②⓪⑤奴隷持ちになったカーラ
インフルエンザではないですが久々に風邪を引いてしまいました苦笑
皆様もお気を付けて。
※2/27インフルでした、今週いっぱい養生します苦笑
本来奴隷の持ち主を変える手続きには元の持ち主と新しい持ち主が同席するものだがカーラは子爵さんからそれを認める書状を預かっていた。ツルギ領の仲介所は奴隷政策に関する業務を請け負う見返りに領から補助金を出して貰っているからある程度の融通はしてくれると思う。
「では此方へどうぞ」
受付の栗鼠人の姉さんがそう言ったって事はやっぱり問題無く名義変更が出来るみたいだ。そして受付台から飛び降りて2人を違う部屋に案内しようとちょこちょこと歩き?走り?出す‥‥相変わらず小っこいぞ。
「ニノさん」
「はいでヤンす」
ニノの首に着けられている奴隷の身分証明である『付輪』は魔具だから名義変更は錬術師か魔術師かが行う。多分案内される部屋には専属か依頼されてか解らないがその手の者が常駐しているんだろう。
「フツさんはどうします?」
「俺はここで待ってるよ」
俺は必要無いので仲介所の中に有る店で茶を頼み待つ事にする。
「この茶に慣れたら他の茶が不味く感じるな‥‥」
ナサの両親が始めた今はツルギ領の隠れた産業になってしまっている茶を啜りながら呟く。ニノの『付輪』の名義変更を終えたら白紙小切手で依頼と現金化をするつもりだ。
『キキョウ花』を千三百六十本。
これは最低限の量で予備としてあと百本は欲しいな。
そうすると『キキョウ花』の代金は金貨四千三百八十枚でその後の経費で金貨千枚。
治療が無事終わって今後本当にこの金額の経費が掛かるか解らないがこれだけ有れば困る事は無い筈だ。
「大層な額になったもんだけど」
合計で約金貨五千枚。
これが俺とステトが体を張ってナンコー領の手助けをした報酬と言う事になってしまった‥‥俺達の価値が金貨五千枚も有るなんて到底思えない、何てたってこのツルギ領の年間収益より遥かに多いんだからな。でも俺とステトだけだったら何時まで経ってもこの白紙小切手を現金化なんてしなかったかも知れないし、そう考えると子爵さん夫婦やナサの生まれ故郷の鬼人族達の役に立つ機会で使えるのは悪くないと改めて思った。
「お」
大して時間が掛からなかった様でカーラとニノが戻って来る。
「お待たせしました」
「いや思ったより全然早かったよ」
「しゃしゃしゃ~」
ニノが喜んでるのは予想通りだが笑い方が何か腹立つ。
「フツさん?」
「何でもない、それで奴隷の持ち主になった感想は?」
「あまりそう言った感想は無いですが罰則呪文の登録なんて初めての経験で勉強になりました」
「こいつは契約奴隷だから罰は『付輪』で首が締まる方だよな?」
「はい」
「じぁ早速の呪文唱えてくれ」
「え?」
「何ででヤンすか!!」
「お前の笑い方が気持ち悪いからだよ」
「人権無視でヤンしょそれ!!」
「奴隷にそんなもんは無い」
「だからって女神があっしの主人なんでヤンすよ!兄貴でも勝手な事出来ないでヤンす!!」
「彼女がするから問題無い、ほらカーラも試しと思ってやってみてくれ」
「えっと、では‥‥少しだけ『※※※※※』」
「試さなくて良いでヤンす女神っぐえ!!!」
「あ、『※※※※※』」
カーラも少しやってみたかったらしく『付輪』が締まるのを確かめると直ぐに止める為の呪文を唱えた。
「遅かったかしら」
「そうか?」
もうちょっと締め上げてやればいいのに。
「ゴホッ、ゴホゴホ」
「女神様から罰を受けれるなんて光栄に思え」
「女神をけしかけたのは兄貴でヤんしょが!」
「大丈夫でしたかニノさん?」
「ちょっと苦しかっただけで平気でヤンす」
「すいません、初めてなので一応確かめておこうと」
「あっしも初めて絞められたでヤンすけど、奴隷にそんな事言う主人も初めてでヤンすね」
「そりゃそうだろ」
「でも本当に締まるんですね、良い経験になりました」
「女神が女王の気質を持ってるなんて意外でヤンす」
「何だそれ」
俺が茶を飲んでいた席にカーラが座りニノにも座るよう彼女が促し腰を下ろす。
「ニノさんに少しお聞きしたい事が有るのです」
「女神があっしに?」
「はい。これから仲介所で依頼を出そうと思っているのですが、出来るだけ早くその依頼を遂行して頂く方法など有れば教えて頂けませんか?」
「え?そんなの女神も知ってるでヤンしょう!?」
「緊急依頼にすれば良いのは勿論知っています」
「それよりもっと急がせる方法は無いのかって話だよ」
「緊急依頼より急ぎって何を依頼するでヤンす?」
「実は」
そして彼女が具体的に『キキョウ花』を必要としていると話す。
これはニノが『ゴート・ファミリー』で俺の舎弟になる前に『中央仲介所』で働いていたその経歴を買って知恵を借りようとカーラが決めた事だった。
俺はニノにはもう既に聞いていてあいつは身分証明魔具に携わる業務を担当していたから依頼等の事は詳しくないと言ったが、彼女にそれでも自分の知らない何かを知っている可能性が有るかも知れないと言われると否定は出来ない。俺は王都で組に居た時も余り仲介所を使う事は無く今はモグリだから更に使う事も無い。
少なくとも俺よりかは確かに頼りにはなる。気に食わないけどなる、と思う。
もう一つニノを頼ろうとした理由はニノが奴隷だからだろう。
『メスティエール商店ツルギ領工場』の奴隷従業員第一号になったは良いが実際まだ何も始まっていないし持ち主は彼女で秘密を守らせるる事が出来、それでなくても俺の元舎弟と言う事で信用は一応出来た。
「女神が必要なんでヤンすか?」
「いいえ『キキョウ花』を必要とされている方は他の方です」
「まさか兄貴が?」
「何で俺なんだよ」
「だって兄貴が前に言ってた話と繋がってるんじゃないんでヤンすか」
「確かに俺が聞いた貴重な素材って『キキョウ花』の事けど俺じゃない」
「そうでヤンしょうね」
「だったら聞くなよ‥‥って何でそう思うんだ?」
「だってあれは兄貴が楽しむ様な花じゃ無いでヤンすもん」
「お前『キキョウ花』を知ってんのか?」
俺はセン・ジュやゲン・セイに聞くまでそんな花が有る事自体知らなかったぞ。
「兄貴には無縁でヤんしょから知らないのも無理はないでヤンす」
「他の花もあんまり知らねぇけど無縁は言い過ぎじゃねぇか?」
「兄貴だけじゃないでヤンす、庶民には無縁の花でヤンすよ」
「花が?」
「フツさん、『キキョウ花』は本来高貴な方々の嗜好品として人気の花なんです」
「珍しい花ってんで金持ち連中にも人気が有ったでヤンす」
「珍しい花が高価で人気なのは解るけど嗜好品?」
「高価な『キキョウ花』を何と言いますか‥‥」
「軒先に飾るんでヤンすよ、夜に薄っすら光るから人目に付くでヤンしょ?」
「‥‥光る」
あの古い資料書いた者が『キキョウ花』が光る花なのに着目してその光で『信号』が出せると考えたんだ、そしてそれは正しく薬の素材にした。
「確か王宮の一角で『キキョウ花』を外に飾った事が好評を博しそれが貴族家や家格が高い家に広まったんです」
「何で?綺麗だからか!?」
「ウチは『キキョウ花』を飾れる家ですみたいな感じでヤンすかね」
「‥‥『キキョウ花』で金持ち自慢か」
「そのせいで価格もあれほど効果になったんではないでしょうか」
「需要が有っても供給が追い付かないのも有るでヤンすよ」
「でも何時頃から『キキョウ花』は観賞用として使われる様になったんだろ?人気が出る前からなのかな!?」
「さぁ?でヤンす」
「私が子供の頃には無かったですね」
「じぁ比較的最近か‥‥」
当時の価格は解らないが資料書かれていた薬が院国で活用されていないのは今は違う用途で人気が出た為に価格が高騰してからか。費用対効果を考えれば無理もないがその理論は現在使われている「ライ」や「エルイ」に生かされている。セン・ジュやゲン・セイが言って通りあの資料を書いた奴はとんでもない天才って事だよな。
「それが何か?」
「いやちょっと思ったけだよ、悪い話を逸らしちまって」
「では話を戻しますとニノさん、そう言った事で出来るだけ早く欲しいのです」
「そのどなたかさんに急かされてるでヤンすか?」
「いいから早く手に入れられる方法教えろよ」
「出た、兄貴の堪え性の無さ」
「お前がぐちゃぐちゃ聞くからだろ」
「急ぎって言ってもでヤンすよ、数本なら普通依頼しても数日で届く筈でヤンしょ」
「必要なのは数本では有りません」
「もっと欲しいでヤンすか?」
「はい」
「あれは中々出回らないでヤンすけど。それでも緊急依頼で十分早く届くでヤンすよ?」
「大量の『キキョウ花』を緊急依頼以上の速さで入手したい場合は?」
「大量って何本くらいでヤンすか?」
「それは‥‥」
カーラが俺を見るので頷く。
ニノはもう彼女の奴隷だし情報は教えてやらないとこいつも答えようが無い。
「千三百六十本だ」
「はい?でヤンす!?」
「違った、予備にあと百本欲しいな」
「そうですね、不測の事態が無いとも言えませんからね。では合計で千四百六十本になりますニノさん」
「は?え?兄貴はともかく女神が冗談を‥‥‥?」
「冗談では有りません」
「俺もこんな冗談言わねぇぞ、本当に必要なんだよ」
「で、でもそんな数を飾りたい貴族様なんざ何処に居るってんでヤンす?」
「邪魔だろ軒先にこんな数」
「じ、じゃ何の為でヤンすか」
「嗜好品としてではなく別の用途で使います」
カーラは四十年前の出来事や子爵さんの娘達と鬼人族達が被害者だとは言わず病気を治療する為にそれだけの『キキョウ花』が必要だとニノに説明した。
次回更新は、体調にもよりますが2/25予定です(多分です)←訂正ですインフル養生の為3/2予定です。
すみません!!
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