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19話 萌エロ!風椿!

はたらく魔王さま!が最高に面白いですね!

あんなに面白いものを書けることができたらなぁ

太一は手先に違和感のようなものを感じていた。

手先に感じる、とても柔らかくて、暖かい何か。

指先を動かすと、弾力のある跳ね返り、少しだけある二つの突起のようなもの。

今は、金子と戦っている最中である。なのに、なぜか心地いい感覚に陥る。

(あ、この感覚は生まれたころの幼少期を思い出すぞ)

そんな気分に耽っていると、金子の大剣が太一に切りかかる。

「うがあああ」

大剣は、太一のいた場所に落ち、大きな穴ができる。

金子の馬鹿力は、能力によるものらしい。

普通の人間が、筋力トレーニングをしたところで、大剣を振るどころか、持つことすらできないだろう。

「だめだ、こんなときに考えている時間はないよ」

太一は回避し、剣を強く握り、再度態勢を整えた。

「よし、こちらから攻める・・・ぞ?」

剣を強く握った瞬間、頭の中に響いてくる嬌声。

(あぁん・・・。太一、ちょっと強くしすぎだよ・・・?)

太一の頭の中に、ビックリマークが多数出現した。

急に、頭の中に艶のある声が広がったのだ。

頭の中で、楓花に話しかける。

金子の攻撃を避けながら。会話するのは一苦労だった。

(えっ、何このエロスな感じを含んだ声は!?もしかして、楓花ちゃん?)

(そうよ。太一、中々上手ね。あっ、いいよ・・・!)

(これ以上だめだ、楓花ちゃん!垢バンされちゃうよ!!)

(あ、そうね。R-15ってどれくらいなのか、微妙なとこよね)

(確かにね。ていうか、なんでそんなにいい感じの声がでちゃっているの?)

(それはね、太一が柄の部分を握っているからよ。風椿に宿ると、私の身体と刀が連動してしまうの)

(ということは、今、俺が握っている部分って・・・)

(そう、私の身体なのよ、キャッ)

恥ずかしがる楓花。

太一は、どんな風に恥ずかしがっているか容易に想像できた。

(楓花ちゃん・・・。じゃ、この膨らみは、楓花ちゃんのおっぱいなんだね・・・なかなか大きいいね。柔らかくて温かいね)

(こら!確かに、おっぱいだけど、直接的表現は止めてよね!胸といいなさい、胸と!しかも、感想なんていらないわよ)

太一が、なぜ幼少期の懐かしさを覚えたのか、合点がいった。

母親の胸を思い出したのだ。

(なんで、こんなエロスな感じの仕組みになっているの、この妖刀は)

(それはね。この刀は、私のエロスレベルが最高潮にたったとき、この刀は最大までぼっ・・・じゃなくて、伸びきるのよ。そうすれば、萎んでいるときよりも、遥かに強くなる。切れ味も良くなるし、魔力補助もしてくれるから、かなり便利なのよ。ちょっと、時間がかかるのが難点だけど)

(なるほど。無意味に、いやらしい設計になっているわけじゃないんだね)

(もちろんよ。私だって、結構恥ずかしいんだからね。太一に触られるの。でも、もうすぐ最高潮までいくから、あのでか物の攻撃を防ぎ切るのよ)

(わかった。それまで、なんとか耐えるよ)

太一は、意識を戦いに集中させる。

金子の攻撃をずっと回避し続ければ、体力が削れ、動きが遅くなるかと考えた。

が、そんなのことはなく、ますます動きは早くなっていた。

(このままじゃ、いつか直撃しそうだ)

太一は、金子の勢いよく振り下ろされた風椿で受け止める。

一か八かだった。

まだ中途半端に伸びた風椿で、耐えられるのか不安だった。

だが、その不安は、不必要だったようだ。

大剣を軽く受け止める太一。

重い大剣を受け止めれば、大きな衝撃を受けるはずだが、風椿はその反動をかき消していた。

太一は、大剣を弾き返し、反撃を開始する。

太一が、剣を大きく振りかぶり、それを受け止め弾き返す金子。

激しい攻防戦が繰り返される。

どちらも一歩も引くことはなかった。

太一は、徐々に体力を削られていく。

それでも、感覚が鋭くなる能力のおかげで、なんとか意識を保っていられた。

体が疲れていても、快感が体を支配し、動かされる感覚。

太一は、未だに慣れることができなかった。

「くそっ、くそっ。どんだけ体力があるんだよ。しかも、少しくらい隙をみせてくれたっていいじゃないか」

太一は、斬撃を繰り出しながら呟く。

興奮状態の続く金子。彼の能力は、興奮状態が続くものである。

体が朽ちるまで戦い続ける化け物だった。

太一は、距離を取り、風を使った。

「これでどうだ。エアプレッシャー!」

膨大な風が、金子の身体を封じ込める。

仙堂に使ったときは、体が舞い上がったが、巨大な金子は体が浮くこともなかった。

金子の身体を締め付ける風圧。

だが、無表情のまま、剣を両手で持ち、片足を軸にして回転し始めた。

どんどん回転力が増していき、内側からの圧力によって、太一の技を全て封じた。

「マジですか」

太一は、唖然とする。

金子は、雄叫びをあげながら、大剣を地面に指した。

地面はひび割れ、隙間から土でできた槍のように尖った形をしたものが次々にでてくる。

それは、太一に向かって襲いかかる。

「こんなのも使えるんだ・・・。金子君って、やっぱりAクラスだよ」

避けようとするも、足場をどんどん消されていき巻き込まれる。

巻き込まれる瞬間に風椿を下に突き刺し、体を浮き上がらせたおかげか、串刺しになることはなかった。

「いってぇ。本当に死ぬとこだった・・・。あ、風椿が伸びきっている!」

尖った足場を踏み越えながら風椿をみると、刀身が鞘と同じくらいの長さになっていた。

「これなら、倒せるかもしれない・・・!」

太一は、足場から着地すると、待ち構える金子に急接近した。

「うらああああああ」

風椿は、最長になる前よりも、想像以上に軽くなっていた。

そのおかげで、刀を振るうのに力を入れる必要が少なくなり、より数の多い斬撃を繰り出すことができるようになった。

太一は、何度も切る、切る、切る。

刀を振るたびに、刀身から萌葱色の光が放たれる。

刀と剣がぶつかり合うたびに、火花が飛び散る。金子も防戦する一方になっていた。

後方にどんどん下がる金子。

太一は、どんどん速くなっていた。

体は疲れ果てていたが、その分快楽が押し寄せる。

他にも、両脚には、風の能力が吹き出し、脚力を普段の倍以上にしていた。

神速とはいいすぎだろうが、確実にさきほどの太一よりも速くなっていた。

太一は、よろめいた金子に渾身の一撃を加える。

右足を全力で踏み込み、背中をそり上げ、両腕を一気に振り落した。

刀は勢いを増し、金子大剣に当たる。

すると、金属が折れる特有の音が、大きく響き渡る。

その音は、虚しく残響した。

一瞬、時が止まったような錯覚に落ちた。

金子の大剣は、鍔からポッキリ折れた。

折れた大剣は、空を舞、地面に突き刺さる。

「やった・・・!」

折れた大剣を見て、太一は思った。

だが、金子の戦意は喪失していなかった。大剣のグリップを投げ捨て、突撃してくる。

「しつこいんだよおおおおおおお」

金子を向かいうち、刀を横に倒し、相手の胴に向かって切りつける。

それは、一閃とも呼ぶべき太刀筋だった。

太一は、胴の部分に入り、大きな傷を作る。

そして、地面に倒れこみ、盛大な土煙を上げる。

今の一撃で、興奮状態の解けた金子は、痛みにもがき苦しむ。

金子は、傷を抑え、大きな体を揺さぶりながら、涙を流す。

「なんで、僕がこんな目にあわなきゃならないんだよおおおお。痛いのやだよおおおおおお。ママあああああああ」

太一の耳に、金子の叫びが鼓膜を揺らす。

興奮状態の金子は、あまりにも強く、同じ学校の生徒だったことを忘れていた。

今さらになって、人を切ってしまった罪悪感が太一を襲う。

「救急隊を呼ばなきゃ!」

Aクラスの一人が、救急車を呼んだ。

「だから、学内の生徒同士の戦いなんて、嫌だったのに」

太一は、そう呟くと地面にぶっ倒れ、意識を失った。


「太一!ねぇ、太一ってば!」

身体を揺さぶられる感覚に、太一は意識を取り戻した。

「あれ、クレア?ここはどこだっけ?」

「よかったぁ・・・。みんな、太一が目を覚ましたわよ」

聖生と明日葉も心配していた。

「あ、戦いはどうなったの!?」

「太一と明日葉さんの勝ちよ。今、Aクラスの金子が、病院に運ばれたわ。怪我がひどかったみたいね・・・」

「そっか。手加減できなかったからなぁ・・・。ごめんよ、金子君」

太一の両手は、震えていた。

初めて人を切った感覚が、手に染みついているようだった。

「風上君は、悪くないよ。元はといえば、Aクラスが勝負をしかけてきたのがいけないんだから」

「そうです!私は、学生同士の戦いなんて反対なんです!でも、美咲ちゃんは、わかってくれませんでした・・・。次の戦いで、わからせてあげます」

聖生と明日葉はフォローする。

「そういえば、明日葉さんはもう動けるの?」

福二との戦いで戦闘不能に陥ったはずの明日葉は、もう立ち上がっていた。

「私は、もう大丈夫!体力回復には自信あるんだから」

ガッツポーズをする明日葉。

「それは、よかった」

太一は、ほっとした。

「さ、そろそろ戦いがはじまるみたいよ」

クレアが、Aクラスのほうをみて呟いた。

井九佐とAクラスの生徒が、フィールドの中央に立っていた。

「いきましょう、クレアちゃん」

「そうね!」

静とクレアは、戦いに向かっていった。

「よくも、福二と金子をやってくれたわね。Fクラスだからといって、侮ってはやられるってことね。でも、私たち、井九佐と甲斐が、勝たせてもらう。絶対にあなただけには、負けないわ」

「戦いというものが、どれだけ恐ろしく無意味なものか、教えてあげます」

緊迫する空気。二人の間に流れる闘気。

今、因縁の戦いが、始まった。

「甲斐君、頼んだわよ!」

「あいよ。行け、僕の僕たちよ」

甲斐という背の高い男子は、そう言うと、全身から小さい虫のような生き物が多数出現し、二人に向かって走ってくる。

「ちょ、なにあれ。気持ち悪い!ま、あんな虫けら、私の炎で」

クレアは、ボウリングの玉を投げるようなフォームを取り、腕を下から上に振りあげる。

すると、火炎の柱が、虫を焼きつくす。

「そんな、攻撃は無駄よ!」

だが、クレアの炎じゃ焼き尽くせないほどの虫がクレアを襲う。

だが、なぜか静のほうには、向かってこなかった。

「え、うそ!?うわ、ほんとやめてええええええ」

クレアの足から腰、腕、首、顔と、どんどん這い上がってゆく。

全身を覆い尽くす虫に、動けなくなる。

「クレアちゃん!!」

静は叫ぶが、虫によって声すらだせないクレアは立ち止まっていた。

「アハハ。これで、邪魔者がいなくなったわね、静。さぁ、楽しみましょう」

「どこまで堕ちてしまったんですか、美咲ちゃん!」

「堕ちた?私は、ずっと昔からこんな女よ。本当に、あなたが憎らしかった。それは、もう昔から」

「なんで、そんなこと・・・」

「未だにわからないの?天才の癖に。勉強と能力以外のことは、わからないのね。ま、今では、私のほうが上だってこと教えてあげる」

井九佐は、魔法陣を描くように、手先をくるくると動かす。

「凍てつく夜の雨」

静の頭上に浮かび始めた暗雲から、鋭利な氷の矢が、静に降り注ぐ。それは、幾千もの数で、着地した瞬間、辺りに粉塵を巻き起こした。

「これで、生き残れた者なんていないわ。あっけない戦いだったわね、静」

氷の矢が止んで、粉塵が消えて行く。そこには、無傷の静が、瞳を閉じて立っていた。

「それが、美咲ちゃんの能力ですか。私には、効きません。それでも、まだ戦うんですか?」

「傷一つついていないって・・・。はっ。私の能力は、こんなものじゃなくってよ。永久に塞ぐ冷血な壁」

静の四方八方から、氷の壁が現れる。

その壁は、すごい勢いで、静かに迫ってくる。

それでも、静は避けようとすらしなかった。

氷の壁が、静を押しつぶし、一つの箱のような形になった。

「これで、もう静は動くことすらできないわ。この氷壁に飲まれた物は、私が解放しない限り、永久にでてくることはできないのよ」

だが、静の周りを囲っていた氷の壁は、一瞬にして消えた。

氷は、解けた様子もなかった。

「だから、あなたの使う程度の能力では、私は倒せませんよ。降参したら、どうですか?」

あまりにも冷淡な口調で、呟く静。井九佐は、戦慄を覚えた。

だが、それを振り払うように、虚勢を張る。

「私の本当の実力は、接近戦にあるのよ。出でよ、氷結剣」

氷でできた、長いレイピアが、井九佐の手の中に現れる。

「いくわよ」

静に接近する、井九佐。

それに対し、ピクリとも動こうとしない静。

井九佐の勢いが増し、氷結剣の突きの威力が最大まで上がる。

だが、その一突きは、静の周りで消えてしまう。

なぜか、静に届く前に、剣の先が一瞬どこかへいってしまう。

剣先を引くと、先の部分は、存在した。折れたわけではないらしい。

「おかしい、おかしいよ!」

何度も突きを繰り返す井九佐。だが、やはり静に当たることはなかった。

「何度も言わせないでください。ね、今ならまだ間に合いますよ?負けても、悪いようにしませんから」

不敵な笑みを零す。

「うるさい、うるさい、うるさいのよ!」

井九佐の手のひらから冷気を含む風が吹き出て、静を襲う。それをかわそうともせずに、受け流す。

「無駄だっていっているんですけどね。そういえば、よくも私の友達、クレアちゃんをいじめてくれましたね。同じ目にあってもらいますね、甲斐さん」

静は、甲斐の方へ、人差し指を向けた。

甲斐は、棒立ちしていた。

井九佐と静の戦いの迫力についていけずにいたのだ。

「夜明けを知らない子供たちへの手向け」

そう呪文のような言葉を呟くと、甲斐の身体は少しずつ透けていく。

甲斐は、自分の身体に起こっている異変に気付く。

「えっ、何がおこってるんだ!?井九佐さん助けて!まだ、僕は死にたくないよ」

「甲斐君!!」

井九佐は、甲斐に近づき手を伸ばす。だが、遅かった、

「うわああああああああ。母さああああああん」

手が届く前に、甲斐の身体は消滅した。

伸ばした手は、空を切った。

「あ、あぁ・・・」

ぺたりと座り込む井九佐。静は、ゆっくりと近づく。

一歩ずつ井九佐に近づき、へたりこむ井九佐に話しかける。

「甲斐さんは、運が悪かったですね。私の大事な友達、クレアちゃんに手を出してしまったんです。まぁ、仕方ないですよね」

静は、まるで大したことはなかったかのように言う。

「静ああああああああ」

井九佐は、身を翻し、レイピアを向ける。だが、案の定、剣先が静に届くことはなかった。

「あはは。美咲ちゃん、怒ってる」

「何がおかしいのよ!!」

「美咲ちゃん、言ったじゃないですか。戦いの恐ろしさを教えるって。美咲ちゃんの考えは、まだまだ甘かったみたいですね。戦いってのいうのは、誰かが死ぬんですよ。死ぬか、死なすか。自分の能力を誇示する場所ではないんです。だから、無暗にするものではないんです」

あまりの威圧感に、怯える井九佐。

今の静は、普段の温和な静ではなかった。

殺気とは程遠い、無を象徴するような存在だった。

「そろそろ、終わりにしましょうか。今の美咲ちゃんでは、私に勝つことはできないです」

「紅を乞う者たちに、永遠を」

そう呟くと、井九佐の身体は少しずつ消えて行く。

「私も、甲斐君のように消えてしまうのね」

「甲斐君より、大分遅くに消えますよ。猶予ってやつです。美咲ちゃんには、友人という義理がありますから。あと、聴きたいことが一つあるんですよ」

「いいわ。もういろいろと諦めたから。何でも答えるから」

「美咲ちゃんは、なぜ私を憎んでいたのですか?」

「それはね。静、あなたが、天才だったからよ。しかも、天才だったのに、能力を全くみせなかった。私は、父様に言われたわ。聖生さんの娘さんは、優秀なのに、お前はなぜ不出来なんだって。私は、一生懸命、能力を強くするための稽古も励んだし、勉強もがんばった。でも、静には到底追いつくことができなかった。そんな悔しい思いを私はしていたのに、静はいつも謙虚で、自慢なんて一つもしなかった。まだ、自慢でもしてくれたほうが、気分的には楽だったかもね。でも、静は、能力をみんなの前で見せることすらしなかった。天才と呼ばれる所以を、私は知りたかったのよ。だから、この機会にみてみたかった。今回、実感させてもらったわ。あなたは、本当の天才だって」

「美咲ちゃん・・・。私が能力を見せなかったのには、ちゃんと理由があるんですよ」

「なによ・・・?」

「私には、飼い猫のチナっていう猫がいたんです。幼少期に飼っていたんです。能力を覚えたての私は、間違えてチナに使ってしまったんです。そのときの私には、能力の制御なんてできませんでした。チナは、私の前から一瞬にして消えてしまいました。あの時は、本当に悲しかったです。だから、私は、無暗に能力を使わないことにしたんです。だから、みんなの前で使わなかったのです」

「チナが急にいなくなったって、昔言っていたけど、まさか、静の能力のせいだったなんてね」

「はい、私のせいです。私の能力は、物や人を消してしまう能力です。だから、チナは消えてしまった。あの時の私に会えるなら、引っ叩きたいくらいです」

涙をこぼしながら、笑顔を作る静。

「そっか。そんな訳があったのね。ごめんね、静。そんなことも知らずに、戦いを挑んでしまって。もう会えないから、最期に謝っとくわ。本当に、ごめんなさい」

頭を思いっきり下げる。

「美咲ちゃん、こちらこそごめんなさい。美咲ちゃんが、苦しんでいるときに、私は助けてあげられなかった。だから、こんなことになってしまったんですね」

涙を止められない静、井九佐も涙を流す。

「もう時間みたい。静と和解できて嬉しかったわ。また来世で会いましょうね」

そして、井九佐 美咲は消えてしまった。

さっきまでそこにいた存在が、消えるというのは、あまりにも寂しいものであった。

静は、クレアにまとわりついた虫を消し去った。

「ぷはー!やっと、動けるわ。て、もう戦いが終わってる!?」

「クレアちゃん、私、勝ちましたよ!!」

「さすが、静!信じてたわよ!」

クレアは、静に抱き着き、頭をコシコシした。

「もう、クレアちゃんたら。くすぐったいですよ」

戦いの全貌をみていた太一は、静の元に近寄る。

先ほどの戦いで体は痛むが、そんなことを考えている暇はなかった。

「聖生さん!」

「風上さん、私勝ちましたよ!」

「うん、おめでとう。って、そうじゃないよ!甲斐君と井九佐さんは、死んじゃったの!?さすがに、それはまずいんじゃないかな・・・」

太一は、血相を変えている。さすがに、学内で殺人があったら、まずい。

「あ、そのことですか。甲斐さんと美咲ちゃんは、あと一時間くらいで、ここに戻りますよ?」

「へ?」

今の太一は、物凄く間抜け面をしているだろう。

「さすがに、存在を全部消すわけがないじゃないですか!美咲ちゃんも、大事な友達ですよ。少し懲らしめるために、あんな感じにしたんです。今の風上さんの面白い顔していますよ?」

「ほんとね。太一、かなりひどい顔してるわよ。ぷぷぷ」

二人で笑いをこらえている。

「もう、聖生さん!君は、いじわるだなああああああ」

「あはは、ごめんなさい」

太一は、痛みを忘れ、静を追いかける。こうして、Fクラスの名誉は守られたのであった。





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