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とある世界の一室。別段何があるという訳でもない、つまらなく普通な世界。
ここに二人の少女が居た。
一人はまるで死んでいるかのように眠り、そしてもう一人は椅子に座り、それをただ見つめるだけ。
見つめる少女の髪は金色だ。表情は常に変わらず無機質で、良く見れば、背中からは透けた羽のようなものが生えている。例えるなら、妖精とでも言うべきなのだろう。
対して眠っている少女は黒髪で、外見だけならば大きな特徴があるという訳では無い。
置時計の針の音すら聞こえぬ程に、静寂に溢れたその空間。
少女は何故眠り、そして何故、妖精はそれを見つめているのか。
「鍵となる者……それは、白衣の少年……」
妖精の発する言葉は意味不明であった。
その止まったような時の中で、ただ妖精が何かを呟くだけ。
それだけの空間。
たった、それだけ。




