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魔法少女という年ではない。  作者: あるにゃとら


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第21話

 学校である。学生の本分は魔法少女ではなく勉強だ。なので私も学校に行かなくてはならない。憂鬱だ。

 ちょっと前ならそんなこともなかったのに、なぜこれほどまでに行きたくないのかと言えばそれはも魔法少女がばれたからにほかならない。


 すでに恥ずかしがる領域など超越していて、奏を守れたこともあって魔法少女を自分から名乗ってもいいと思う位には抵抗はないが、それはそれとして気まずさは感じる。黙っていたから。


 あとどんな反応をされるかわからないのがちょっと怖い。すごいとか褒められたりするだけなら私がちょっと恥ずかしいだけなんだけど、怖いとか思われて距離を置かれたら困る。これから約1年一緒にいるわけだから、なるべくみんなとは仲良くしたいのだ。


「どう思います?」

「何も心配することはないと思いますけどねぇ」


 話しかけているのは護衛のうちの一人だ。名前は教えてくれないが、髪型が坊主なのでそのまま坊主さんと呼んでいる。初めて読んだときは「実家を思い出す」と感想を言っていた。どうやら実家は神職らしい。

 数人いる護衛の中で一番フランクな人なので、自然と話しかけるのも坊主さんになった。


 うだうだ言っていたら校門についてしまった。近くを通りかかる人がぎょっとしているのが車の窓から見て取れる。

 気持ちはわかる。突然高校に黒塗りの重厚な高級車がやってきたら、怪しい人かヤーさんかと思ってしまうのは自然だろう。


「それじゃあ我々はここまでで。帰るときには連絡ください。迎えに来ますんで」

「はい。お願いします」


 なるべく人がいないタイミングを見計らって外に出る。ちらっとこちらを見てくる人はいるけど、それは通った人がいるから反射的に見ちゃったみたいな感じでそこまで意識されていなかった。

 もしかして自意識過剰だった?みんなそこまで魔法少女に興味を持っていない?


 それならちょっと安心かぁ。と2階に上り私のクラスの教室へ向かう。この高校は1年生が2階で2,3年生が3階なのだ。

恐らく私が3階へ行く機会はないだろうな。移動教室も大体2階で済んでしまうし。少し寂しい。


 教室にはいる扉前に着いた。まだ入りたくない気持ちはあるが、ここにずっといても変な人でしかないのでおとなしく入ることにする。


 静かに、静かにドアを開ける。いつも決まった人にしか挨拶はしていないので、奏みたいに開けてすぐ挨拶とかもしない。


 教室にはすでにクラスの全員がそろっていた。うちのクラスは43人いて基本ごちゃごちゃ話しているのだが、今日は普段と違い静かだった。

 

そして全員私に顔を向けた。次の瞬間には歓声か怒号かよくわからない声が飛び交いながら、全員が私に向かって話しかけてくる。


「テレビ見たぞ」

「魔法少女だったのか」

「素手は勇気あるなぁ」

「杖どうしたん?」

「ていうか強くね?」

「テレビでB級以上を単独撃破した人物は史上初って言ってたぞ」

「神威さんすげぇんだなぁ」


 全員に一気に話しかけられ、話している内容すらわからない。きっと今の私は目をぐるぐるさせているだろう。ここまで一気に話しかけられた経験は人生で一度もない。


「衣装めっちゃ綺麗だった!」

「ドレス良いなぁ」

「言動がイケメンすぎた」

「私にも『命を預けて』って言ってほしい」

「魔法少女ってどれくらい儲かる?」

「ストップ、ストーップ!」


 もうなんでもいいから落ち着くまで逃げてしまおうかと最終手段を取ろうと考えていたところで、奏が全員を落ち着かせてくれている。女神か。


 これにクラスも落ち着いてくれたみたいで、いつの間にか入ってきていた担任の声が届くようになった。


「おまえらー。気持ちはわかるが一旦落ち着け。とりあえずホームルームを始めるぞ」

「えー」


 文句を言いながらもみな席について行く。私も例にもれず席に着き隣を見れば、奏が大丈夫と声をかけてくれた。


「びっくりしたけど平気」

「良かった。みんないろいろと聞きたいみたいだから、ホームルームが終わったら忙しくなるかも」

「ほどほどがいいなぁ」


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