第八十三話 エクス……カリバーーー!!
グラたん「第八十三話です!」
とある丘の上、兎隊長が通信機を開き部下たちと共に見ていた。
「……諸君、知らせがある。これを見てくれ」
通信機から誰もが見たくない豊姫の面が浮かび、録画ということもあって彼女たちは唾棄した。
『おいテメェら……この後に及んで失敗するとは良い度胸だな。現時点でテメェら全員クビだ! 二度と月に帰れねぇと思え!』
『それが嫌だってんならあの馬鹿をさっさと連れて来い!』
『あー、言い忘れたが見ろ。こっちには人質がたくさんいるんだ。一日遅れるごとに一人ずつ月から落とすからな! アッハッハッハ!!』
一気に捲し立て人質の怯えた映像と共に録画がプツンと切れた。
「そしてこれがその指令書だ……」
指令書は確かであり次が無いという旨も記載されていた。しかし例え今晩拉致を決行し上手くいったとしても戻るのに紫の相手をする必要がある。加えてここらには面倒な奴らが山のようにおり、そう上手くいくと思えなかった。
「な、なんてこった……」
「まさか……そんな……」
「おっかさん……」
「クソッ! なんて奴だ!」
「殺しましょう! 月に上がって殺っちゃいましょう!」
尤もな意見ではあるが隊長と灰色の人も否定した。
「それが出来ればそうしたいが……依姫様がお戻りになられない今、あの化け物を留めて置けるのがあん畜生しかいないんだ。こうなった以上、人質を取ってでも無理やりにでも連れ戻すしかない」
月に手ぶらで戻り、豊姫を殺害したとしてもその後に多大な支障が出る。加えて月そのものが滅ぶ可能性が高い。
「そうは言っても……」
「人質ってどうやるんですか?」
兎隊長はそのことについて一つ具体策があった。
「……電撃作戦しかあるまい」
「マジですか……」
灰色の人との共謀もあって上手くいくという確信があった。
「だが! 姫様方に対して不義理はしたくない! よってパル様には全て事情を説明した上で来てもらう!」
『いよっ、私前!』
ただ、馬鹿でもある。
「今回は私もやらせて貰うよ」
だが後に引けない上、時間もないのは灰色の人も同じ。今回ばかりは失敗するわけにはいかない。
「貴方様まで?」
「もう間もなく彼の邪神が復活する。博麗の巫女の力も覚醒し、守矢の巫女も神を降ろすに至った。他も諸々合わせれば問題は無いだろう」
おおっ! と彼女たちは顔を上げ、兎隊長も跪いて頭を下げた。
「いよいよですか」
「ああ。『彼』の協力も得た事だし、早速動こう」
その『彼』を皆知っており、協力すると分かれば成功は間違いないと士気を上げた。
「了解! 各自、飛空艇の発進準備を急げ! 幻想郷の空をしっかりと見納めしておけよ!」
『はい!』
全員が動き、灰色の人はフードを取って見えない月を見上げた。
「さて……歯車は動き出した。頼むよ、皆」
準備を整えた兎隊長は海の家へと急ぎ、パルがいる部屋へと走り、窓を小さく叩いた。
「パル様、パル様」
声がする窓を開けると窓辺には小さな兎が座っていた。
「……兎さん?」
「どうか私の言葉をお聞き入れください」
「どうしたの?」
「実は――」
彼女は知り得る全ての事情を話し、四肢を地面についてかしづいた。
「というわけなのです。どうか一緒に来ていただけませんか?」
パルは黙っていた。説明の一切を聞き、首肯も否定もしなかった。
「都合が良過ぎるのは分かっています。しかし……」
「顔を上げて」
パルは笑みを浮かべ、兎隊長はゆっくりと顔を上げ――怯えた。
「――知ったこっちゃないね」
その奥にいた人物の冷酷な瞳に彼女は喉を鳴らした。
「よ、依姫様」
「僕もパルも地底の里を焼いたこと、まだ忘れたわけじゃない。それに僕個人としてもパルは絶対に月に行かせない」
月には行かせられない理由が月にはある。それを知っている当事者の依姫は尚の事だ。パルを抱き寄せ、手に力を込めた。
「お姉ちゃん……」
「ですが……」
尚も下ろうとする兎隊長を睨み、神纏・雷神をその身に降ろした。雷衣を纏い、明確な敵意を持って依姫は彼女を睥睨した。
「出て行って。君たちの顔なんて二度と見たくない」
身体に帯電した雷を右手の一点に集め、彼女に向かって撃ち放つ。
「うぐっ!」
兎隊長は簡単に吹き飛ばされ、窓ガラスを破砕して外へ、森の中へと消えていく。
「パルは僕が守る。絶対に、ね」
その後を追い、雷の剣を片手に彼女を何度も薙ぎ払い吹き飛ばしていく。
「姫様……っ」
彼女は一切抵抗することなく雷撃を受け続け、気絶して地に伏した。
「お姉ちゃん!」
背後から跳躍してきたパルの言葉も届くことなくその刃は頭部へと振り下ろされ――
「零の領域」
何もない空手が空を切った。
依姫を纏っていた雷神の力も消え、近くの茂みから黒衣を纏ったスルトが姿を現した。
「スルトさん?」
「邪魔しないでくれるかな?」
スルトは兎隊長の前に出て依姫を引かせ、落ち着いた声音で告げた。
「否だ。彼女を殺されては悲しむ者がいるからな」
「はっ?」
唐突な言葉に依姫もパルも疑問の声を上げたが、スルトはそれを無視して首を数度横に振るって溜息を吐いた。
「しかし彼女の予測通りとは何とも悲しいものだな」
かなりの呆れと疲労感を漂わせる吐息を吐き切り、一度目を瞑り意識を切り替え、少し細めた瞳でパルたちを見据えた。
パルも今この状況でスルトが味方ではないことを把握し、いつでも動き出せるよう両足に力を込めた。
「――本題だ。パル、余と共に来て貰おうか」
今までの流れとその言葉に二人は同じ答えを出していた。
「……月、に?」
「うむ。案ずるな、其方に危害を加えることはしない。身体と精神の安全を余が保証しよう。事が終われば幻想郷に戻す」
スルトがそう言うのであれば間違いないだろうとパルは思う。だが、兎隊長をかばっている時点で信用は出来なかった。
「行かせると思う?」
それ以前に依姫は話を聞く姿勢は無く、神纏・へパイトスで生成した長刀を構え、パルを守るように立ち位置を変えた。
スルトは嘆息し、大仰に両手を広げて戦争の意思がないことを示した。
「余は戦闘が面倒だからこそ話し合いで解決しようとしているのが分からないか?」
それは依姫も分かっている。だが戦っても負けるとは思わず、何よりパルを連れていくということは許容出来なかった。
「分かって無いのはスルトだよ。神の中でも邪神は下級の存在。そんな君が上位神を纏える僕に勝てると思ってるの?」
ふむ、とスルトは唸った。
「確かに邪神は人の負の感情より生まれし劣等の存在。故に人の身に敗北することもある。しかし余に言わせればそれは偏見だ」
神にも一応階級があり、最上位神、上位神、中位神、下位神、それ以下は半神や荒神人と呼ばれる存在だ。定義上、邪神はそう言った半神が負の感情に染まり人理を犯そうとする輩のことを差す。
しかし時折、そのまま下位神になり正式な神格を持つ者もいる。それらは正式な邪神や悪神として扱われ神々の審議に問われ存続するか否かを決められる。
依姫も半神半霊的な存在とはいえ上位神を纏える自信と経験から邪神如きが邪魔をするのか、と睨んだ。
「へぇ?」
低い声で問い、戦闘態勢へと移行する。
「お、お姉ちゃん……っ!」
流石にここで戦うというのはパルとしても不安であり、依姫は強いがスルトも強いことを知っているため止めようと一歩踏み出した。
依姫は振り返ることなく手でパルを制し、顎を引いた。
「パルはそこから動かないでね。邪神と言っても、神相手だと手加減出来ないからさ」
邪神と言っても最低でも半神。中でも有名な悪神ロキは最上位神の一柱を司っている。スルトがどの程度なのかよく知らないため油断など出来ようはずもない。
「ふむ……」
ただ、どの程度であったとしても全力で叩き潰せば良いと考えていた。
「パルを連れて行くというなら容赦はしな――」
言葉が終わるより先に凍るような邪気がスルトから溢れた。
「たかが半神程度が……あまり舐めてくれるな」
仮面の双眸から覗かれているのは憎悪を象徴する紅蓮の瞳。額からは天を突くような漆黒の角が生え、髪の色も金色に染まっていく。やがて邪気がスルトの体を纏い、一回りも二回りも大きくなったような感触が二人を貫いた。
「――ッ!」
「うっ……!」
依姫は動けない。いや、動くことは出来るが闘争本能が委縮され、命乞いをしろと告げていた。返り、パルは数歩後ずさった。小さな悲鳴を出すことはなく、喉を鳴らすことも出来なかった。
「余は邪神であり、破壊神。全てを無に帰す存在――其方程度が余の相手になると本気で思っているのか?」
問われ、あまりに強大な邪気に飲まれそうになりながらも依姫は神の名を告げた。
「……やってやるさ。パルのためになら――神纏・ルドラ!!」
依姫が纏った神は上位神の中でも気性が荒く、嵐と雨を引きおこすと言われている神様だ。自身とパルの周囲に暴風を発生させ先手を打とうと身構えた。
「ちょっと二人とも!」
「様子を見させて貰ってたけどそれ以上やるなら私たちも手を出させて貰うよ」
そこへ今まで隠れていた諏訪子と神奈子が姿を現し、オンバシラと黒鉄の剣を権限した状態で此方へ歩いてきた。
「案ずるな。既にこの辺り一帯には結界を張ってある」
これだけの環境となりながらも霊夢たちが来ない理由をふと疑問に思っていたパルは一つ得心した。だが、諏訪子たちにはそんなことはどうでもよく、スルトが戦うということ自体を危惧していた。
「そーいう問題じゃないよ!」
「まあ、見られた以上二人も巻き添えだ」
説得の段階は既に過ぎており、諏訪子は唖然として叫んだ。
「ちょっぉ!?」
「私としちゃスルトのそういう所は気に入らないね。計画のためなら他の全ては犠牲に出来るっていう精神がね!」
スルトの行動は大抵が計画や策略の上にある。微細なことであれば多少なり融通もするが必要な犠牲を強いることに躊躇いは無い。そこを嫌う者は多く、諏訪子も神奈子も嫌う方だ。
「それが最良であれば」
「ああ、そう。言葉で止まらないならコレしかないね!」
対話は不可と見て神奈子がオンバシラを発射し、諏訪子も黒鉄を下段に構えて突進した。戦闘系神様だけあってパルが見ても火力、速度ともに絶対防御を貫くだろうと思われた。
「遅い」
トンッ、と足音を一つ残し、スルトが手套を構え、縦に振り下ろし――次いで諏訪子たちが地面に伏した。
「しばし眠ると良い」
武器は持っていないことから恐らく手套だろうと推測は出来たが移動した手段が分からない。例え超音速であったとしても見えないということはパルの経験上無かった。
「何が……起きたの?」
依姫は半歩後ずさり、眉間に皺を寄せて確信を口にした。
「時空移動……っ!」
「時空移動?」
「時間と空間を移動する手段のことだよ。でもそれが出来るのは紫とか最上位神くらいのはず――」
「ということはそれと同じくらいってこと?」
依姫の推測は正しい。実際は手套を構えて振り下ろす一瞬に手だけ時空を移動して背後に移動し二度振り下ろしたのだ。
パルの問いにスルトは不気味に嗤い腕を組んだ。
「ククク……それを答えるつもりは無い。神王の紫電槍」
周囲に30を超える紫電の槍を生成し、依姫は暴風を壁にして防壁を作った。
「防壁!」
理論上、風と雷は同等ならば相殺し、僅な差であれば威力を抑えることが出来る。それを依姫は知らなかったが感覚で選択したことにスルトは内心で関心した。
だがそれで止められるほど神王の紫電槍は威力も弱くない。
数発は防いだが残る20数発は突破され、依姫に直撃を許してしまった。
「うぐああああああ!!」
「お姉ちゃん!」
背後にパルがいることが足枷とは思っていないが現状をそうしたのは依姫の選択だ。
「うっあ! まだ……まだ! 神纏・ラクシュミー! 『氷刃乱舞』! 『吹雪』! 『雪崩』!」
神纏・ルドラからラクシュミーに変え、水の温度を極冷気にまで落として氷塊を生成しスルトに向けて右手を振り下ろした。
「ラクシュミーか……」
水の神としても名高いラクシュミーは上位神に当たり、スルトも直撃すればダメージを受ける。発動した絶対防御を数発が抜け、依姫は当たると確信して笑んだ。
――いくらスルトとて無事では――。
「レーヴァテイン」
空間から魔剣を招来し、手に持つこともなく振われ、焔が捲き上がり氷が全て水に、そして蒸発してしまった。
「なっ――!」
「ククク、もう終わりか?」
依姫は少しだけ唖然とし、半場ヤケ気味に氷の刃を生成してスルトに切りかかった。一撃目は絶対防御に弾かれ、二撃目は刺突を特化させた細剣を突き立て、三撃目は大剣を上段から振りかぶって振り下ろし絶対防御を破砕した。
「ふんっ」
それを見越してスルトは千の魔力針を生成して飛ばし、
「なんの!!」
依姫は周囲に意識を飛ばして相殺を試みる。それは成功し、両手に剣を生成し上段から斬撃を振り下ろした。
スルトはそれを引くことなく真っ向からレーヴァテインで受け止め、気化させる。それは当然というように次々に剣を生成し一撃よりも手数を重視して速度を上げていく。
「このっ!」
それら全てを迎撃されれば苛立ちもするだろう。依姫は気づいていないがスルトは彼女の欠点に気づいていた。
下段、袈裟、刺突、袈裟、刺突と手数で攻めるが上段、逆袈裟で弾き、行動前に抑え込みをし、動きを止めてしまう。
依姫の欠点はパル同様に素直な攻撃が多いことだ。尤も敵にそれを教えることはなく、スルトはわざと後方に跳躍して僅かな隙を見せる。
「ふっ」
強い敵ほど隙を突くのは本能的行動のため依姫もそれに漏れず弓矢を生成した。
「この距離なら! 『氷雲牙』!!」
氷の矢がスルトに向かって飛翔し、スルトは少し微笑んで矢を切り落とした。
それは布石。依姫は現在降ろせる最上位の神の一柱を叫んだ。
「今――神纏・戦神オーディン!」
――これが僕の持てる最大の切り札! 使う事は無いと思っていたけど、これならば!!
「神聖雷斬!!」
聖なる雷光を纏った剣を最上段に構え、裂帛の気合と共に振り下ろした。覇斬では数撃かかった絶対防御が一撃で破砕され、依姫は倒したと確信して口元の笑みを深めた。
――取った!
スルトは目を細め、魔剣レーヴァテインを収納した。パルもその行為を降伏と捉えて依姫を止めようとする。
が、スルトは恐ろしく冷たい視線で依姫を睨み――片手で簡単に止めて見せた。
「へっ?」
「か、片手で!?」
まさかの行動と技の終わりにパルは愕然とした。
――どういうことだろう? あの一撃は間違いなくお姉ちゃんの渾身の一撃だったはず。それを片手で防げるはずがない!
パルでも食らえば致命的なダメージを受けるだろうと思わせる一撃だった。それをあっさりと止めたスルトを改めて畏怖した。
「……失望したぞ、依姫」
素手で刀身を破砕し、依姫は大きく飛び退いて揺らいだ内心を抑えにかかる。
「何を――」
「其方は神を知らずして神を纏い使用していたとはな……」
あり得ない、と依姫は憤慨して叫んだ。
「そんなわけない! 僕はちゃんと知って使っている!」
「……そうか。ならば一つ教えてやろう。来い、聖剣エクスカリバー」
邪気が霧散し、代わりに聖気を纏い最上段に伸ばした手に聖剣が舞い降りていく。
「聖なる気――」
「神聖雷斬はオーディンの技では無い」
聖剣に聖気が収束していき、依姫が繰り出した聖雷光も纏い、まさに渾身の一撃というべき巨大な剣が顕現した。
スルトにとって依姫が繰り出した技は何度も見た一撃だ。それを十全に繰り出すためには聖剣エクスカリバーと聖気が必要だ。それを持たない依姫が振り下ろした剣は刃の無い剣だ。
「親友の必殺技だ」
その巨大な力を依姫ならば我が身を犠牲にしてでも止めるだろうと思い、パルに向かって振り下ろした。
「不味い、パル――」
間に飛び込んだ依姫に刃が直撃し、しかし雷光は背後にいたパルも巻き添えにして地面に振り落とされた。強吾な結界も一瞬揺らぎ、後に残ったのは焼け焦げた雷撃跡だけだった。
「……全く」
聖気も聖剣も収納し、一応警戒して依姫の身体に能力封印の術式を巻き付け浮遊させる。
「手間だが仕方あるまい」
そして近くで倒れている三人も浮遊させ、スルトは丘の上へと向かった。
丘の上では撤退用の花火を準備し終えた兎たちが待っており、灰色の人はスルトが持ってきた四人を見て目を細めた。
「予定より多いみたいだけど?」
「幻想郷に残すわけにはいかなくなった。四人共に能力は封じてある」
月面の科学力は最近あんまり信用できないためスルトが封じてくれたことを確認し、首肯した。
「まあ、良いけどね」
そしてボロになった兎隊長もブルーシートの上に置き、兎兵士たちが一斉に彼女を囲んだ。
「隊長!」
「隊長……無茶しやがって……!」
顔面に濡れたタオルを置かれ、急いで飛空艇に収納されていく。次いで依姫たちも飛空艇の内部に連れていかれ、灰色の人はスルトに振り返った。
「さて、私たちは先に行くよ」
「うむ。万が一の場合は其方が彼女たちの封印を解いて良い。鍵は渡しておく」
魔力で生成した鍵を渡し、僅かではあるがスルトの魔力を彼女に送る。封印を解除するにはその両方が必要となるのだが、彼女は気怠そうにしている。
「うう……魔力過多は体調不良になるから嫌いなのに……」
体質的な問題のため仕方がないのだがスルトの魔力は普通の魔法師よりも強いため合わない人は体調が崩れたりする。
「出発準備完了しました!」
「姫様たちの収納完了しました!」
「システムオールグリーン! いつでも行けます!」
背後から兎兵士たちの声が聞こえ、灰色の人は踵を返した。
「分かった、すぐに出よう。では……次は月で会おう」
「うむ。四人を頼むぞ」
灰色の人が乗り込み、少しすると飛空艇が浮遊した。
飛空艇が離陸し、新月の夜に向かって飛翔を開始した。
「紫」
「着火するわよー」
飛空艇は飛行している時に轟音が出るため、今回は花火を打ち上げて音を誤魔化し、姿形をスルトが消していく。
スキマから出てきた紫が着火し、数秒後、花火が打ちあがった。
ドーン、ドーンと綺麗な花火を眺め、スルトは森の方に早苗がいるのを見て転移し、紫は空を見上げつつ小さく微笑んだ。
「さあ、始めましょうか」
パル「ねぇ、グラたん。スルトさんが言ってた親友って誰なの?」
グラたん「それは勿論『リン』さんですね。序盤は弱く、中盤も良い所なく、終盤でやっとメインキャラクターに昇格したあの人です!」
スルト「間違ってないが言い方が酷いな……」
グラたん「ちなみに終盤は作中で五指に入るレベルの強さを持っています」
パル「わくわく」




