買い物
購入手続きを終えた俺たちはまず屋敷に帰り、自己紹介を行っていた。
「俺はレイン。冒険者兼魔道具作成もしている。普段は弓を使って戦っている。これからよろしくな」
そう言うと、二人がかしこまってお辞儀をした。
「改めまして私はリュゼといいます。購入いただきありがとうございます。私は竜人族で、剣と盾を使った戦闘を得意としています。また、風魔法と火魔法が少し使えます。これからどうかよろしくお願いいたします」
「私はシノといいます。直接戦闘は得意ではありませんが、斥候として活躍できると思います。魔法は水魔法を少しだけ使えます。料理などの家事全般は任せてください」
リュゼはスタイルがとてもよくどこかのお姫様ですと言われてもおかしくないほどの美少女だ。到底剣や盾を使った戦闘ができるようには見えない。
逆にシノは小柄でこちらも美少女なのは変わらないがお姫様というよりかは姪っ子や妹みたいな親近感がある。
「それじゃあまずは部屋割りだな。どこの部屋がいいとかあるか?」
「それはご主人様が先に選んでください。私たちは後でかまいませんので」
そうリュゼが言うと、シノも横でうんうんとうなずいていた。
俺は悩んだ末に、2階の一番大きな部屋に決めた。俺はこんなに大きな部屋じゃなくてもいいと思ったのだが、二人が大きな部屋を勧めてくるのでここに決まった。
二人の部屋は俺の両隣になった。護衛のためにも近い部屋がいいらしい。そんなこと考えずに決めていいと言ったのだが、二人は全く譲らなかった。
「もうちょうどいい時間だし、お昼がてら生活用品を買いに行こうか」
「「はい」」
俺たちはレストランで昼食を済ませ、買い出しに行った。
まずは家具だ。街の家具屋で机や椅子、ソファーにベッドなど様々な家具を購入した。お店の人が家まで運んでくれるらしいので、夕方家に来るようにお願いして次の店に向かった。
次に食料品だ。俺にはよくわからないので二人に任せることにした。昨日まで料理していたとは言ったが、そんなにちゃんとは作れないので全部二人に丸投げだ。代わりに俺は食器と料理道具を見ていた。
ちなみに屋敷にはキッチンのすぐ横にでっかいパントリーがあるので、野菜などはそこに保存しておけるだろう。冷蔵庫はこの世界にはないらしい。俺は冷蔵庫も作るものリストに入れることにした。
その次は洋服を買った。二人は古着屋でいいというのだが、そこを俺はご主人様権限を発動させて無理やり買ってもらうことにした。せっかくかわいい二人なのだから、ちゃんとした服を着てもらいたいと思うのは当然だろう。
一着だけで十分ですという二人を無視して、お店の人と相談しながら何着か二人に買い与えた。
ほかにも何件か回り、小物をいくつか買い込んだあと、俺たちは武器屋に来ていた。
「二人とも好きなものを選んでくれ」
「そんな。ここまでもたくさん私たちのためにいろいろ買ってもらったのに、さらに武器までいいものをそろえていただかなくても」
リュゼがそんなことを言ってきた。
「そうです。ご主人様は奴隷に対して優しすぎます。私たちなんて全部中古品でいいのに、ベッドや家具、服まで新品のものを。そのうえ武器もなんて贅沢すぎます」
シノもそれに乗じて同じようなことを言ってくる。
「何言ってるの二人とも。武器こそいいものを選ばないと。二人の命に関わってくるんだから」
「それはそうですが」
リュゼがさらに何か言おうとしてきたが、それは武器屋の店主にさえぎられた。
「そうだぞ。兄ちゃんの言う通りだ。装備はちゃんと選ばにゃいかん。命に関わるからな。それに姉ちゃんたち、話を聞いてる限り奴隷だろう? それならご主人様を守るためにも、いいもんそろえなきゃダメだろうが」
そう言われると、二人は仕方なくといった感じで武器を選び始めた。ここまで言われてもわざわざ買ってもらうのは気が引けるのだろう。
俺はというと、二人の防具を選んでいた。リュゼは前衛だからちゃんとしたものがいいだろう。シノは斥候だし、動きやすいものの方がいいかな。
店主に相談しながら二人の防具を選び終え、二人が選んだ武器と一緒に購入をした。
防具は少し調整をするので、後日取りに来てほしいそうだ。それまでは貸し出し用の防具があるらしいので、それを借りることにした。
買い物を終えた俺たちは家に戻ってきた。
家具の搬入を手伝おうとしたのだが、「ご主人様はお休みしていてください」という二人の強い願いにより、今はそれを眺めながら指示を出している。
「ご主人様、ここでいいですか?」
「いや、もう少し壁側に寄せようか」
ちなみに家具屋の人は家の中まで運んでくれるらしく、二人と一緒に家具の配置を行っていた。
一通り家具を運び終えた俺たちは、一度食堂に集まっていた。
「今日はお疲れ様。多分今いる物は全部買ったし、あとは必要になったら買い足していこうか」
「わかりました。それとありがとうございます、ご主人様。あれほどいろんなものを私たちのために買ってくださり」
リュゼがお礼を言ってきた。
「いいって。別に必要だと思ったから買っただけだし」
「普通、ここまで奴隷に買ってくださる方はなかなかいませんよ」
シノもそんなことを言ってくる。
「よそはよそ、うちはうちだから。二人はそんなこと気にしなくていいの。それよりごはんにしようか。二人もお腹減ったでしょ」
「ご飯は私たちにお任せください。ご主人様は待っていてくださいね」
そう言うと、二人はキッチンの方に消えていった。
「俺も手伝おうかと思ったんだけど、あの感じだと手伝わせてもらえなさそうだな」
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