155話
お昼の予約投稿時間を間違えてました
最速で村に帰還。
整備もある程度自動で済ませる。
だが、村の様子が少しおかしい。
なんというか・・・反応が少ない?
「何かあったか・・・?」
『クロウとのデータリンク開始。解析スタート』
「・・・嫌な予感がするな」
一体何が起きたのか。答えはすぐに分かった。
『解析終了。村に襲撃があったようです』
「ッ・・・またか。被害は?」
『人的被害は出ていない模様。ですが、警戒の為に広範囲での見回りを行っているようです』
なるほど。男衆が全員外に出てるから反応が少なかったのか。
実際探知範囲を広げるとすぐに他の人たちを見つけることが出来た。
だが問題は、クロウがそのデータを持っていることだな。
被害まで把握してるとなると・・・クロウが戦ったってことか。
そこまで中に入られることがあるのか?今の村の設備で?
急いで家に帰る。
クロウはそこにいるようだ。
「戻りました」
『アウ』
「クロウ!キイナさんは?」
『アウアウ』
「地下?・・・なるほど、だから固まってたのか」
どうやら俺の基地の地下に全員避難していたようだ。
妙に反応が固まっているとは思ったがそういうことか。
クロウはここで門番も兼ねていたようだ。
村長たちは予想通り『ソキウス』を装備して外で警戒中。
「キクヒメに戦闘データも送っておいてくれ。俺は下に行く」
『ウ』
『村内に機械反応確認。何かの残骸と思われます』
「・・・機械の残骸?・・・いや。後にしよう」
気になるが、今はキイナさん達の安否の確認の方が先だ。
地下に入ると、通路もかなり厳重に守られているのが分かる。
基地内部の防衛機構もそうだが、恐らくののか達がやった物と思われる植物などがあちこちに見える。
一見中に入るのも大変そうだが・・・
「・・・マスター?」
「ののか!」
「マスターです!!勝ち申した!!」
「どこで覚えた?」
ひょっこりと蔦の中から現れたののか。さらに訳の分からん言葉を覚えよって。
だがののかが出てきたってことはだ。
「全員無事なんだな?」
「大丈夫です!途中でぐったりしちゃいましたけどライチが大暴れです!」
「『エアロード』か」
精霊封じも使われたようだ。
だがライチが『エアロード』に憑依することでその影響を回避。
空中から襲撃者たちを蹂躙したんだとか。
ここの蔦は一応の為に張り巡らせたものらしい。大体は上でクロウに狩られたようだが。
「ドライアドちゃんと頑張ってみたですよ」
「基地全体にやったのか?」
「流石にそこまでは無理でーす」
ぶんぶんと首を振るののか。割と余裕があるようだ。
一応上に敵性反応が無いのは分かっているが、ののかにはこのまま警戒を続けてもらう。
俺の分の道だけ開けて、そこを通るとすぐにまた蔦で覆われた。
「おねーちゃん達は地下の指令室にいるです!」
「分かった。ありがとうなののか」
「えっへん!」
伝えることを伝えて、再び蔦の中に潜っていった。
俺も急いでキイナさんの所に向かう。
指令室はこの基地の中でも最深部。
普段は俺やののか達以外は入らない場所だが、今回はすぐにましろが案内したらしい。
「一応確認!基地内部のダメージは?」
『4割程に植物の浸食を受けておりますが、基地の機能には問題ございません』
「だったら本当に大丈夫そうだな・・・・着いた!」
途中の広い場所は車を飛ばして一気に。
指令室はちゃんとロックが掛かっており、中に誰かがいることを示している。
扉のすぐ隣にあるインターホンを鳴らして、中に俺が来たことを伝える。
「もしもし。キイナさん!」
『・・・え?コウ様のお声がどこからともなく!?』
「あー・・・扉の横見てもらっていいですかね」
『あ、コウ様のお顔が』
「下の赤いボタン押してください。中に入るんで」
『分かりました!』
『みゃー!!』
「ふぼ!?」
『ましろちゃんが外に!?』
扉が開くのを待っていたらましろが顔に飛び込んできた。
当然の様に避けられず直撃する。
「・・・お元気で?」
「にゃんにゃん」
「完全に猫になっとる」
「コウ様大丈夫ですか!?」
「いやこっちのセリフなんですけど」
何故か立場が逆転する現象が発生。
おかしいもっとシリアスな空気があったはずなのに・・・
「なるほど。だから念の為に地下に来たんですね」
「はい。すいません勝手に入ってしまって・・・」
「いやいや。村長にも最初に言ってありますから大丈夫ですよ。
ましろもすぐここに皆を連れてったんだろ?よくやったな」
「えっへん」
「急にましろちゃんが私を地下に引っ張ったんで驚きました。そしたらフェーンも敵が来てるって言うじゃないですか」
「・・・正直、今のこの村に入り込める奴らがいるとは思えませんでしたけど」
「私も詳しくは知らないんですけど・・・フェーンは見てた?」
「」(ムリムリ
流石のフェーンも精霊封じが使われている状態で外に出たくは無かったようだ。
幸いこの地下までは影響が来なかったらしく、ののか達が防衛網を敷けたのはそう面もあったらしい。
「一回お父さんが来たんですけど、その時もかなり焦っていたようでした」
「焦っていた・・・」
それこそありえない・・・とは言えないか。
『ソキウス』はこの世界で見れば、着ただけで上位の実力者に名を連ねることが可能なストレングスギアだ。
その『ソキウス』を全員が装備しているこの村でも、いざ戦闘になったらそういうこともあるだろう。
だがおかしい。
キイナさんも無事だった。他の人にも被害は無い。
ならばこの嫌な予感は何だ。一体何を見落としている。
「・・・誰か、怪我とかしましたか?」
「お父さん達の中ではあるかもしれませんが。私たちは特に」
となると、ここの人たちの事ではない?
そうなると俺の関係者では考えられるのはフィアになるが、彼女はここにはいない。
そもそもあっちはもっとえぐい防御なのだ。侵入どころか近づくことすら不可能だろう。
「・・・確か、機械の残骸っていってたよな?」
『回収機で回収を行いますか?』
「頼む。クロウの戦闘データは?」
『受信完了しております』
「分かった。すいません、少し音鳴らしてもいいですか?」
「あ、はい。大丈夫だと思います」
まぁ割と中にいる人たちは皆くつろいでいるようだから問題は無いだろう。
キクヒメが受け取った、クロウの戦闘データを再生する。
それを見た時、俺は絶句した。
クロウが戦っていたのは・・・ストレングスギアだったのだから。
「・・・これは」
『量産型の不明機の様です。ですが性能面では『ソキウス』の4分の一以下でしょう』
「どういうことだ・・・なんでこいつらがこんなもん持ってる」
これは簡単に作れるレベルのストレングスギアの中でも最低レベルの機体だ。
脅威度で言うならそんなでも無い。
だが問題は、なんでこの襲撃者がこんなものを持っているかだ。
地上にある機械の残骸とやらはこいつらの物だろう。回収は急がせるべきか。
「全員が着てる・・・ってわけじゃなさそうだな」
『全身着用は10人。残りは一部着用の様です』
「腕と胸が多いな。ここまで統一されてるってことは、意図的に作られた物だな」
だがこんな風に一部だけ作ることに意味は無いはずなんだがな。
特にストレングスギアは、全身が揃うことで初めて意味がある。
一部着用をする意味は・・・とんでもなく数を量産する場合くらいしか考えられないな。
それも生身よりはマシ程度にするくらいの話でだ。
結論から言って、俺達ランナーがこれをやる意味がない。もちろんかなり特殊な場合を除いてだが。
少なくても、ゲーム内ではありえない。
それによく見ると、全身着用の連中も妙にぼろい。
てか機体自体が古い様に見える。
これならまぁ『ソキウス』で負けることはないだろう。
それにクロウの相手でもないな。
実際映像の中にクロウは全身着用の相手を纏めて相手取って暴れている。
珍しく本気戦闘用の装備まで持ちだしているあたりマジだなこりゃ。
「・・・相手は奴等か?」
『可能性は高いかと』
「そうか・・・」
どうやら、まだ先に片づけないといけない問題があるようだ。
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