薬草採取
気を取り直して街から出た俺は薬草採取をするために東の森の前まで来ている。
受付の人に薬草採取のおすすめの場所を聞いたところ街を出て1時間半ほど東へ進んだところにある森に薬草が生えているらしい。またそこは比較的低ランクの魔物しか出てこないので新人冒険者御用達の場所なのだそうだ。
昨日と違い街道をすすんでいるため結構な人や馬車などとすれ違っているがほとんどの人がパーティーを組んでおり一人で行動しているのは俺以外に2,3人しか出会わなかった。
「魔物に襲われる危険もあるしわざわざ一人で行動するメリットなんてほとんどないもんな。パーティーか、そのうち考えなきゃいけない問題かもな」
とりあえず今は薬草採取に来ているのでその仕事をこなすために森の中へと入っていった。
ちなみにインターネットで調べたところ薬草はじめじめしたところに生えているそうだ。ちなみに薬草の正式名称は緑癒草というらしい。しかしほとんどのポーション作成に使用されるため一般的には薬草と呼ばれているそうだ。
葉の見た目はそこらへんの雑草とそこまで変わらないらしいが葉と葉の間に青い実がなっているためわかりやすいらしい。
「お、あったぞ多分これだ」
俺は大きな木の根元に目的の薬草を見つけた。
「この木の下だけで一束分はありそうだな」
俺はバックから街の雑貨屋で買ってきた小さめの袋と紐を取り出した。これは薬草を持ち帰るときに必要だと思いあらかじめ何個か買っておいたものだ。
インターネットで調べた通りあまり茎を傷をつけないように根っこごと慎重に引き抜いた。そしてそれを袋に入れ10本入れ紐で縛りカバンの中にしまった。
「ふぅ、結構集中力を使うなな。これ思ったよりもしんどいぞ」
一束分とれたので俺は次の場所に向うことにした。薬草は生えているものを全て抜いてしまうとその場所から生えてこなくなってしまう可能性があるため何本か残しておくといいらしい。
次の群生場所をさがして歩いていると少し開けた場所に出た。そこにはちょっとした湖があり木の隙間からさしている光がとても幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「めちゃくちゃきれいな場所だな。ちょっと休憩してから行くか」
俺はその湖のほとりにある木陰に座り昼食をとることにした。昼食は宿の朝食を二日酔いで食べれなかったものをそのまま包んで持ってきたのだ。
ちなみに昼食はサンドイッチで中にはハムと野菜が入っておりとてもおいしかった。
しかし穏やかな時間はそう長くは続かなかった。森の中に水場があれば当然人間以外の生き物も寄ってくる。俺が休んでいる木陰の対岸に魔物が現れたのだ。
「まじかよ。せっかくのんびり昼食を楽しんでたってのに」
俺は手に持っていたサンドイッチをすべて口に詰め込み剣を取り警戒態勢に入った。
対岸に現れた魔物はイノシシっぽい魔物だった。なぜ普通のイノシシじゃないと分かったのかというと明らかに色が違うからだ。
サイズはそこまで大きくなく中型犬くらいだが牙が生えており肌の色が真っ赤だった。
俺は向こうがこちらに気づく前にスキルを発動させた。
『鑑定』
・レッサーボア
小型の魔猪
突進しか能がない初心者向け魔物。
「また突進系かよ」
今回は前回と違い罠を作ることにした。作り方はもちろんインターネットで調べた。
作り方はとても簡単でレッサーボアの足の高さに紐を設置しその上を通らせるものだった。これで本当に罠になるのか心配だったがとりあえず試してみることにした。
そして俺はまだ水を悠長にのんでいるレッサーボアに向かって石を投げた。するとレッサーボアはこちらに気づき突進してきた。
そして罠のところまでまっすぐ向かってきて見事に引っ掛かり盛大に転んだ。
「こんなに簡単にいっていいのかよ。まぁ初心者向けっていうくらいだしこんなもんなのかな」
俺は転んだボアに向かって剣を振り下ろしとどめを刺した。
そして俺はすぐに解体に取り掛かった。前回よりもスムーズにできたのは解体スキルのおかげだろう。
解体を終えた俺は街に帰ることにした。思ったよりも解体に時間を取られてしまったためそろそろ帰路につかなければ街の門が閉まってしまうからだ。
街の前に戻ってきた俺はそのまま東門に入るのではなくぐるっと回って北門に向かった。
北門についた俺は入るとき兵士の人になぜ冒険者用の門があるのか聞いてみた。
魔物を倒してきてそれを持ち帰るときにほかの人の邪魔になったり、魔物との戦闘で汚れた状態で列に並ぶと匂いなどもきついそうでそれを改善するために作られたそうだ。
ちなみに冒険者ギルド買取窓口の建物のすぐ裏には体を洗うことができる場所があるらしい。
そして街の中に入った俺はすぐに買取窓口に向かった。
「おう、レインお帰りさん。もしかしてまた持ってきたのか?」
「はいこれをお願いします」
俺はバックの中から薬草一束と後ろの大きな背負い袋からレッサーボアの素材を取り出した。
「お前さんの素材は解体されてるから査定しやすくて助かるぜ。全部買取でいいんだな?」
「はい。それでお願いします。もしかして冒険者って解体せずに持ってくる人が多いんですか?」
「それが困ったことにそうなんだよ。血抜きもろくにせずに持ってくる奴が多くてな。そうするとどうしても買取値が下がったり肉の味が落ちたりするってのに」
そんな風に不満を漏らしながらガイさんが次々に素材を確認して紙にいろいろと記入をしていた。
「よし、これで終わりだ。薬草一束銀貨1枚、レッサーボアの肉銀貨1枚だ。牙と皮は使い物にならないからこっちで処分していいか?」
「はい。お願いします」
「じゃあこれを冒険者ギルドまでもっていきな」
そしてまたカードと紙をもって本日3回目のギルドにむかった。




