第22話
お昼休みになった。午前中は本当に大変だった。
なんせみんな来る。比喩じゃなくみんな来る。私の机の周りだけ温度が間違いなく上がっていた。冷房が効いているにもかかわらず汗がずっと出ていたからね。
しかも授業中にもグループ活動になったらみんな話しかけてくるし、おかげで全く授業が進んでいなかった。最初は注意していた先生も、後半は諦めてPCを触っていた。助けを求めて声をかけると、期末テストを作成していたらしい。
そう、テストである。学生の本分は勉強なので、私も勉学は頑張らなければならないのだが、何を隠そう私は勉強がかなり苦手だ。
私の進学した高校は比較的偏差値が高い。それでも制服の可愛さに惹かれ滅茶苦茶頑張って入学したのだ。
しかし入学したからはい終わりというわけではない。テストから逃げることはできない。
要するに私は、これから魔法少女活動をしながら高校の勉強もしてテストの対策もして、休日は魔法少女や友人と遊びに行かなければならないのである。楽しいと辛いが半々で襲ってくる。助けて。
「私も勉強は苦手~」
「美鈴はしないだけじゃん。私は純粋に苦手なの」
お仲間ですよ~感を出しているのは美鈴だ。本名は柏谷美鈴で、金髪ロングに化粧濃いめのギャルみたいな子である。誰にでも分け隔てなく接しているのでクラスでもよく頼りにされている子だ。パーソナルスペースが近いのでよく男子をドギマギさせている。
なお口では苦手だと言っている美鈴であるが、実際は全くそのようなことはない。彼女は勉強が苦手なわけではなくしていないだけである。
ちゃんと勉強すれば少なくともテストの点数は取れる。あらかじめ予告された歴史の小テストなどでそれは理解した。
最初は仲間だと思っていたのに、平気で100点取って先生に褒められているんだもん。しかもクラスで唯一の100点。一体どの口で苦手とほざくのか。私は泣いています。
「美鈴はともかく、私も勉強は苦手だなぁ。あ、そうだ。休日はみんなで勉強会しようよ!」
「奏ナイスアイデア~。一人じゃやる気おきんからね~。ここちはどう?魔法少女関係で来れないとかある?」
「今のところは何もないし、魔獣が現れない限りは大丈夫」
「他は誰か誘う?」
「いっそ教室借りて学習会開けば?みんな来るでしょ」
「確かに。人は多いほうが楽しいよね」
そういうことで、休日は高校の教室を借りて学習会を損なうことになった。流石に二日連続は違うなと言うことで、土曜日のみで時間は朝の9時からお昼の12時まで。お昼からは暇な人でカラオケに遊びに行くらしい。
いつの間にか話が大きくなっているが、こういった自主的な集まりは高校生になってから初めてのことである。なので結構楽しみ。カラオケも好きだし。
とりあえず、早くスマホを新しく買い替えなければ。何かあっていけなくなった時、連絡が取れなくて皆に心配させてしまう。一応本部支給のスマホはあるんだけどね。
私が呼ばれたときになっていた緊急魔獣速報が鳴っていたスマホが支給されたものだ。こちらは私用禁止で魔法少女関連にしか使っちゃダメ。主な用途は職員さんとの連絡。
ちなみに本部支給のものは現在2代目だ。理由は一度無くしたから。言うまでもなく移動しているときに無くしたからだね。あの時無くしたといっていたスマホは、実はもともと使っていた私のものと本部支給の二つがあったのだ。
本部支給のものは退院した後本部に行った時にもらっていた。ブラウザを開くくらいなら許されているので、意外とこれ一本でもどうにかなるのだ。
ただ友達との連絡はさすがにできない。もしやろうものなら間違いなくお説教が待っている。
あー、思い出したら憂鬱になってきた。お気に入りの服とか保存していたし、2年育てたクラゲも全部なくなったのか……。写真フォルダとか文部吹き飛んだし。
いやそうじゃん写真飛んでいるじゃん。昔からの友達とか思い出の写真も全部吹っ飛んでいる。激動の日々でそこまで気が回っていなかった。
実家は家電に書ければ連絡が取れるからいいとして、というか一度退院後に取っているし。
問題は昔からの友達の方だ。夏休み実家に帰った時に改めて繋がれるか?でもみんないつ帰ってくるかもわからないし、そもそも偶然遭遇できないと交換も何もないよなぁ。




