一体どんな病気なんでヤンす?」
「私達も知らなかった、いえ今まで誰も患った事の無い病気です」
「具体的にそれはどんな病気で?」
「またかよ、何でそんなに知りたがるんだ?」
「兄貴とは違ってあっしは細部を知らないと気が済まないたちなんでヤンすよ」
「お前の性分なんか知るか、俺達はどうやったら仲介所が最短で『キキョウ花』を手に入れてくれるか知りたいだけなんだぞ」
「細部を疎かにすると仕損じるのは組の時も同じでヤンしょう?」
「‥‥偉そうに言いやがって」
組に入ったニノを頭から押し付けられた時は迷惑したけど、読み書きが出来て計算も出来る存在は荒くれ者の集団じゃ貴重だ。早速帳簿や賭場の掛け金や上りの計算ををやらせてみると期待以上に役に立ち、その細かい性格で賭けに対するいかさまや売り上げの誤魔化しなんかを見逃さなかった。
「フツさん、ニノさんにはお話ししても大丈夫です」
「でも何か」
「そうでヤンすよ兄貴、あっしは女神、の、奴隷で、ヤンすから」
「自慢すんな、ただの奴隷じゃねぇか」
「しゃしゃしゃ!女神のでヤンすけどっ」
腹立つ!!
「それに兄貴、知らないと何が適した方法か言えないでヤンすよ」
「全く‥‥」
ニノの中央仲介で働いていた経験を頼ったのも確かだ。こいつが知っている方法から最善を選ぶと言うんだからそうなんだろう。
「解った。その病気は【伝達症】と言ってな、体を動かす脳の機能が上手く伝えられない症状になる」
「それじゃ寝たきりみたいな感じになるでヤンすか?」
「感じじゃなくて寝たきりなんだよ」
「どの位でヤンす?」
「四十年だ」
「四十年‥‥もでヤンすか」
「その年月ハヤ様は、いえ奥様も周囲の方々もご苦労されているのです」
「話は解ったでヤンすけど、そんなに急ぐって事はその親しい方が危ない状況なんでヤンすか?」
「‥‥いえ」
「だったら何でそんなに急ぐでヤンす?」
「彼女と俺はまだ行く所があるんだよ、そんなに長くツルギ領に居てる訳にもいかねぇんだ」
「じゃ依頼なんて領主様や医者に任せたら良いんじゃないでヤンすか」
「ぐ」
この野郎、鋭い事言いやがる。
「ハヤ様にはこの事をまだお伝えしていません」
「言ってない?何ででヤンす!?領主様が親しくしてる方でヤンしょう??」
「【伝達症】だと突き止めたお医者様に口止めをされているのです」
「どういう訳で医者は口止めを?」
「はっきりを治療出来るとした確証が無いからだと」
「確証がないのに『キキョウ花』が必要なんでヤンすか?」
「初期の実験は成功しています」
「随分と無茶な賭けに聞こえるでヤンすが‥‥‥」
「俺達は成功すると思ってるけどな」
「じゃ別に領主様に言っても良いでヤンしょ?」
「万が一失敗したらどうすんだ?」
「そりゃ残念じゃ済まないでヤンしょね、落胆の度合いも酷いと思うでヤンす」
「だからその医者も俺達も今は期待を持たせる様な事は言いたくねぇんだよ」
「気遣いでヤンすか」
「余計な事かも知れねぇのは解ってるさ」
「‥‥そんな事は無いでヤンすよ、天国から地獄に落とすみたいになるでヤンすからね」
ニノは子爵さんに言ってない理由に一定の理解を示した。
「でも失敗する可能性が有るのにあの『キキョウ花』を千三百六十本‥‥」
「だから予備を含めて千四百六十本だ」
「百本の誤差なんて今問題じゃないでヤンす!」
「誤差じゃ無ぇだろ、百本で金貨三百枚すんだぞ」
「そうでヤンすけど!!ええ~っと、三掛ける千四百六十で‥‥‥‥」
ニノが計算し始めたので答えを言ってやる。
「金貨五千枚くらいだ」
「金貨五千枚!やっぱり領主様に言った方が良いでヤンすよ!!」
「お前もツルギ領に来て解るだろ、子爵さんでもその金額はきついんだよ」
「そんな事言ったって代金はどうするでヤンすか?女神でもどうにもならないでヤンしょ??」
「落ち着いて下さいニノさん、私は商人の他に別の肩書を持っています」
「女神以外の肩書?」
「女神はお前の『黒輪』集落の奴達が勝手に呼んでるだけだろ」
女神が肩書ってどんな仕事だ。
「私は普段商人をしていますが生まれは‥‥」
カーラは自分がナンコー領主で国属伯爵の令嬢だと明かすと、その境遇から商人になり今でも続けているなど説明した。
「なるほど女神が女神『様』になるでヤンすね」
「何だそれ」
「貴族様のお出でヤンすから」
「じぁ今からでも『様』付けしろ、今の彼女はお前の主人だぞ」
「そんな必要有りませんよフツさん。あくまでニノさんは一時的にお借り受けしているのですから」
「しゃしゃしゃ」
「この野郎‥‥」
俺がこいつの持ち主だったら『付輪』を絞めまくってやるのに。
「じゃあれですかい、ナンコー領が代金を肩代わりするつもりなんでヤンすか?」
「いいえ。これはあくまでツルギ領の問題です」
「話が見えないでヤンす、女神が身分をあっしに打ち明けた訳は?」
「そのある出来事でフツさんとステトさんはナンコー領に多大な貢献をされました」
ナンコー領で弟や継母が反乱騒ぎを起こしたとは言わず、ある出来事と言い換えて俺とステトがその騒ぎで手柄を立てたと話す。
「誰か殺したんでヤンすか?」
「何で殺す手柄とかになんだよ」
「じゃ兄貴はどんな手柄を立てたんで?」
「それは」
「ナンコー領を救った、と言って良い程の貢献です」
「女王も?」
「ステトさんもです」
「兄貴と女王がナンコー領を救った、でヤンすか。何か想像付かないでヤンす」
「俺も付いてねぇから安心しろ」
「話は少し逸れますがその結果私が跡取りと決まりました」
「女神が次期領主様」
それを聞いたニノは思ったより冷静に答えた。
「信じて頂けますか?」
「女神が嘘を言う筈無いでヤンしょ」
「その言い方だとまるで俺は嘘を言うみたいじゃねぇか」
「いんや、兄貴は色々無茶苦茶ですけどこんな嘘は言わないでヤンすよ」
「お、おう」
そう素直に否定されると何か調子が狂うじゃねぇかよ。
「すいやせん女神まだ話が見えないでヤンす、兄貴と女王が手柄を立てた事と代金の話がどう繋がるでヤンすか?」
「報酬を貰ったんだよ」
「そりゃそんな手柄を立てたらいくらか貰うでやんしょ、それで?」
「フツさんがその報酬で『キキョウ花』に掛かる費用をご負担なさいます」
「‥‥‥何の冗談で?」
「冗談では有りません本当です」
「報酬が‥‥‥金貨五千枚でヤンすか??」
「違うな」
「え?違う!?もう何が何だか解らないでヤンすよ」
「これが報酬だ」
「証書?いや‥‥‥小切手、は?金額が書かれてないでヤン‥‥まさか」
懐から白紙の小切手を机に出すとニノが俺とステトが貰った報酬がとんてもないものだと理解した。
次回更新は、3/7予定です。
ストックもいよいよ底が付いたので更新頻度は減りますが良ければ今後も宜しくお願い致します。
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