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【絶望セーブ】深淵ダンジョンの管理人、捨て子のパパになる 〜最強魔王たちと育てる、パンドラの箱の最後の希望〜  作者: beens
第5章『天界逆侵攻編』

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第48話:神の法廷! 第七の使徒、審判者の『究極の二択』とパパの逆襲

 天界の頂、第七の丘――『神の法廷ディバイン・ジャッジメント』。

 そこは、雲さえも存在しない無の空間に、ただ巨大な黄金の天秤だけが浮遊する、冷徹な静寂の地だった。

「パパ……!!」

 パンドラの叫びが響く。

 天秤の右側、光の檻に閉じ込められていた私は、娘の姿を見て目を見開いた。

「パンドラ! 来ちゃダメだと言ったのに……でも、よく頑張ったね。……そしてルシファー様、うちの娘をこんな危ないところに連れてこないでください!」

「ふん、止めて止まるような娘ではないわ。……それより管理人、貴様のその情けない姿は何だ。さっさとその檻を破壊して出てこい!」

 ルシファー様が毒づくが、その視線は私の無事を確認して安堵に揺れている。しかし、私たちの間に、一人の男が舞い降りた。

 天界十二使徒・第七の騎士、審判者ミカエル。

 彼は六枚の輝く翼を広げ、手にした『真理の書』を開く。

「……ここまで来るとは、予想外だ。だが、法廷の幕は既に上がっている。厄災の器よ、貴女に最後の『審判』を下そう」

 ミカエルが指を鳴らすと、黄金の天秤が大きく揺れ動いた。

「この天秤の左側には、貴女という『存在そのもの』を載せる。右側には、その『管理人の命』だ」

 天秤の左側に、パンドラの姿を模した虹色の光が具現化される。

「今この瞬間も、管理人の魂は少しずつ霧散している。……彼を救う方法はただ一つ。貴女が自ら『パンドラの箱』の奥底に永遠に引きこもり、その存在をこの世界から抹消することだ。……管理人の命か、貴女の存在か。選ぶがいい」

「そんな……パパを助けるには、私が消えなきゃいけないの……?」

 パンドラの手が震える。ルシファー様たちが飛びかかろうとするが、ミカエルの展開した『絶対法ルール』の壁に阻まれ、一歩も近づけない。

「さあ、決断を。管理人の魂が完全に霧散デリートされるまで、あと十秒だ」


 パンドラが、涙を浮かべながら天秤の左側へ歩み出そうとした。

 その時。

「――はい、そこまで。そのガバガバな論理、訂正させてもらうよ」

 檻の中にいたはずの私の声が、法廷全体に響き渡った。

 ミカエルが驚愕して私を振り返る。

「な……!? 貴様の魂は既に凍結されているはず――」

「言ったでしょ。私は『管理人』だって。……禁じ手だけどね。……ルルちゃん、悪いけど私の影にある『予備電源おやつ』、食べてくれるかな?」

『……パパ、了解。……もぐもぐ。……これ、おいしい。……神様の、パスワードの味』

 影の中にいたルルが、法廷の床そのものを一口囓った。

 その瞬間、黄金の天秤が不協和音を立てて停止する。


 私は檻をすり抜け、パンドラの前に立った。

 驚くパンドラの頭を一度だけ優しく撫で、私はミカエルに向けて、予備の管理用端末タブレットを掲げる。

「ミカエルさん。君は『パンドラの存在』と『私の命』を等価値だと言ったね。……それは大きな間違いだ。……彼女は私の『娘』だ。親にとって、子供の存在価値は『無限』なんだよ」


「そもそも成り立たないんだよ、最初から。……だから、天秤システムごと書き換えさせてもらう」

 私が画面をスワイプした瞬間、法廷の黄金色が、管理事務所でお馴染みの「セピア色の落ち着いた空間」へと上書きされていく。

「な……神の法廷が……ただの事務所の応接室に書き換えられていくというのか!? 貴様、何者だ!?」

「ただの、心配性なパパだよ。……ルシファー様、上皇様! お待たせしました、あとは『物理的』な処理をお願いします!」


「――待っていたぞ、この時を!!」

「ほっほっほ、管理人が道を空けたぞ! 暴れる時間じゃ!」

 法廷のルールが崩壊した瞬間、溜まりに溜まった魔王たちの怒りが爆発した。

 ルシファー様の闇がミカエルの翼を毟り、上皇様の呪符が神の理を縛り上げる。

 そして、パンドラが私の胸に飛び込んできた。

「パパぁ! よかった……本当によかったぁ!!」

「ごめんね、パンドラ。……さあ、最後は一緒にお願いできるかな? この意地悪な神様たちに、とびきりのやつを」

 パンドラは涙を拭き、私と一緒にミカエルをビシッと指差した。

「『めっっっっっっっっっ!!!』」

 カァァァァァァッ!!!

 パンドラの虹色の光と、管理人のシステム介入が合わさり、天界の最上層は目も眩むような「希望」の光に飲み込まれた。

【ログ:神の法廷、強制終了。第七の使徒ミカエル、管理人の『論理ハック』により職務放棄(再起不能)。】

【獲得ポイント:+500,000,000P(神の理が『親バカの愛情』という非論理的な力に粉砕された絶望より)】

【管理人のステータス:称号『神を論破せしパパ』を習得。】

【パンドラのステータス:スキル『存在の肯定(パパ大好き)』がカンストしました。】

「さあ、みんな。天界の宝物庫をちょっとだけ『整理』したら、垂直都市に帰ってパーティーの続きをしようか!」

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