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スキル『インターネット』で地球と異世界の知識を統合し、最強の生産職になる  作者: masame
第二章

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王都観光3日目

今日は時計塔に行くことになった。朝食を食べ終わった俺たちは準備を済ませて出発した。


 昨日までとは違い、今日は最初から歩くことにした。なぜかと言うと、時計塔まではそれほど距離がないらしく、それならついでに中心部の観光も一緒に済ませてしまおうと考えたからだ。


 貴族街との境にある城門の側を通ったが、街に入るための警備よりも厳重になっていた。


 「中心街は中心街で結構栄えてるな。各方角との違いは高級なお店が多いくらいか?」


 「そうですね。やはり貴族街が近いので、高級なお店も固まっているのでしょう」


 そんなふうに小一時間歩いていると、目的の時計塔が見えてきた。


 「結構大きいな。ここからでも見えるって相当だぞ」


 見えてきた時計塔だが、大きさは前世の建物で言うと7、8階くらいの高さはあるように見えた。


 「これは普通の人が登るのには高すぎないか? 冒険者をやっていればこれくらい大丈夫だが」


 「そうですね。私たちからしてもいい運動になりそうです」


 時計塔の下に着いて見上げると、遠くで見た時よりさらに大きく感じた。


 中に入るには入場料がかかるのだが、結構良心的で一人頭、銅貨3枚だった。


 お金を払い、中に入ると、そこには屋上へ続く螺旋階段があった。


 階段を登っている途中、何組かのグループを抜かしたが、全員キツそうに登っていた。


 「いやー、それにしてもきつかったな。でもこの景色を見れるなら登った甲斐があるな」


 さすが王都内で普通の人が入れる中で一番高い建物だ。周りを一望できる。


 観光初日に登った城壁から見ても分からなかったところがよく見える。


 「あっちが貴族街か。本当に屋敷が立ち並んでいるだけなんだな。まぁ、その屋敷が一個一個めちゃくちゃデカいけどな」


 「そうですね。セルディアの街にあるご主人様の屋敷の倍以上の大きさのものがたくさんあります」


 「その奥が王城だな。とんでもない大きさだな。確かゴズさんは国王と知り合いだって言ってたけど、王城とかも入ったことあるのかなぁ」


 海外旅行など行ったことがないので一概には言えないが、あれだけ立派な建物を俺は前世でも見たことがない。大きさだけなら王城よりも大きいものはあるだろうが、あの大きさかつ豪華さを兼ね備えた建物はなかなかないだろう。


 多分だが、前世とは違い魔法があるから、あの大きさでもきれいな城を作ることができたのだろう。


 時計塔からの景色を一通り楽しんだ俺たちは、昼食を済ませ、今日はどこにも寄らずグランツ商会に戻った。朝のうちに相談していたのだが、時計塔の付近には観光できる場所が少ないらしく、早めに商会に戻ってきて買い物をすることにしたのだ。


 商会に着いた俺たちは、すぐに奥の部屋に通された。奥の部屋に案内されるのは初めてではないが、今回はなぜかわからないが、いつもよりもさらに数段上の部屋に案内された。


 「どうしたんだろうな、急に。今日はただお米を買いに来ただけなんだけどな」


 周りに置いてある芸術品も、見て分かるほど高級そうなものばかりで、待っている時間は気が気じゃなかった。ほかの三人も居心地悪そうにしていた。


 部屋に入って10分ほど経ったころ、ようやく人が入ってきた。入ってきたのは会長とカレンさんだった。会長は俺の向かいの席に座り、カレンさんはその後ろに控えた。


 「お待たせして申し訳ございません。こちらから二点ほどお伝えしたいことがあり、お呼びしました。まず、こちらはレイン様宛てのお手紙です」


 そう会長が言うと、後ろにいたカレンさんが俺の前まで来て手紙を渡してくれた。


 渡された手紙は装飾が施されていた。しかし俺には、こんな高級そうな手紙を渡してくる人物に全く心当たりがない。


 「会長さん、すみません。失礼かと思いますが、いまここで開けても構いませんか?」


 「えぇ。構いません」


 会長に許可を取ったので、早速俺はカレンさんに渡されたペーパーナイフを使って封を開けた。恐る恐る手紙を開けると、中には見知った文字が書かれていた。


 よう、レイン。王都観光はたのしんでいるか? こっちは研究発表会の準備で大忙しだ。

 ところで相談なんだが、明後日一度こっちに来ないか?

 俺の知り合いが、ぜひ魔道飛空艇のアイデアを考えたお前に会って話してみたいっていうんだ。

 返事はこの手紙を持ってきたやつにそのまま渡してくれ。

                       じゃあな、ゴズ


 「返事を書きたいので、ものを用意してもらえませんか?」


 そう俺が伝えると、カレンさんがものを取りに向かった。


 「それで、レイン様、一体どのようなお手紙だったのか教えていただいてもよろしいでしょうか」


 「えぇ、構いませんよ。俺たちはセルディアの街から護衛依頼を受けてやってきたのは知っていますよね? その依頼主の方から一度会いたいとの連絡でした」


 「そういうことでしたか。手紙用のものを取りに行かせている間に、もう一つの要件を話しても構いませんか?」


 「はい」


 「その要件というのが、我が商会からレイン様へ謝りたいことと、お願いしたいことがありまして」


 俺には会長の言っていることに全く心当たりがない。


 「そのレイン様がセルディアの街で住んでいる屋敷のことなのですが、うちの従業員が管理のために出入りした際、少し問題がありまして」


 「問題ですか? まさか盗賊に入られたとかでしょうか?」


 「いえ、そんな物騒なことではございません。その、大変言いづらいのですが、うちの従業員がレイン様の屋敷のトイレをお借りした際、大変気に入ったようで、ぜひうちの商会で取り扱わないかと。最初はその従業員だけだったのですが、気になったほかの従業員が当番でレイン様の屋敷に行った際に試してみると、今度はその従業員も。それで無視するわけにも行かず、支店長自ら見に行く運びになりまして。その結果、私の方まで連絡が回ってきたのですが、その内容が、ぜひレイン様に掛け合ってこれを商品化してもらえないかと」


 別に俺としては構わないのだが、まさか自宅のトイレでそんな問題が起こるとは一ミリも思っていなかった。確かにセルディアの街から王都までの旅の中で同じようなものは一つも見つからなかったが、そんな商品化を望まれるものなのだろうか。


 「それでもしよろしければ、一度こちらで作っていただくことは可能でしょうか? 私自らセルディアの街に向かうわけにはいかず。もちろん、空いている時間で構いませんので」


 「作るのはいいのですが、数日時間を下さい。それと、作る設備と材料の用意をお願いします」


 「もちろん、そこらへんは私たちにお任せください。それと、こちらをお渡ししておきます」


 そう言いながら、会長から小袋を渡された。手に持つと、ずっしりとした感触が伝わってきた。


 「これはご迷惑をおかけした料金と制作の依頼料もろもろです。ぜひ受け取ってください」


 ちらっと中を覗いてみると、それなりの額が入っているようだ。


 「いいんですか、こんなにいただいて。別に私としては、そこまでしてもらうようなことでもないと思うのですが」


 「いいんです。我が商会からの気持ちと思ってください」


 一通り話し終えると、カレンさんが手紙道具一式を持って部屋に入ってきた。


 俺は道具を受け取ると、簡単にゴズさんに明後日の件の了承だけを書いて封筒に入れ、手紙を持ってきた人に渡すようお願いした。


 「それで、本日レイン様は一体何の用で我が商会にいらしたのでしょうか」


 「そうでした。いろんな話で忘れるところでした。つい先日、王都の東門付近で昼食をとった際、とてもおいしいものを見つけたのですが、ぜひ欲しいと店主の方に入手先を聞くと、グランツ商会で扱っていると聞きまして、今日はそれを買いたいと思ってきました」


 「我が商会以外であまり販売されていない飲食物でいうと、もしかして白穀(はっこく)のことでしょうか? たしか、それを使ったお店が東門の付近にあると聞いたことがあります」


 そういえば、どこで買えるか聞いたのだが、名前を聞き忘れていた。


 「すみません、名前をあまり覚えていないので、一度持ってきてもらうことはできますか?」


 「わかりました。少々お待ちください」


 少し待っていると、すぐに従業員の人が大きな袋を持ってきた。だいぶ重そうで、数人で運んでいる。中の物を見せてもらうと、ちゃんとお米だった。


 「これです。一応、いくらくらいなのか聞いてもいいですか?」


 「大体、この大きな袋で金貨1枚ですね」


 「安いですね」


 「本来ならもっと安いのですが、だいぶ遠くから運んでいるので送料がほとんどです。こちらの利益はほとんどありませんが、買う方もほとんどいませんので、この値段で売られています」


 やっぱりこの世界でお米を食べる人は少ないらしい。


 「それじゃあ、とりあえず一袋買ってもいいですか? 受け取りは王都から帰る日でお願いします」


 「わかりました。用意しておきます」


 一通り話し終えた俺たちは、店内で買い物をした。俺はあまり買うものがなかったが、女性陣三人は服などいろいろなものを見て楽しんでいたようだ。


 そんな感じで、王都観光3日目は終わった。

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