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かくして秋雨は降る  作者: 霜月風炉
間章

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131/138

第131話

 頭上に突如として現れた大樹に、蜘蛛も蟷螂もそれを認識した。

 強大なエネルギーを内包した核弾頭以上の破壊力を有する殲滅兵器——それが蜘蛛と蟷螂の収獲者の分析であり、認識であった。

 蟷螂はキチキチキチという音を立て、門の向こう側にいる存在へ報告を上げる。


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■」

「■■■■■■。■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■」


 それは人間には絶対に理解できない言語。

 ただ、それは収獲者には意味を成したもの。


 カーン…………という音が鳴り響く。


 その音が止んだ時、穴の中から巨大な砲塔を模した甲虫(カブトムシ)が三体這い出してきた。

 甲虫はその砲塔を落ちて来る大樹へと狙いを定める。


「■■■■■■■■■■■■」


 三体の甲虫はその大樹を目視しただけで比較した。

 そして、その大樹を甲虫は一回超越する。


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■■■■■■■」


 三体の甲虫、それぞれの砲塔に光が収束していく。

 落ちて来る大樹。

 その内包したエネルギーが少しづつ漏れ出し、周囲に荒々しい風が吹き荒ぶ。

 直撃すれば、この場に存在している収獲者は跡形もなく蒸発し、消え去るだろう。

 だが、それは収獲者には許されない。

 すべては創造主へ果実を送り届けるため。


「■■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■」


 三体の甲虫は二回目の超越を行った。

 しかし、まだ足りないと認識した。

 故に、三回目の超越を行った。

 だが、まだ足りないと認識した。

 更に四回目の超越を行った。

 足りない。足りない。足りない。足りない。


「■■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■」


 三体の甲虫は比較と超越を繰り返す。

 五回、六回、七回、八回、九回、十回————短時間の間に幾度も幾度も超越を繰り返す。

 かくして甲虫は大樹への超越を終えた。

 三つの砲塔に収束した光が臨界に達する。

 そして、その三つの光が大樹へ向かって発射された。


 光は音を置き去りにし、通過した空間を歪ませ、落ちて来る大樹へと直撃する。


 ギュワンという反発反響する音が周囲に響き渡り、三つの光と大樹が一瞬だけ拮抗した。

 それは瞬きの間、次の瞬間——大樹は三つの光に包まれ、跡形もなく消滅してしまった。


「■■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■」


 三体の甲虫は声を上げる。

 それは他の収獲者を奮起する声か?

 それとも人類へ絶望を齎す奇声か?

 ただ、少なくとも玲香が放った相伝術式・転換は、収獲者の手によって打ち消されたのだった。

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