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さて、予想通りに転校生ムーヴが切れた黒羽は、再び、転校初日同様に私に纏わり付いてきた。
「……あのさ、黒羽さん、いつまで付いてくる気?」
さすがに休み時間から昼休みまで付いて回られては、相手する他ない。
「──えへへ、やっと声を掛けてくれた」
ニヘラと笑う黒羽。一見すると深窓の令嬢に見えるが、今朝は三対一の数的には不利な、不良高校生たちを圧倒していた。ま、普通ではないのは確かだ。
「何の用かな?」
取りま用件があるから、付いて回ったワケだしね。
「──ねえ、緑山さん、あなた魔法少女よね。私と組まない?」
……案の定か。ま、別段、隠してはいないので、
「そうだけど。黒羽さんは月に幾らくれるのかしら?」
「…………? 月に幾ら?」
──…………ああ。そうか、そうか。黒羽さんは野良だから、私のような自衛隊所属じゃない故に給金という感覚がないのね。
──私は黒羽さんに説明した。
「……え、マジ?!」
「大マジ!」
私はスマホで銀行口座の入金を黒羽さんに見せる。すると、私のスマホを食い入るように見詰め、
「……ゴクリ。救援要請に参加一回に付き、三万円?! わ、私も、自衛隊の所属になるぅ!!」
こうして、黒羽さんが新たな仲間に加わった。
「……案外、黒羽って娘、ちょろインね。」
「なに言ってるのよ、人間、金よ、金。」
私は家の自室で、黒羽さんをちょろイン呼ばわりするユミアに現実を説いた。
「私たちだって、お金目当てで魔法少女になったんだしさ」
「ま、そりゃそうだけどさ。やっぱり、ここは野良の魔法少女の根性を見せもらわないと……」
「──悪かったわね!」
「──のわっ!? なによ、あんた! 何しに来たのよ?」
「……噂をすれば陰……」
さて。黒羽さんはいったいぜんたい我が家に何しに来たのだろうか? しかも、魔法少女姿だし。
「……あ、あのね、私も、さっき自衛隊の出張所に行って登録してきたわ」
「……あ、そうなんだ……」
私は取り敢えずの相槌を打つが、
「……」
「……」
……おい、話、それだけ? ただ、単に報告に来ただけ? ……ま、まあ、いいわ。
「……え、えーと、家、寄ってく?」
我が家に来た以上は社交辞令で、黒羽さんに聞いておく。
「うん☆」
──……うっわ、なにその眩しい笑顔。




