初依頼
冒険者登録が済んだあと俺は依頼ボードの前に来ていた。依頼書はランクごとに貼る場所が分かれておりGランクの依頼は一番端にあったのですぐ見つかった。
「結構依頼があるんだな。でもとりあえずは常設依頼を受けるとするか」
依頼失敗のペナルティーがある以上なれない最初のうちは常設依頼をこなしてランクを上げていくのがいいだろう。
「常設依頼も結構あるしこっちにもランクの指標はあるんだな」
・ゴブリンの討伐 ランクG
ゴブリンの右耳を10匹分持ってくると依頼完了
・ホーンラビットの肉 ランクG
3匹分の肉で依頼完了
・ホーンラビットの角 ランクG
一本で依頼完了
・薬草の採取 ランクG
10本一束で依頼完了
といった感じに並んでおりほかにも来る途中に見たヴェルディアスという牛型の魔物の肉を集める依頼もあったがなんとCランクの依頼だった。
「まぁ俺にちょうどよさそうな感じの依頼はこんなもんか。でもなんでホーンラビットの依頼が二種類に分かれているんだ?」
気になって調べてみるとホーンラビットを倒せたとしても角を採取するのが難しいらしい。なんでも脆いため戦闘中に欠けてしまうことが多くなかなか納品されないらしい。しかし採取が難しいため肉などよりも高値で取引してくれるそうだ。
「確かに俺が倒した時は運よく木に刺さっただけだったしな。いきなり戦闘は嫌だしとりあえず薬草採取の依頼に行くか」
俺は受ける依頼を決め冒険者ギルドを出た。
「まずはこのホーンラビットの素材を売りにいかなきゃな。えっと確か南北の門の近くに買取所があるんだっけな」
とりあえず俺は北側の買取所まで行くことにした。街の北側に進んでいくとだんだんとお店が少なくなり住宅街らしくなってきた。途中少し小高い場所に立派な屋敷がたっていたため調べてみると領主の屋敷だった。
そんな風にあたりを見ながら歩いていると北門の前まできた。
「確かここのすぐ横にあるって話だったよな。お、あれか?」
門のすぐ横に周りとは違う雰囲気の建物が一つ立っていてるので多分あれだろう。俺はその建物の中に入った。
中は立派だが人が全然いないので物寂しい雰囲気が漂っていた。
「おう。兄ちゃんなんの様だい?」
中に入るとすぐに受付の気のよさそうなおっちゃんが話しかけてきた。
「すみません買取をお願いしたいのですが」
「まじか。最近仕事が少なくてずっと暇してたんだ。助かるぜ。それでなんの素材だ?」
「ホーンラビットです」
「そしたらそこの横にあるでかいカウンターの上に冒険者カードと一緒に出しな」
俺は言われた通り素材とカードを提出した。
「それにしてもどうしてここはこんなに人が少ないんですか?」
「兄ちゃんはこの街の外の出身かい?だったら知らなくても仕方ねぇな。今の時期南側の草原に魔物が大量発生するんだよ」
「いったい何の魔物ですか?」
「ヴェルディアスって牛の魔物だよ」
北の草原で見た魔物だなでもそれなら。
「ヴェルディアスって確か温厚でこっちが攻撃しない限り襲ってこないんじゃなかったでしたっけ?」
「それがなあいつら10匹くらいの群れになったとたん急にこっちを襲い始めるんだよ。だから倒さないわけにはいかないんだ。それにあの魔物の肉は高値で売れるから冒険者側からしても稼ぎのいい魔物なんだよ。だから今の時期は大半の冒険者が南側の草原に行っててこっちに仕事が来ないんだ」
「それでこっちは人が少ないんですね」
「しかもそれだけじゃないんだ。普段は南の草原にしか出ないヴェルディアスだがこの時期は北側に来るせいで北側の魔物がやつに喧嘩売ってほとんどやられちまうんだよ。そのせいでさらに人が北からいなくなるってことだ。こっちの職員の大半も南側の手伝いに行かせてるからな。
よし兄ちゃん査定終わったぜ。買取は全部でいいか?依頼達成は角だけになっちまうから肉のほうは何匹か倒した後のほうがいいと思うがどうする?」
「いえ、全部買取でお願いします」
「そうか、なら肉が銅貨3枚、皮が銅貨2枚、角が銀貨2枚だ」
「ありがとうございます」
「いいってもんよ。だからよ兄ちゃん買取をこっちに持ってきてくれたら爆速で仕事するぜ。それとこの紙と冒険者カードをギルドの受付に持っていけば依頼達成とお金が受け取れるぜ」
「わかりました。なるべくこっちのほうに持ってくるようにしますね」
「兄ちゃんいい奴だな。俺はガイってんだ。お前さんの名前は?」
「レインです」
「レインか覚えたぜ!また来てくれよ!」
「はい」
俺はガイさんのお見送りを受けて買取所をでた。
「そういえば初依頼終わっちゃった」
俺はホーンラビットの角を納品したため依頼達成になったのだ。依頼をしに行くためにギルドを出たのにまさかのトンボ返りだ。
そして俺はまたギルドに戻ってきた。
「冒険者ギルドへようこそレイン様。ご用件は何でしょうか」
「これをお願いします」
そして俺はガイさんからもらった紙と冒険者カードを受付の人に渡した。
「お預かりします」
受付の人は何かを確認すると見たこともない機械にカードと紙を入れて何かをしていた。そしてすぐに戻ってきた。
「確認がおわりました。それとこちら冒険者カードと買取料の銀貨2枚銅貨5枚になります」
こうして俺の初依頼は街から一歩も出ることなく終わってしまった。
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