キングウェアウルフ討伐の後で
街に戻った俺たちはまず買取所に向かった。今回はいつも行っている北の買取所ではなく南の方に行った。
今回参加した冒険者はみんなある程度の稼ぎがある人たちなのでほとんど全員がマジックバッグを持っていたため素材を運ぶのがとても楽だった。
時間的にはまだ昼過ぎだったため買取所はそこまで混んでいなかった。中に入るとすぐに職員が声をかけてきた。
「ギルドマスターお疲れ様です。とってきた素材はこちらにお願いします。ほかの冒険者の方々もまとめてこちらに置いてください」
「ありがとう。なるべく早めに頼むぞ」
俺たちは言われた通り素材を提出した。正確な数はわからないが多分全部で300匹分くらいはあるだろう。
素材提出を終えた俺たちは全員裏手の水浴び場へ行った。今回の討伐では乱戦だったためほとんど全員が汚れていた。
身を清めた俺たちはギルドに戻り昨日の会議室に集まった。
「今日はお疲れ様。報酬は確認次第分配する。多分明日までには終わるだろうから朝取りに来てくれ。話は以上だ解散」
そうして解散した後俺たちも屋敷に帰ろうと思ったらギルドマスターに止められた。
「レインたち少し待ってくれ。お前たちには話がある。ついてきてくれ」
そう言われたので俺たち3人はギルドマスターの後についていった。
「とりあえず座ってくれ」
案内された部屋はギルドマスターの部屋だった。
「まずはありがとう。お前たちが森の異変をいち早く見つけてくれたおかげで被害を最小限にできた」
「いえ冒険者の義務を果たしただけですから」
「それでもだ。あとお前たちのランクを一つ上げることにした。ほんとはCランクまで上げたいんだがランクを二つ飛ばすのは冒険者ギルドのルールで禁止されてるんだ。すまんな」
「え、先日Fランクになったばっかですし、それに俺にはそんな戦闘力ありませんけど」
「いや今日のお前たちの戦いを見させてもらったが多分この街のCランク以下のパーティーじゃあお前たちが一番だ。ということで今日からお前たちはDランクだ」
ギルドマスターがそういうとタイミングを見計らったかのようにセレナさんが新しいギルドカードを持って部屋に入ってきた。
「わかりました。ちなみにランクが上がっていくと受けられる依頼以外に変わることってあるんですか?」
「そうだなCランク以上は指名依頼が受けられるようになる。これは通常の依頼とは違って依頼主が冒険者を指名するんだ。その代わり報酬がおいしいぞ。
あとは招集だな。今回みたいな異常事態が発生したときに呼ばれることが多くなる。もちろん強制ではないけどな。
それと護衛依頼に際して対人戦闘ができるかの確認がある。街を離れて商人や要人などを護衛する場合盗賊などに襲われる可能性がある。その時になって人と戦えませんじゃ困るからな」
なんかランクを上げるとめんどくさそうだな。
そんな表情をしているのを悟られたのかセレナさんがメリットを話してくれた。
「Cランク以上のパーティーには専属の職員が付き、わざわざ依頼ボードに行かなくてもいい依頼を斡旋してくれます。それにBランク以上になれば最下級貴族と同等の待遇を国から得られます。その分Bランク以上からはランクアップの審査が厳しいですが」
「そうなんですねありがとうございます。ランクアップの件はわかりました」
「それと最後にお前たちには特別報酬がある」
「特別報酬ですか?」
「そうだ。こういう異常事態を報告してくれた奴には報奨金を渡すことになってるんだ。だからお前たちにも渡さなきゃな」
そういってギルドマスターはお金が入った袋を差し出してきた。
「ありがとうございます。って多くないですか? ちなみにこれっていくらです?」
「金貨20枚だ。ただ今回は報告の報酬以外にも偵察をしてもらった分を上乗せしてある」
「いいんですかこんなにもらって」
「いいんだよ。お前たちのおかげで今回は被害者が少なかったからな。ギルドからのお礼だ」
「そういうことならありがたく受け取っておきます」
そのあとは軽い世間話をしてギルドを後にした。
ギルドを出た俺たちは屋敷に帰るのではなく武器屋に寄った。なぜなら今回の討伐でリュゼの鎧と盾が壊れてしまったからだ。
俺とシノは隠密を発動させていたため攻撃を受けることはなかったのだが、リュゼは真正面からウェアウルフと戦っていたからボロボロになっていた。
「親父さん。いますか~」
お店に入り声をかけるとすぐに奥から親父さんが出てきた。
「おう。ってお前らそれどうしたんだ?」
出てきた親父さんはリュゼの装備を見て驚いていた。それはそうだろう。普通一週間も経たずに装備がこんなことになるわけがない。
「すみません借りていた鎧をこんな風にしてしまい」
リュゼがとても申し訳なさそうに謝った。
「いやそれはいいんだが一体どんな戦闘をしたらそんなことになったんだ?」
「それが今日西の森にキングウェアウルフの討伐隊が行ったことは知ってますよね」
「ああさっき討伐に成功して帰ってきてたよな」
「その討伐隊に俺たちも参加していたんです。それで大量のウェアウルフと乱戦になり装備がこんなんになってしまって」
「お前さんたち駆け出しの冒険者じゃなかったのか? どうしてそんなお前らが参加することになったんだよ」
「それが第一発見者が俺たちでして。それの案内のために行ったんです」
「そうだったのか。ちなみに鎧の調整は終わってるからちょっと待っててくれ。その間に盾を選んでてくれ」
そういって親父さんは部屋の奥に行ってしまった。
待っている間俺たちは盾を見ていたのだが俺には盾の良し悪しがわからないので試しに鑑定スキルを発動させてみた。
・鉄の盾
耐久力+30
すると名前以外にもステータスを上昇させる効果がついていた。この効果だがものによって上昇値が違うらしく俺が一番良さそうなものを見つけてそれにした。
選んでいるとすぐに親父さんが戻ってきた。
「これが出来上がった鎧だ。試しに着てみてくれ」
俺は二人がサイズ確認している間に鎧を鑑定してみた。
・鉄の鎧
耐久力+50
・鉄の軽鎧
耐久力+30
結果はこんな感じだった。
確認が終わった俺たちは選んだ盾を買って店を出た。
壊れた鎧の代金を支払おうと思ったのだが親父さんにいらないと断られてしまった。
装備を新調し終えた俺たちは夕食の買い物をし家に帰った。
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