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光輝

翌朝、早起きして朝食を作る。

寝室から笑顔のひまわりが出てくる。

「おはよう♩光輝くん!」

「おはようございます。ひまわりさん」

朝から元気だ。まるで小学生だな。

ひまわりは美味しそうに朝食を食べる。リュックにインスタントの味噌汁とご飯とベーコンがあったので作った。目玉焼きは冷蔵庫の卵を使わせてもらった。

「ひまわりさん。私をしばらくここに置いてもらえないでしょうか?ここは空気もおいしいし、とてものどかだ。都会の喧騒に疲れた心が癒える。それにジビエを食べたことがないので食べたいのです」

「うん。いーよ」

「ありがとうございます。秘書にいったん連絡するために山を降りて来ます」

「ん」

オレはエプロンを外して軽装で山を下った。ケガをしないように気をつけて降ると、ちょうど正午に山を降りられた。椿が待っている。

「光輝様。ご苦労様でした。さあ、帰りましょう」

「いや、オレはしばらく帰らん。星咲ひまわりを攻略してくる。そうすれば、あの女は龍王子財閥の所有物だ」

「わかりました。幸運を祈ります」

椿は丁寧にお辞儀する。オレは手を振って山に戻った。

しまった。戻る前に椿を抱けば良かった。山ごもりが何日かかるかわからないのだから性欲を解消しないままだと危険だ。理性を失いひまわり氏を襲ってしまうかもしれん。

まあ、それは冗談だ。あんな子供に性欲は湧かない。もうちょっとオレ好みに洗練させないといけないな。髪や肌の手入れもしないおしゃれも興味ない女はダメだ。女らしくない。

3時間かけてひまわりのアトリエに戻る。

荷物を背負ってないので昨日よりは楽だ。タイムも少し短縮している。

ひまわりは留守だった。やれやれもう部屋が散らかっている。オレは片付けてやった。

「ただいま〜♩」

「おかえりなさいませ」

ひまわりが帰ってきた。手にうさぎを持っている。耳を持つ形だ。

背中には弓を担いでいた。

「これ夕飯♩」

「美味しそうですね〜」

オレは新鮮なうさぎを受け取った。血抜きはしてあるようだ。

「野生動物に解体はしたことないのですが?」

「じゃあ、いっしょにやろ。簡単だよ」

オレはひまわりに教えてもらいながらジビエを調理した。

味見にうさぎ肉を一切れ焼いて胡椒で味付けする。

食べると抜群に美味しかった。

「うまい!」

「でしょ?これだけでもおいしいよね♩」

「最高です!」

山登りで腹が減ってるのでなおさらおいしい。

空腹は最大の調味料だ。

夕飯はシンプルに焼肉にした。

ひまわりは裏庭の畑で家庭菜園もしていたので野菜も豊富だ。

うさぎ肉を頬張りながらひまわりが言う。

「光輝くん、何歳?」

「18です」

「タメじゃん。タメ口でいいよ」

「そうしろとおっしゃるなら」

「そうして」

「じゃあ、そうするよ。改めてよろしくひまわり」

「よろしくね♩」

ひまわりとの共同生活が始まった。

家事はオレが担当して狩りはいっしょに出かける。

クマとイノシシをいっしょに倒した時は興奮した。

オレは逃げ回っていたが、ひまわりはすばしっこい動きで木に駆け上り頭上から獲物を仕留めた。

弓も猟銃も玄人の腕前だ。

「いい囮だったよ♩」

龍王子財閥の御曹司を囮にするとはいい度胸だ。

オレの命は人類100億人分の価値があると言うのに。

都会育ちのオレには自然の中での暮らしは新鮮で刺激的だった。

1週間間もするとオレも素の性格が出てしまう。

ひまわりとは夕食時に絵画の話でよく盛り上がった。

「美術の教科書に載ってる有名な画家たちのほとんどは貧乏だった件!これひどいよね?今でこそ神格化されてるけど、貧乏なまま死んでいった画家も多いんだよ?空と水と木の詩人って言われたシスレーも生前は絵が売れなくて清貧を貫いて亡くなるけど亡くなった翌年から絵が売れて大ブレイクしたんだ。生きている間は貧乏画家として見向きもせず死んでから神格化はよくないよ!画家には最低限、暮らしていける保証がいるね。そう思わん?」

「クリエイターやアーティストだけに最低限の生活保障を与えるのはフェアじゃないな。やるなら貧乏人全員に最低限の生活保障が必要だが、共産主義になると人間は働かなくなる。社会の秩序が崩壊したら画家も絵を描いている場合じゃなくなるぞ。貧乏人はうまくお金持ちにすり寄って援助してもらう才覚も必要なんじゃないか?死後、神格化されるだけでもありがたいと思うがな」

「ぶーっ、お金持ちなのに冷たいなぁ」

「お金持ちがいい暮らしをするにはたくさんの奴隷がいるんだ。生活の安全保障など持ってのほかだ」

「お金でみんなに言うこと聞かせられたほうがいいんだ?」

「当然だ」

「普段からみんなに食料や富を分けあって困ってる人を見たら助けてあげる魅力的な人間のお願いならみんな聞くだろうから、そういう社会のほうがいいんじゃないかなぁ。お金でみんなを奴隷にするのは非人道的だよ」

「マルクシャガールも社会主義者でピカソも共産主義者だった。画家はロマンティストだから自由で平等な世界を夢見るようだな。まあ実現は不可能だがな」

「あたしは不可能とは思ってないけどね!絵の力で世界を平和に導くのだ!」

「がんばりたまえ」

「がんばりマウス!」

ひまわりは頭の上に手を乗せてネズミの耳を作る。

「光輝くんマルクシャガールとピカソ好きなんだね?」

「ダリ、マグリットが好きだ」

「シュルレアリスムの画家だね。あたしも好き♩印象派だと誰が好き?」

「モネ、ルノワール、スーラが好きだ」

オレは名前を出した画家たちの好きな作品をあげてその理由を述べた。

「マルクシャガールの絵は見ていると夢の世界に入っているような気持ちになれて楽しい。《エッフェル塔の新郎新婦》が1番好きだ。大きなニワトリが愛くるしい」

「わかる!あのニワトリ乗ってみたい!《私と村》の牛さんもつぶらな瞳でかわいいよね!」

「澄んだ眼をしているな」

「心がきれいな牛さんなんだよ♩」

「シャガールは家が貧乏だから学費免除される特待生になるために試験でみんなが大人しい色で絵を描く中、ピンクを使って絵を描いて見事特待生の座をつかんだんだ。選ばれるには他の作品と差別化されないといけないと子供の頃からわかっていたんだ」

「わ〜!すご〜い!知らなかった!そうなんだ♩」

「ダリはやはり《記憶の固執》が1番だな。時計がチーズみたいに溶けている。熱で溶けてもああはならないだろうから幻想の具現化だな」

「ぐにゃぐにゃの時計、どこかで売ってるよね!いつか買おうと思ってるんだ♩」

「マグリットは《光の帝国》が好きだ」

「さすがだね!センスいい♩昼の青空と夜の闇が同時に存在してる不思議な絵だよね。あたしも大好き♩」

「《空の鳥》も好きだ。鳥の中身が雲の浮かぶ青空なのがおしゃれだ。ベルギー空港のポスターにもなっていて乗客の心を夢の世界へ運んでいるんだ」

「飛行機で空の鳥を突っ切って夢の世界にいけたらいいのになぁ」

「モネは《日傘をさす女》が気に入ってる。ジブリの風立ちぬのポスターのオマージュも素敵だ」

「モネはプールヴィルの浜辺シリーズもいいんだよ♩あたし海も好きなんだよね〜」

「ルノワールは《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》 が好きだ。あの中に混じりたい気持ちになる」

「ぐうわかる!楽しそうだよねぇ。パリっ子はおしゃれ!」

「スーラの《グランド・ジャット島の日曜日の午後》も絵の中に入りたくなる。のどかでかセーヌ川もきれいだ。犬と猿もはしゃいでいて癒される」

「絵の中を歩きたいよね♩子犬ちゃん好き♩」

絵の話をしているとひまわりの目は輝きが増す。

「絵画にすごいくわしいよね!なーぜなーぜ?」

「子供の頃、一流の絵師に絵を習っていた。英才教育の一環だ」

「もう描いてないの?」

「金にならんからな」

「不純だなぁ。画家は描きたい気持ちが溢れて止められないから描くんだよ?ゴッホは生きている間は一枚も絵が売れなかったんだから画家にはゴッホの覚悟がいるんだ!」

「だったらオレは画家じゃない」

「画家だったらよかったのに。ゴッホとゴーギャンの共同生活みたいで楽しそう♩」

「どっちかが耳を切り落とすかもしれないな」

「不吉な歴史を持ち出さないで!」

「すごい名作が生まれるかもな」

「それな!」

ひまわりはパチンと指を鳴らす。陽気な女だ。思わず笑ってしまう。

ひまわりとは絵画の話だけじゃなく男女の社会的な役割についてもたくさん話した。

彼女とはいつも意見が平行線だ。

「家事と育児は本来、女の仕事だろ」

「古い古い。もしかして原始人かな?」

「女は金を稼げないんだから家事育児で役に立つしかない。家事のできない女なんて嫁のもらい手がないぞ。自分の金で家政婦雇えるんならいいが、男に出してもらおうなんて甘い考えはだめだ。家政婦だってタダじゃない。節約のために女がやるべきだ。結婚っていうのは貧しい女を保護するシステムなんだよ。保護されているということをわきまえて男に尽くすべきだ」

「ふーん、じゃあ、お金持ちの女の子は結婚しないね。男の子に保護されなくていいから」

「その通りだ。金持ちの女は結婚してないじゃないか。金があるのに男に尽くす理由がない。若いツバメを飼ってるほうがよっぽどマシだ。金持ちの男が若い愛人を囲ったり、若い女と再婚するのと同じさ」

「お互いのことが好きで愛があるから結婚してるんだと思う」

「違うね。女はお金、男は性欲を満たすためだ。お金持ちの男は人生で2度結婚するんだ。2回目は30歳年下の美人だ。これは世界共通だな。別れる時に妻に多額の慰謝料を渡すから揉めない。この事実に対して、きも〜い、ロリコンとか言う女は嫌いだ。そうだよね、若い子のほうがいいよね、って言う女が好きだ。事実をありのままに受け入れることが大事だ。男が若い女を好きなのは本能的に自然なことなのに若い女に嫉妬して男を傷つけるための言葉を吐くのは最低だ。愚痴もよくない。自分にも若い頃はあったんだからその時に頑張ればよかっただけだ。そう言う女に限って男に転生したら若い子を好むだろうし、歳をとった女性を見下すだろう」

「ちょいちょい女性蔑視だなぁ」

「ドガの踊り子だってきれいな美少女ダンサーはみんな金持ちの中年親父やすけべじじいの愛人だった。いつの時代も女は経済的な弱者なんだよ。サタデーナイトフィーバーのヒロインのダンサーもお金持ちの親父の愛人だ。男に保護されて来た事実を言って何が悪い?」

「傾国の美女けいこくのびじょって言葉もあるから、女性が無力だったわけじゃないと思うよ?女帝だって女王だっているし。女の子だって保護されてばかりじゃないんだ!」

「美しく才能があり経済力のある女性はリスペクトしているさ。ただ割合としては経済力のない女が多くて男に保護されている現実があるわけで、その原因は女性がスクラムを組めないからだろ?男は男同士がスクラムを組んで女性に経済力を持たせないようにしてる。男が女を支配できる社会のほうが都合がいいからな。けど、女は気持ちが弱く欲望にも弱いからスクラムを組んで男社会を打倒できないんだ。女がスクラムを組んで男に抱かれない!といえば男は頭を下げるしかなくなるのにそれができない。贈り物や褒め言葉に弱いし男に泣きつかれると裏切る女が出るからな。その点、男は自分たちの利益のために血判状を用意してスクラムが組める。裏切り者には一切容赦しない。これが男の強さだ!」

「男社会の打倒とかじゃなくて仲良くしたいだけなんだよ。男と女で支配関係みたいなのがあるのがやだ」

「人間は腹の底には他人を支配したい欲望が渦巻いているのさ。オレも格上の気が強い女をベッドで組み敷くときは支配欲が満たされるのを感じる」

「実力で負けてもベッドの上ではオレが上だと思い知らせてやるぅ!みたいな?最低だけどなんとなくわかるかも。興奮しそう」

「きみのそういうところが好きだよ。安易に男を批判しない。想像力を働かせる。聡明な女性だ」

「女の子も同じこと考えてる子いるんじゃないかな。ベッドの上では勝つ!みたいな」

「ひまわりはどうなんだ?」

ひまわりは耳まで顔を真っ赤にする。

「あたしはしたことないからわかんないよ!」

「理想が高すぎると一生機会を失うぞ」

「デリカシーないなぁ。もう寝る!」

怒って寝室に入っていく。

しかし、翌朝には機嫌が治り元気に朝食を食べていた。

絵も集中して描いている。体力があるから集中力が持続するようだ。

体が資本の見本だな。健康は資産だ。オレも日々、健康管理に気を遣っている。

夕飯は肉じゃがと川で釣ったヤマメにした。生活態度がだらしないひまわりに助言する。

「掃除や洗濯や料理も覚えたほうがいいぞ。不潔で栄養不足だと健康的な生活が送れない。美容にも悪い」

「来世でがんばる!」

「ぜったいがんばらなさそうだな」

「家政婦さん雇えばいいもん。ダンナさんがやってくれてもいいし」

「こんな辺鄙なところに家政婦が来るわけないだろ。きみのような汚部屋に住む清潔感のない女と結婚する男はお金目当て以外ではいない」

「ひど〜い!」

「事実だ」

「光輝くんもお金目当てなんだ?」

「オレは龍王子財閥の御曹司だ。お金には困ってない」

「へーっ。だったらなんであたしに尽くしてくれるの?」

オレは掃除の手を止めてひまわりを見つめる。

「好きだから」

「・・・ふーん」

ひまわりは前髪をいじりながら顔を真っ赤にする。恋愛経験がなく男に免疫がないからちょっと本気で告られるとすぐ動揺する。ちょろいな。

「どこが好き?」

「絵がうまいところ」

「それってあたしじゃなくて絵が好きなんじゃん!」

「まあまあかわいい」

「まあまあか〜い!」

「きみの才能を愛している。ボサボサの髪を櫛で溶かして肌のケアをしてワンピースを着たら見た目も好みだ。家事育児ができるようになればもっと好きだ」

「なんかやだなぁ。あたしを自分の色に染めようとしてない?」

「オレは女を自分の色に染めて来た。オレの色に染められた女はオレに捨てられてからもモテるぞ。オレがしつけた女は男に従順だからな」

「すごい上から目線だけど今まで付き合ってきた女の子から苦情は出なかったわけ?」

「女が文句言うわけないだろ。オレのいうことさえ聞いていれば食べるものにも着るものにも不自由しない。高価なプレゼントだって貰える。ずっと家にいてもいい。暴力は振るわない。別れる時は手切れ金もはずむ。きれいにしてたら褒めてやる。美容代も惜しまず出してやる。なんの文句がある?まあ本人の成長のためにならないから、あまりにも高いプレゼントは買わんがな。苦労せず手に入れたものはすぐに失ってしまうものだ。パフォーマンスぶん以上に貰えば、そのお金はすぐになくなくてしまうしその分、あとで苦労させられる。逆にパフォーマンス以下しかお金を貰えなければいずれ大きな報酬を貰える。世の中はつじつまあわせがおこるようになってるんだ。だからオレに尽くしてくれたぶんだけ女に買い与える」

「対等な関係じゃないね。お金を持ってる女の子はきみみたいな上から目線で傲慢な男を選ばないよ

お金がないから仕方なくお金のためにきみを選んでただけ。妥協だよ」

「そんなことはわかってるさ。オレは若く美しい肉体が抱きたい。向こうは何不自由ない生活が手に入る。オレに尽くしていい子にしていれば高価なプレゼントやお小遣いも貰える。ウィンウィンだ。この世界のすべての男女関係は取引なんだよ。売春みたいだというかもしれないが、売春は原始時代からあるので撲滅できない。はるか未来、宇宙の寿命が尽き地球が滅びる時でも売春は行われているだろう」

「お金の力で恋愛してきただけじゃん。あたしはお金持ちだからあたしをお金の力で口説き落とすことはできないよ?」

「お金の力が通用する美人と恋愛すればいいだけだ」

「たくさんの女の子と付き合って来たみたいだけど、きみはまだ本当の恋愛をしたことがないんじゃないかな。きっと愛を知らないんだ。人を愛したこともない」

「だからどうした?愛だの恋だのくだらない。男女間にあるのは金とsexだけだ。経済力がない男と結婚するか?しないだろ?女は金が必要なんだ。とくに美人は若さと美貌と贅沢な暮らしを守るためにお金持ちと結婚するしかない。金持ちの妻はみんな美人だ。女は経済力がないのに物欲は男より強い。だから経済力のある男に媚びるしかない。美女をひざまずかせる魔法のアイテムが金なんだよ」

「うわぁ。まじで嫌だ。輝くん見た目が良くて超お金持ちだからモテるだろうけど性格は最悪だよ。女の子を下に見てる」

「男のほうが優れてるのは事実だ。世界お金持ちランキングに上位は男が占めてる。女は経済的に男に依存して生きてるんだから男に奉仕すべきだ」

「お金が人間の価値じゃないよ。やさしい人間が1番優秀なんだ。漢字の優しいも優れるでしょ?女性を従属させて支配しようとする考えかたも間違ってる」

「資本主義社会ではお金が人間をはかるものさしだ。性別に関わらず人間は金の奴隷だ」

「あたしたちがこの世界に生まれて来たのは愛を学ぶためなんだよ?地球は魂の修行の場なんだ。死んだ時に神様に聞かれるのは一つだけ、どれだけ多くの人を幸せにしましたか?って質問だけさ。お金を集めるマネーゲームじゃなくてありがとうを集めるゲームなんだ」

「お花畑だな。この世界はお金が全てだ。お金を稼げる人間が優秀なんだ。やさしさで腹は満たされない。きみは山奥に引きこもってる世間知らずだ。人間は支配欲に塗れたお金が大好きな生き物なんだよ」

「その年で汚い世界をいっぱい見てきたんだね。あたしは絵で世界に絶望している人間を救いたい。みんなに希望を持って生きて欲しい」

「確かにきみの絵は希望にあふれてる。なるほど。作者の願いが込められていたのか」

「光輝くんも絵を描きなよ。心がきれいになるよ。あたしは心がきれいな人好き!やさしさにあふれてる人が好き!」

ひまわりの好みがわかった。ひまわりを龍王子財閥の手中に収めるにはオレは生まれ変わらないといけない。金の力で口説き落とせない女とは恋愛をしないと言ったが、ひまわりだけはなんとしても口説き落としたい。

難易度の高い女のほうが攻略した時の達成感が大きい。社運もかかっている。

「絵も子供の頃、習っていた。課題を出されて描いていただけで自分の描きたいものがない」

「好きなものを描きなよ?」

「ひまわりが好きだ」

オレは反射で答えていた。

本心だ。

ひまわりはうれしそうに笑みを広げる。

「じゃあ、あたしを描いて!」

「わかった」

オレはひまわりをモデルに描くことにした。

いろんなポーズをとってもらう。

絵を描いているひまわりの絵も描いた。

真剣な表情で瞳を燃やしてて描いている時もあれば、のんびりリラックスしてネコの口で描いている時もある。表情がコロコロ変わり多彩で飽きることはなかった。

毎日、朝から晩までひまわりの絵を描いた。

幼少期に義務的に描いていたのと違って自分の意思で絵を描くのは楽しい。

描けば描くほど天真爛漫なひまわりに心惹かれていく

ひまわりの笑顔は向日葵のように美しく輝いている。

ひまわりはオレの太陽だ。

気づけばオレはひまわりの魅力にメロメロになっていた。

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