表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/135

第八十五話 リドウの過失

 ケルベロスは三つの頭部を持つ異形の犬として描かれる例が多いが、ルスティニアのそれも全く同じだった。


 しかしこれを単に『犬』と呼ぶのは酷く難しかった。三つ首であるところから始まり、全身に体毛が一切見られず、肌は血塗られているのかと思うほど赤黒く、尻尾だけが蛇のような鱗に覆われている。何よりも圧巻なのが、その全長は五十メートル程に及んだ。


「間近で見ると、やはりでかいな……」


 藪の隙間からケルベロスを確認しながら、団長のマイスが緊張感に震える声で言う。その声は小さく押し殺されているが、まだこちらに気づいた様子の無いケルベロスを無駄に刺激したくないのだろう。


 ちなみに、荷物運びの騎士たちはここに来る前に帰還している。邪魔にしかならないからだ。


 マイス団長は一同を振り向くと、心の準備はいいかと確認した。


「作戦の最終確認をする。気功士隊は俺と貴様、それにラクセス嬢の三人と、貴様と貴様と貴様の三人に分かれてケルベロスの足止めだ。攻撃する際は脚部に集中しろ、機動力を殺ぐのが第一だ。魔道士隊の四人は各人の親和属性が干渉し合わないよう、四方に散会して気功士隊の援護だ」


 慎重に小声を心掛けている様子のマイス団長を一同は真剣に見つめる。


「魔道士隊はくれぐれも無理をせず、ケルベロスの注意が自分に向いたと判断したら即座に逃げろ。回復手段が無くなるのが一番辛い。魔道士が深手を負ったら回復させている手間が掛かりすぎるからな」


 リドウは黙って聞いていたが、内心でもこの内容には特に文句も無いようだった。


 マイス団長はかなり俗っぽい性格をしていると既にリドウは判断しているが、仕事は仕事として割り切り、きっちりと果たせるようだ。まあそうでもないと団長を任されたりする事もないだろうが。


 穿って見れば、ラクセスを自分のチームに入れているのはどうなんだと言う意見もあるだろうが、現在この場に居る気功士で貴月を除けば最強の使い手はマイス団長自身であり、次がラクセス、更にその次が彼のチームに選ばれたもう一人の男だ。変に戦力を均等に分散するよりも、高い攻撃力を一点に集中して、少しでも早く機動力を殺ぐ方に専念したいらしい。三、三に分けたのも、幾らケルベロスが巨体とは言え、どうせ一度に攻撃できる人数なんて限られる。

 取り得る戦術は他にも幾つか考えられるが、どれも一長一短で、特に間違った選択肢ではない。終わってみてから「やっぱりこうした方が良かった」という話は幾らでも考えられるが、そんなのは結果論だ。今はまあまあ最善手だろう。


 リドウも色々と苛立つ事柄が目白押しだったが、今はひとまずそれを忘れ、ケルベロス戦に集中しようと思考を切り替える。


 一方、マイス団長はリドウを含め一同が無言で頷くのを見ると、最後に貴月に視線を置いた。


「キヅキは基本、攻め込める隙があれば即座に一撃を加えられる位置に適度な距離を取りながら、それ以外は無暗に攻めようとせず、逃げに徹しろ。貴様が死ねば我々に勝機は無くなる」

「了解」


 貴月は、声が震えているのは否めなかったが、力強く頷いた。


「貴様もようやく、宮廷戦略旅団に所属するという意味が理解できてきたようだな」


 マイス団長は満足そうに笑んだ。


「では――行くぞ!」


 一喝の号令と共に全員が一斉に林の間から飛び出す。


 マイス団長の指示通りに、リドウを含む魔道士たちは四方に散り、ラクセスを含む気功士たちは真っ直ぐにケルベロスへと向かう。その後ろから貴月も少し遅れて彼らを追い駆ける。


 ケルベロスは、自分を退治しようという明確な敵意、更には『その存在たち』が今までの“食糧”よりも遥かに自分を脅かす何かを感じたのか、地面に伏せていた状態から一気に身を起こす。


 そして――


「散れっ‼」


 反射的にリドウは叫んでいた。演技も忘れる程に彼ですら慌ててしまっていた。


 元々、気功士たちとて決してケルベロスに対する恐怖心が無いわけではなく、警戒心は全開だった。その声が誰の物かを理解する間も無く、反射的に真横に飛び退った。


 その直後の出来事であった。


 彼らの居た場所を暴虐が駆け抜けた。


 地を駆け抜ける轟音に悲鳴の声は掻き消される。


 しかし、反応が遅れた貴月は突進してくるケルベロスを避けることができず、自身が激走していたせいで自らケルベロスに向かって突撃する慣性に従ったまま、驚愕と恐怖で表情を染め上げている。


 急な方向転換ができないのはそのための技量が不足しているせいであるが、何よりも突発の事態に対する判断能力を著しく欠いている、つまりは実戦経験不足がモロに表れてしまったせいだ。彼はおそらく一条千鶴よりも『実戦』の経験は多いかもしれないが、それは所詮『蹂躙』でしかなく『闘争』どころか『戦い』ですらない、言ってしまえば人が蟻を踏み潰すのと何ら変わらない行為でしかなかったのだから。


(まずいっ。間に――合わせる!)


 リドウは心の中で己に対する決意を口にしながら魔法を構築する。


 今から貴月を救うのにケルベロスを一撃で滅する魔法を使うのは、“ライドウとしてはできないはず”だし、それ以前にリドウの本来の力を持ってしても普通に魔法を撃ったのではもう間に合わない。ケルベロスを最低限足止めできる程の大威力を構築し、かつ貴月を救うという難事を両立させていられる暇は既に無かった。


 故に風でケルベロスではなく貴月を吹き飛ばす――それが一番安全かつ確実だったが、しかしリドウの位置から風を送っていてはやはり間に合わない。結果――


 ――愛奈が得意とする圧縮風魔法エアバーストをダイレクトキャスト――


 それがリドウが咄嗟に選択した魔法であり、発動と共に貴月の体がいきなり真横に吹っ飛ぶ。


「うわぁぁああああっ!?」


 悲鳴を上げながら空中で手足をじたばたさせる貴月。流石にリドウが使用しただけあって、コンマ一秒にすら満たない時間で構築した上に、ダイレクトキャストによって全力よりも少し威力が落ちているが、それでもかつて愛奈が使用したエアバーストとは同じ魔法とすら思えない圧倒的な威力。


 貴月の体は数十メートルを吹っ飛ぶ。もっとも、彼の防御力なら、彼にとっては無意識の内に使用している肉体強化であっても、その防御力を貫ける威力ではなく、ダメージ自体は実質的に皆無だ。とは言え、勢いよく空中を自由遊泳する恐怖心は拭い切れないだろうが。


 結果的にケルベロスの突進には誰も巻き込まれずに済んだ。


 しかし――


ぎゃぎゃぎゃぎゃぁああんっ


 ――ケルベロスは勢いのままに山の森林部分に突っ込んで行くと、その圧倒的巨体で百メートル以上に渡り木々を薙ぎ払ってから停止し、自身は何の痛痒も感じていない風で人間たちの方へ体ごと振り向く。

 見上げるような巨体と、その巨体に見合わない超速度が生み出す圧倒的な破壊力を見せつけてくれた。


 それと時を同じくして、空中を吹き飛ぶ貴月を、ちょうど位置的に一番近かったラクセスが宙に跳び上がって抱き留め、彼をお姫様抱っこ状態で着地する。


「わ、悪い……」

「いえ、これも仕事ですから」


 貴月は自分が無事だったことよりも、美女にお姫様抱っこで助けられた方が恥ずかしかったようで、ぼそぼそと礼を口にする。

 ラクセスの方は『仕事』の一言で片づけてしまい、何の感慨も浮かんでいない様子。


「よくやってくれた、ライドウ! いい判断だった!」


 リドウが魔法を行使したのを魔力波で感じ取ったマイス団長が、リドウの咄嗟の警告の件も含めて大声で功を労う。


 リドウは手を挙げてそれに応えるが、視線はケルベロスを捉えたまま離さない。


(……こいつ、相当に年を食ってやがるな。体格からして『完成体』だとは思っちゃいたが、下手すっと千年単位で生き残ってる【ハイエンシェント】か……?)


 魔物とは上位の個体になればなる程に寿命が延びていくが、特に伝説級上位以上となると、その寿命は計り知れない。そしてある意味当然の帰結として、彼らは年を経れば経ただけ強力になっていく。しかし、体格の大小は個体によるのだ。同じ人種の成人男性なのに二メートルを超える偉丈夫が居れば、逆に百五十センチ程度で成長が止まってしまう男性もごく僅かながらも確実に存在するように。ルスティニアの魔物は残念ながら、同一種族ならば体格が大きくなればなる程に強力、という判り易い目安が無かった。


 しかも、魔物はキャパシティに関してだけは一律同値で、魔物の『強さ』というのは闘気で言う『気術』に当たる『燃費の良さ』を指して言うため、ぱっと見で判断するのはリドウにとっても非常に困難を極める……と言うかぶっちゃけ不可能だった。


 故に、魔物と戦う際に最も気をつけるのは、『遺跡ハンター』が陥り易い――勝手に魔物の強さを憶測で決めつけて油断する――ことなのだ。


 ……が、そんな高位古代魔法生物ハイエンシェントが外界に現存しているとは――実のところリドウは考えた事はあったが、ここでのハイエンシェントの登場は流石に想定外だった。


 それでも咄嗟の『勘』で警告を出せたのは、戦闘脳なだけに油断だけはしていなかったが故の賜物だった。

 あそこで彼らを見捨てていれば容易く『最上の結果』が得られていたのだろうと今になって思うリドウが居るが、それこそ自分でも無意識の内の反射的な行動だった。


(……やばいな。ケルベロスに限りゃ、これ程の個体はエーテライスにも現存してねぇかもしれんぞ。少なくとも遺跡のケルベロスとは比較にならん)


 ケルベロスは何を思っているのか、こちらに向かってゆっくりと足を進めている。


 その光景を見てリドウは険しい顔で思考を巡らす。


 勝てるか勝てないかと問われたならば、リドウは「普通に勝てる」と断言する。しかし、足手纏いがウロチョロしている中で戦うとなると勝手が違ってくる。


(いや……半壊させるんだったな、そう言えば……)


 どうしても、出さずともいい犠牲は出さない方向に思考が流れてしまう。


 しかし自分の考えの歪さを苦笑したりはしない――人の生き死にを話のタネにして笑えるような人間にはなりたくなかったから。


(さて、どうする……って悠長に考えてられる暇もねぇか)


 五十メートル近い体格をしているケルベロスなのだから、いくら見た目はゆっくり歩いているように見えても、百メートル程度なんてたったの数歩でしかなかった。そう考えると、たった数歩分の距離で全力疾走――とも限らないが――少なくともあの超速度からすぐさま停止できるとは凄まじい能力だろう。あるいは木々がストッパーの役割を多少なりとも果たしていたのかもしれないが。


 そのケルベロスは、三つ首がそれぞれに意思を持っているかのように、四方に散らばる人間たちを確認している。


「魔道士隊は『質量系』でケルベロスを足止めしろ! とにかく一瞬でも足を止めさせないと我々も近づけん!」

「団長! なら雷系で自由を奪う方が!」

「貴様らの雷系が通用するか判らん! 今は一手のミスが明暗を分ける。確実に効果を発揮する手段を選べ!」


 マイス団長の命令に異議を申し立てる魔道士の女が居たが、畳み掛けられた命令には疑問を持たなかったようで、彼女を初めに魔道士隊の全員が「了解!」と声を揃えた。


 ちなみに『質量系』とは文字通り物理的質量を持つ魔法系統を指し、一般的には土系や水から派生する氷系を言う。


「まだ詠唱はするな! ディレイにして威力を落とせる相手ではない! 今一度我々が突貫する! それに合わせて詠唱し、ケルベロスが向かってきた先に魔法を撃て! タイミングを間違えるなよ。いいな!」


 再び魔道士隊の声が唱和する。


「気功士隊、準備はいいな!?」


 おう! という威勢のいい返答が轟くと、マイス団長は満足げに頷いた。


「各員、ラーカイム宮廷戦略旅団の意地と誇りを示せっ。行くぞ!」


 ケルベロスが静かに佇んでいたのは、おそらく「どいつから食ってやろうかな?」とでも考えていたのだろう。


 それが、散っていた気功士たちがケルベロスへ殺到することで一ヶ所に集まったせいで迷う必要が無くなった。


 当然、人間を舐めきっているケルベロスは再び先ほどのように突進を開始する。


 そのタイミングに合わせて、リドウを含む魔道士たちが生み出した大地と氷の壁がケルベロスの眼前に突如芽生える。


 ケルベロスも突然止まれはしないのか、それとも気にしていないのか、何の躊躇もなくそこへ飛び込んだ。


 その結果は――


 一瞬で粉砕される魔法製の壁。


 しかし僅かながら、ほんの一瞬のことであったが、その壁はケルベロスの突進を確かに止めてみせた。


 その隙を逃さずに気功士たちは、粉砕された魔法製の壁の塵を乗り越えて、ケルベロスの足下に殺到する。


 自分の足に群がる虫けらが鬱陶しいケルベロスは、右前足と左前足を代わる代わるに振り上げて払い除けようとするが、気功士たちは紙一重で躱し続け、更にはきっちり攻撃も加えている。


 ケルベロスにとっては針で刺される程度のダメージでしかないだろうが、しかし痛いものは痛いのには違いないのか、いつの間にか前足で地団太を踏むような感じになっている。


 一度この場から離れて、再度突進するか、それとも各個撃破した方がケルベロスにとっては楽なはずだが、ここら辺が『生まれつきの絶対強者』の悲しいところだった。上位の魔物は知能も優れ、案外と戦術的な行動を取ってくるものだが、何者にも等しく生存競争が発生するエーテライスとは違い、ルスティニア生まれと思われるこのケルベロスにとっては、他者とは己が蹂躙すべき矮小な存在でしかないのだろう。


 これはイケる! と考えたマイス団長はすかさず叫ぶ。


「キヅキっ!」


 どのような形にしても足止めが成功している以上、この隙を利用しない手は無かった。


 が……


「わ、分かった!」


 貴月は大声で了解の意を示す――ラクセスに助けられた位置で。彼は先ほどのケルベロスの突進の恐怖が忘れられず、何の保証も無くケルベロスの正面、それどころか近くに立つことができなかったのだ。そのくせ、マイス団長の言った『即座に一撃を加えられる位置』は、ここからでも三秒もあればケルベロスの所まで走り切れると独自に解釈していた。


「なっ!?」


 マイス団長はその声の遠さに思わずそちらを見てしまう。


 ――なぜそんな遠くに!? そんな長時間も抑えておけないぞっ。


 だがその心の悲鳴が発せられることはなかった。


「マイス殿!」


 気を抜くなと言うラクセスの警告に反応して、マイス団長は慌てて意識をケルベロスに戻す。


(どうする? いったん離れるか……)


 ケルベロスの対処をしながら判断を迫られる。長時間と言っても高位能力者の次元での話である、貴月自身が思ったように、それは精々が数秒程度の差だ。だがこの等級の戦闘での『数秒』とは十回死んでもお釣りがくる。


 が――


「そのまま足止めを続けろ!」


 リドウの声が貴月の方面から聞こえ、マイス団長は再び、今度はケルベロスから意識は外さずに視線をやる。


 そこではリドウが貴月の肩に手を置いて立っていた。


 リドウが何をする気なのかマイス団長には判らなかったが、先ほどの好判断の例があったので、最早選択肢も無く、リドウを信頼する事を決心し、


「各員、気を抜くなよ!」


 と、部下たちを叱咤した。










 一方でリドウは、マイス団長の要望通りに氷の壁を作った後、気功士たちがケルベロスに殺到し、自分以外の魔道士たちもケルベロスの動きに傾注しすぎて他に目が行っていない中、貴月が動いていない事に一人だけ気づいていた。


 ケルベロスの“獣じみた”行動原理までは流石に予想していなかったものの、マイス団長が好機と判断したのと同時に、リドウはおそらくマイス団長がその手段を取るが、貴月が動いていない事には気づいていないだろうと判断した。

 マイス団長を責めるのは酷だろう。統率とは部下を完全に駒として扱うという意味ではなく、部下の力量も信頼してこそ生まれるものだ。彼が貴月の臆病さを理解していないのは上司として落第、と言ってしまえばそれまでだが……リドウの言葉を受けて、ここ数日は真面目に鍛錬をしていた貴月の印象があったせいで、「こいつもようやく覚悟が完了したか」と思わされてしまう土壌もあったのだ。


 まさかリドウも、あの時のあの話がこんな誤解を生み、更にはこれ程に致命的なミスを生んでしまうなどとは、あの時は思ってもみなかった。


 この責任は取らなければならない――即座にそう決断したリドウは、貴月の隣まで空間転移した。


 そして、


「そのまま足止めを続けろ!」


 とマイス団長に宣言すると同時に、突然のリドウの出現に驚いている貴月の肩に手を置き――


 貴月を連れてケルベロスの真上に空間転移した。


「え――?」


 思ってもみなかった現象に呆然とする貴月であったが、


「てめぇの出番だぜ、英雄ヒーロー


 自分は空中に浮いて、貴月をケルベロスの上に落とす。


 英雄、という言葉にその気になった貴月。もちろんのこと、それもリドウの狙いだった……正直、気休め程度のつもりでもあったが。


 しかし、その気休めは盛大な効果を発揮した――いや、“発揮しすぎた”ようで。


「うりゃぁあああああああっ」


 目を爛々と輝かせた貴月が気合の雄叫びを上げ、ケルベロスに向かって落下する。


 が――


「ばっ」


 リドウは思わず「馬鹿野郎!」と声を張り上げそうになって、慌てて口を閉じた。


 今のは完全に不意打ちが決まるタイミングだった。


 が、そんな大声を発してしまえばどうなるか?


 リドウが罵声を浴びせかけて思い止まったのもそれが理由だ……今更、罵声の一つ程度は無意味かもしれなかったが。


 案の定、貴月の存在に気づいたケルベロスが、ちょうど狙われていた中央頭部を上空に向ける。


 貴月の剣が振り下ろされたのはその直後で、


ガキンッ


 と硬質の金属音を立てて、ケルベロスの歯が貴月の剣を噛み止めた。


 ……これも、貴月を調子づかせてしまったリドウのミスなのだろうか? 貴月がそういう『多少の訓練はしていても本物の命懸けの実戦においてはど素人以下』であるのに気づけていなかったのが悪いと言えばそうなのだろう。


 ――少なくともリドウ自身は、これを「俺が小僧を過大評価した末の紛れもない手落ちだっ」と考えてしまうくらいに、己に対して「常に完璧であれ。少なくともソコを目指せ」を求めてしまう人間だった。


「げぇっ!?」


 貴月が絶叫するが、その時にはケルベロスの右首が彼に迫っていて――


「ちぃっ」


 リドウは痛烈な舌打ちを鳴らしながら手のひらを“貴月に”向ける。


 その手から照射された光学魔法が貴月を撃ち抜く。


 威力自体は大したものではなかったが、貴月を地面に撃ち落とすには十分な威力だった。


 だが、何が何だか全く理解できない内に地面に墜落していた貴月の頭の中は空っぽで、多少の痛みがあるのは違いないだろうが、しかし意識はしっかりと有り、特に重症を負ったわけでもなくても、咄嗟に逃げるという判断もできないらしい。


「誰かそいつを抱えて総員散開しろ!」


 リドウの指示に、偉そうに! などと言っていられる余裕がある者などおらず、マイス団長を初めとして全員が反射的に指示を実行していた。


 だが、数人で翻弄してようやく五分だったケルベロスとの駆け引きが、散開したせいでケルベロスに傾いてしまう。


「魔道士隊、援護!」


 リドウは最早遠慮する気も無いようで、自ら積極的に指示を出しながら、自分もシングル魔力砲撃を連発する。


 が、リドウも流石に細かな威力調節をしていられる場合ではなかったが、キャスト数までは『ライドウ』から抜け出すレベルで行使はしない。しかし、いくらフルキャストでも流石にシングルでは、ケルベロスを相手にまともな効果は期待できなかった。


 ケルベロスは右首は右方を、左首は左方を眺め、そして貴月の剣を口に銜えたままの中首はリドウを見上げている。


 が、突如体を左方に向けたと思うと、凄まじい速度で突進を開始した。


 ケルベロスの左方にはちょうど、貴月を抱えて撤退するラクセスの姿があった。おそらく、自分に一番脅威を与えた貴月を標的としたのだろう。彼女が彼を抱えているのは純粋に偶然で、先ほどのようにたまたま近くに居たのだ。


 美女に抱えられているのが恥ずかしい貴月は、


「自分で走れる!」


 と主張するのだが、ラクセスは、


「下ろしていられる余裕が無い!」


 と言って一顧だにしない。


「ラクセス!」


 その時、リドウの警告が彼女の耳に届く。


 はっとして振り向いたラクセスは、


「くっ……」

「うわっ!?」


 小さく呻きながら、抱えていた貴月を思い切り放り投げ――


 自分はケルベロスの餌食となった。


「ぎゃあっ」


 この悲鳴は貴月の物だった。ケルベロスの突進に彼も巻き込まれてしまったのだ。


 しかしラクセスの決死の行為は無駄ではなかったようで、足を掠めただけで済んでいた。それでも、かなりの距離を吹き飛ばされていたが。


 更にもう一人、こちらの方向から援護に徹していた魔道士の男までもが、ケルベロスの進行方向の真上だったせいで巻き込まれていた。


「くそっ」


 リドウは悪態を吐きながら、まず“現状では”優先順位の高い貴月の元に転移し、右足を押えて涙ながらに呻いている彼を見て、その右足を軽く触ってみるが、しかし折れてはいるものの、取りあえず怪我らしい怪我はそれだけで、即座に命の危険は無いと判断し、ケルベロスの方を見る。


 ラクセスと魔道士の男はどこだろうかと視線を巡らしながら、同時に、少しでも発見を早めようと感知結界も広げる。


 と、ちょうどお互いが隣り合った木に叩きつけられてぐったりしている姿が目に入った。死んでいるのかと一瞬思ったが、感知結界の反応から、どうやらまだ辛うじて息はしている。


「団長さん、俺はこいつとラクセスたちを治療する! 何とか注意を引き付けてくれ!」

「分かった! 頼む! 空間転移と光魔法が使えるのは聞いてないが、代わりに追及はしないでやる! ついでに越権行為もな!」


 後半はマイス団長なりのジョークだった。ハイエンドともなれば空間転移や魔力砲などは所詮一手札でしかないが、『ライドウのレベル』では切り札として、いくら雇い主が相手でも易々と明かせないことくらい、彼も元は冒険者なので理解している。


「ああ、ありがとよ!」

「それから、もう敬語にせんでいいからな!」


 マイス団長も元冒険者にして今だって腕一本で地位を築いている実力主義者だ。もう『ライドウ』が二つ名を持っていないからと言って、彼を侮る気持ちは霧散していた。


 ひらっと手を振って応じたリドウは、貴月を連れてラクセスたちの側まで転移する。


 同時に、マイス団長の命令を受けた魔道士たちが一斉に攻撃し、ケルベロスの注意を引き付ける。


 そちらは彼らに任せて、リドウはラクセスと魔道士の男――確かジヨンとか言ったはずだったが、その二人を抱え上げて側に寝かせる。


「ぐぅっ……」


 闘気の守護を最大にしていたラクセスはぎりぎりで意識を保っているようだったが、ジヨンの方は完全に気を失っている。

 しかし、ジヨンも生きている。リドウはしっかり見ていたが、ジヨンはあの瞬間、咄嗟に“自分自身”に向けて風の魔法を全力で放ち、ケルベロスの突進と同じ方向に吹き飛ぶことでダメージを軽減したのだ。横に避けようにも間に合わないと判断し、最初からダメージを覚悟し、助かる可能性が最も高い手段を瞬時に選んだのだ。リドウからしてみても素晴らしい判断力に決断力、そして見事な覚悟だった。もし仮に、反射的に“魔道士らしく”防御の障壁に全力を注いでいたら、障壁を突破された後の威力は問答無用で受けてしまい、今頃は原型も残さずグロテスクな羽目になっていたはずだった。


(全身打撲。骨折多数。内臓もかなり逝かれてるな……二人とも。ほっときゃ持って数分か)


 以前に元最強勇者が己の傷を治すのに慎重になったように、無暗に治療を施して二度と戦えない体に“直す”のは、とにかくそれ以外に方法が無く、治療して動けるようにさせる事だけが目的、という超緊急時でもない限り、こうした重傷者に対しては最悪の手順だった。そのためにリドウはまず二人の体を魔法で検査する。


「な、なあ! 早く治してくれよ!」


 リドウは無感情な瞳でちらっと貴月に視線をやる。空気読めよ、と思ったかどうかは本人だけが知っている。


「な、何だよ……」


 自分の扱いに不満があるらしく、その感情を声に乗せて送りつけてくる貴月に、しかしリドウは黙ったままで貴月の足を乱暴に掴み寄せ、


「うぎゃぁっ!」


 ごきっ、という鈍い音が鳴り、貴月が絶叫する。


 しかしリドウは構うことなく、回復魔法を行使する。


「何する」

「痛みは?」


 文句をつけようとした貴月であったが、その前にリドウが台詞を被せた。


 しかしリドウは、自分から質問しておきながら、貴月の返答を待つこともなく元の作業に戻る。


 貴月は怒気も露わに、「痛いに決まってるだろっ、お前のせーでな!」と言おうとしたのだが、あれ? という疑問の顔になる。


「い、痛くない……」


 貴月は何も考えずに何となく足を動かしてみると、普通に動いてくれた。


「骨折の場合、ずれた部分を元に戻してから魔法を使った方が手っ取り早いんだよ。ラクセスくらいに、骨が逝かれてねぇ場所を探す方が難しいようじゃ、この手も使えやしねぇがな」


 下手するとショック死しかねんと続けて言う。その間にもリドウは“ジヨンの治療”に取り掛かっていた。こうして目の前に失われそうな命があると、リドウも本来の目的よりも救命に力を入れずにはいられないようで、最早“ライドウとしてではなくリドウとして”治療を開始していた。


 反論できずにぐっと言葉を詰まらせた貴月であったが、


「な、何でジヨンから!?」

「知る必要は無ぇ。それより、わざわざ死にかけのこいつらを差し置いて治してやったんだ、さっさとあっちに行け」


 と、リドウは貴月を見もせずに言うが、彼は動こうとしない。


「ちょ、ちょっと疲れて……今はみんなに頑張ってもらって、俺は回復してからじゃないと、ほら、さ! 俺、止め役だから失敗できないし!」


 何やら必死の様子で言い募る貴月だが、リドウからの返答は無い。


「そ、そんなことよりラクセスさんを!」


 やはり、リドウからの返答はない。


「おいっ、聞いてるのか!?」


 焦れた貴月が苛立ちを見せながらリドウの肩を掴む。


「こいつは魔道士だ」


 ようやくのリドウの返答。しかしそれはとても寒々しい声で、貴月は気づいていないが、もし“あの娘たち”がこれを聞いていれば、反射的に振り返って一キロメートルは何も考えずに全速力で逃げたに違いない――巻き込まれるのを嫌って。


「ラクセスよりも『干渉系』の効きが薄い。早く手掛けなけりゃ、ラクセスよりも早く手遅れになる。魔法でざっと二人の体内をさらったが、ラクセスはそれでも確実に間に合うが、逆にジヨンは確実に間に合わなくなる。優先順位の問題だ」

「ラクセスさんは女だぞ!?」

「戦場に男も女も関係あるか」

「お前、それでも男かよっ!」

「ほう。女は何よりも優先して男ならその犠牲になって当然ってのがてめぇの戦場論かい。ならてめぇの知り合いの女は一生戦場に出さねぇように気をつけな。そんな女、邪魔にしかならん」


 淡々としたものだったリドウの口調が、ここに来て一気にドスを帯びる。


「それより何より、てめぇ自身がもう二度と他人と一緒になって戦場に立つんじゃねぇぞ」

「な、何でだよ!?」

「……まあ、てめぇの女や手下ならどうしてくれようと別に構やしねぇがな――」


 あえて『仲間』と言わない辺りがリドウの心情を殊の外に表している。


「――少なくともこの世界じゃ女が男よりも強ぇなんて話は珍しくもねぇ。つまりはそれだけ戦場に立つ女は多い。なのにてめぇが作戦に加わったたら、指揮官はてめぇが何よりも女を優先する人間だって前提で作戦を立てにゃならん。それとも、命懸けで戦ってる最中に、自ら戦場に立った女も常に最優先して思考するのが指揮官の仕事だとでもほざくつもりかい? 指揮官が哀れすぎて泣けてくるぜ」


 感情的になってリドウの行動を糾弾する貴月であったが、リドウの返答は常に静かで、かつ辛辣だった。


 女だから男が守るのは当然――それは実に男らしくて格好良く見栄えする行動だろうし、それが本人の流儀なら別にいいんじゃないか? とはリドウも考える。明らかにリドウの流儀では無いが。

 だがそれはあくまでも“個人なら”だ。宮廷戦略旅団なんて明らかな軍隊に所属しておきながら、作戦行動中にそんな独自理論を振りかざし、自ら意図して作戦内容を乱すなんて、リドウにはさっぱり意味が理解できない。それで後日に迂闊な行動を追及されたら、今のように「彼女は女だぞ!」とでも強弁するつもりなのだろうか? そんなに女が大切なら、最初から戦場に出すなとしかリドウには思えない。


 まさかリドウも、貴月が――ファンタジー(に限らないが)で主人公とヒロインが戦場を共にするのは当たり前――という、明後日どころか宇宙の最果てにまでぶっ飛んだ思考で、女性が戦場に居る意味を特に深く考えていなかったとは思ってもいまい……。

 更には、今の貴月の発言が、実はラクセスの意識があるのに彼も気づいたために、リドウの非情な行動を咎め、ラクセスにとっての彼の株を暴落させ、自分の男らしさをアピールするためだったなんて、リドウの思考回路では一生理解できないだろう。


 そりゃリドウだって、ここ最近は割と親しくしているラクセスの方がジヨンよりも『個人的価値』は比べるべくもなく高い。どちらかを“選ぶ必要性に迫られた”のであれば、むしろ彼らしく『己の優先順位』に従ってあっさりと決断を下し、微塵の迷いも無しにラクセスの救命を選んだことであろうが、今は後回しにしても十分に間に合うと、検査の結果が物申している。

 それで「ラクセスの救命が最優先で、ジヨンはまあ、死んでもいいか」と考えるには、リドウはちょっとばかり男女平等主義者の面が強かった。『苦痛に苛まれる親しい女性』と『今を逃せば確実に死ぬどうでもいい男性』なら、彼にとっては後者に天秤が傾くのだ。どうやら貴月にとっては違うらしいが、リドウは自分の思想が“正しい”かはともかく、“誤っている”とは断じて思わないため、「あんたがそうなら好きにすりゃいいが、俺にその思想を押しつけるな」で終わってしまう話だった。


 余談だろうが、リドウの普段の行動は『女だから男が守って当然』と同じ考えから来ているわけではなく、恵子たちに関しては『約定を果たしているだけ』だし、それ以外にしても『たまたま危機的状況の弱者が目に映ったから気紛れで守ってるだけ』だ。少なくとも本人の意識は。


「それより、元気じゃねぇか」


 リドウは微かに殺気すら放ちながら貴月を睨みつける。もう本当に軽く殺意が湧いているのだ、リドウは。

 それを受けた貴月が、こんなリドウに逆らえるわけもなく、軽く悲鳴の声すら上げながら大人しくなる。


 リドウは興味を失って、未だに虫の息のジヨンに視線を戻した。


(……取りあえず、これで応急処置はいいか)


 が、まだまだ見た目に致命傷にしか見えないジヨンの治療を止め、ラクセスの治療に移ってしまう。とにかくまず命を繋ぎ止めるのが第一で、完全治療はその後という判断だった。


 その間もラクセスはずっと意識を保っていた。


「けっ……こ……」

「喋るな。傷に障る」


 リドウの言葉に、しかしラクセスは何かを喋ろうと懸命に口を動かすのを止めない。が、残念ながら殆ど声になっていなかった。


「どうしても何か言いてぇなら口だけ動かせ。俺は唇を読める」


 ラクセスは瞬きすることで肯定の意を示してから唇だけを動かし出す。唇をやっとのことでふるふると震わせる程度だったが、リドウは治療魔法に集中しながらも何とか読み解く。


 ――私はいいから、ミドリ殿と一緒にさっさと戦線に復帰しろ。


「できるわきゃねぇだろ」


 ――他に犠牲が出る前に。切り札のミドリ殿がいなければ、彼らだけではどう足掻こうとジリ貧だ。


「ダメだ」


 リドウだってそう考えたから、ラクセスとジヨンを差し置いて貴月を優先させたのだが、その結果が現状だったのだ。彼女自身、おぼろげな意識の中でそれは察していたが、だからこその、リドウが一緒に行けば話は違うかもしれないと思っての提案だったのだから。


「もうこいつは使えねぇ。こいつを作戦に組み込んでも、素人すぎて行動が予測できん」


 リドウの言う『こいつ』が自分を指していると、台詞の後半でようやく理解した貴月が、


「何だと!?」


 と反射的に憤っているが、リドウはもう相手をする気は無いらしく、ラクセスとの会話に集中して貴月を見ようとする事すら無かった。


「大体、こいつにはもう戦う気がひとっ欠片も無ぇぞ」

「な、何だと!?」


 ラクセスの前で臆病者扱いされて憤る貴月であったが、


「ならとっとと行ってこい」

「い、いや、それは……」

「って事らしいぜ。ここは」


 ――ならば月紅。頼む、お前が――


「ダメだ」


 リドウはラクセスが何を言おうとしたのかを察し、無下に却下してしまう。


「これでラーカイム単独でのケルベロス討伐が不可能ってことくらい理解できたはずだ」


 正直、貴月の攻撃の手助けをした最大の理由はそれだった。並のケルベロスならともかく、ハイエンシェントに貴月の攻撃が通用するとは思えなかった。だが、貴月の攻撃でも通用しないと証明できない限り、ラーカイム王国の方針を変えるのは難しかったろう――そう、あの瞬間のリドウは考えていた。


「ここは一度撤退して、首脳陣に考えを改めさせ」


 しかし、リドウの台詞のその途中、


「あ、あぁあああああああああっ!」

「ガスパーっ!」


 とうとう最初の犠牲者が発生した。


 リドウも若干の焦燥を露わにしながら振り向くと、男の下半身と思しき物がケルベロスの中首の口から半分だけ飛び出している。ガスパーと言うのは気功士の男の名前だったはずだ。


「ぐっ……」


 リドウは強烈に歯を噛みしめる。こうなることは覚悟していた――いや、“許容していた”はずだ。


 だけれども……


 こうして目の前で現実になると……


「お前なら理解しているはずだ」


 ラクセスが切なげな声で言う。彼女は魔力を殆ど持たないが故に、ジヨンよりも回復が早かった。


「一度人間を『脅威』と認識したケルベロスが、このまま人間を放置しておくわけがない。しかも“このまま”撤退してしまえば、人間が『手痛い相手』という印象も与えられん。それでは、少なくともケルベロスが確認している人里は全て攻撃対象となるだろう。リリス教の助力を待っている間にまず王城は崩れている。犠牲は目も当てられんだろう」

「…………」

「だから頼む――お前が倒してくれ、月紅」


 その声に込められた真摯に切望する色にリドウは瞑目する。


 その瞬間に頭の中で全ての『計算』を弾き出す。その計算とは『己の価値観における正否』であり、この瞬間に利益は完全に度外視された。


(済まねぇな、レディ。やっぱこれ以上は……)


 心の中でベアトリクスへの謝罪の言葉を口にしながら、やがて目を見開いたリドウはこの時、久しぶりに貴月に視線をやると、


「ラクセスとジヨンはちゃんと守ってろよ。女を守るのが男の義務なんだろ?」

「あ、ああ……」


 リドウは最初から返事を期待していたわけでもなかったので、貴月の曖昧な応答にも特に何も言うことはなかった。それよりも今は一刻を争っていた。


 ケルベロスと死闘を繰り広げる宮廷戦略旅団たちの方へと視線を移したリドウは、その心の中でもう一度だけ、


(済まねぇな、レディ――)


 とベアトリクスに向かって謝罪の言葉を告げ、


(もう俺には耐えられそうにねぇ――ッ)


 その圧倒的な存在感に、この場に居る全ての存在が無意識に視線を送り……そして目が釘付けにならざるを得なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ