スキルインターネット
考えていても何も始まらないので、俺はインターネットのスキルを試しに起動してみた。
すると、半透明のボードが二枚現れた。一枚はモニターのように正面に浮かび、地面に対して垂直になっている。もう一枚はその下にあり、地面とほぼ水平に置かれていた。
「モニターみたいなほうは、まんまグー〇ルのブラウザだな。下の板のほうはキーボードか? ご丁寧に日本語配列になってるな」
試しに文字を下のキーボードで入力すると、上のモニターに文字が表示された。
「使い方は前世のパソコンとそんなに大差なさそうだし、何とかなりそうだが、いったいこれで何ができるんだ?」
情報を手に入れられるらしいが、そもそもインターネットが普及していない世界で、どうやって情報を入手すればいいのだろうか?
試しに前世のネットにつながっているのかと思い、前世でよく使っていたものをいくつか検索してみたが、そのものに関する情報は出てくるものの、実際に利用することはできなかった。
「はぁ、ユー〇ューブが使えたら暇つぶしにもなったんだろうけど、検索したらそれについての情報の解説だけで、肝心の動画サイトは一切出てこなかったんだよな」
とりあえず俺はダメ元で前世の情報ではなく、異世界の情報を検索することにした。
「まずは今いる場所がどこかだよな。まぁ、GPS機能がついているとは思えないけど、試してみる分にはタダだからな」
俺は試しに『現在地』と入力し、検索をしてみた。すると、以下のような文言が表示された。
現在地を表示するための情報が足りません。今いる場所の情報を詳しく入力してください。場所の名前などの固有名詞がわかれば、現在の場所を割り出すことが可能です。
「そう簡単にはいかないか。でも、なにか固有名詞がわかればある程度の位置がわかるのはすごいな」
要は、この森の名前がわかれば、ここがどこら辺なのかわかるということだ。
そして俺は、このスキルを利用しての情報収集に夢中になり、気づいたら日が傾き始めていた。
「時間たつの早いな。スキルを使っていたら、もう夜になりそうだぜ。でも、そのおかげでこの世界で生きていくために必要な情報は、だいぶ集められたんじゃないか?」
俺はスキルを使い、いろいろな情報を集めた。前世との違いについてや、この世界についての基本知識、魔法の仕組みなんかについても調べることができた。
まずは時間、こっちの世界でも1日は24時間で変わらない。7日で1週間なのも一緒。しかし1か月は4週間ぴったりで28日だそうだ。
次に方角。これがわからないと旅はできないのでとても重要だ。
これも前世と一緒で東西南北があり太陽は東から上り西に沈むらしい。また気候は北に行けば寒く南に行くと暖かいそうなので北半球に位置している大陸なのだろう。
俺が持っている初心者特典で配られた硬貨だが、全世界共通でどこの国でも使えるらしい。貨幣の統一がされているのは便利だな。
また言語もすべての国で共通らしい。神様からもらった本に言語は気にしなくていいと書かれていたが、内心もし一か国語しかしゃべれなかったらどうしようかと思っていたのでとても安心した。
ほかにもいろんなことを調べたが重要なのはこんなものだろう。
「しかしすごいなこのインターネットってスキルは。結構チートじゃないか?」
普通いろんな書物を読んだり、人と話して調べたりしなきゃいけない情報がすべて手元で入手できてしまう。
しかしどうしたものか、もう夜になりそうなのだがここで夜を明かすには何も用意ができていない。
今まで何の生物も出てこなかったからいいもののここは森のなかだ。野生動物に襲われる危険もある。
「とりあえずインターネットで調べてみるか。えーと『森の中で夜を明かすには』なになに?」
そもそも森の中で泊まるのはおすすめしません。魔物との遭遇の可能性があります。
「そうだ、この世界には野生動物よりやばい奴らがいるんだった」
①結界などを使用して安全地帯を作成し、その中で過ごす。しかしある程度の強さがある魔物だと結界を破壊して侵入してくる可能性あり。
「そんなものないって、次」
②何人かで代わりばんこに見張りを立て、警戒しながら過ごす。冒険者などが行う一般的な方法。
「へぇ冒険者は見張り立てて過ごすんだな。でも俺は一人だからこれも使えない」
③最終手段。木の上で過ごす。もしかしたら何とかなるかもの気休め程度。魔物に襲われる可能性大。転落の可能性があるため要注意。地面で横になるよりはまし程度。
「わかってはいたけどそれしかないか。木登りなんて何年ぶりかわからないけど、とにかく上ってから考えるか」
俺はインターネットで調べた通り過ごしやすそうな木を探して上り、そこに落ち着いた。
「明日は絶対に移動だな。こんな危険な場所でもう一晩過ごすのは勘弁だ」
俺は木の枝に座り幹に体重を預けながらカバンから出したごはんを食べ横になった。異世界の木は前世のものと違い太く丈夫だったため思ったよりも居心地は悪くなかった。
時間はわからないが、横になったときはすでにあたりはほとんど真っ暗になっており、空を見上げるとそこには満天の星空が広がっていた。
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