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143話

「では。私はこれで失礼しますね」

「ああ。悪いが捜索は頼んだ」

「任せてください・・・それと、あの件に関しては、今回の事を終わったら答えを聞きますので」

「っ・・・分かってるよ」
















「分かってるとは言った物の・・・どうするかね」

「どうかなさったんですか?」

「・・・まぁ色々ありまして」

「良ければ相談に乗りますよ?」


テーブルに倒れ込んで、あーだこーだと言っていれば、当然キイナさんが心配する。

悩むんなら、自室でやるべきだったんだが・・・悩みすぎてそこまで気が回らんかった。


「またどなたかを助けに行くんですよね?そのことですか?」

「助けに行くって・・・俺、そんなに助けてます?」

「え?コウ様がお出かけする時には大体そうだと思うんですけど」

「・・・あー」


言われてみれば・・・そうかもしれない。

リアの時くらいか?キイナさん達が知ってるそうじゃない時の俺の行動って。

他は大体誰かから頼まれたりして誰かしら助けてる気がする。

まぁダイジュナの母親の件は別だけどさ。それでも頻度は高め・・・なのかも。


「まぁそこじゃないんですけど」

「あ、そうなんですか。うーん。でもよく考えたら私じゃあまりお力になれないですよね・・・」

「・・・そうですかね」

「コウ様お強いですから。そんなコウ様がお悩みになることを私なんかじゃ・・・」

「・・・」


単純な力と言う点では、確かにそうなのかもしれない。

ドラゴンも倒せて、この世界には無い技術を扱える俺。

そんな俺が悩んでいることは、キイナさん達からしたらそれはもう大きなことだと思うだろう。

実際はそんなことは無く・・・無いことも無いのかもしれない。

何せトンデモと言っていい俺の体のことなのだから。


「・・・」


そもそも俺はどうしたいのか。

自分の体のことだ、当然健康であるにこしたことはない。

だからアルの提案は受け入れるべきなのだ。

そももこの提案は、俺が納得いってないだけで特に問題のあることではないのだ。

それもこの世界なら猶更。


この魔法の世界では、所謂一夫多妻が割と普通な事だったりする。

フィアから聞いたことだが、貴族でなくても金を持っている商人なんかは妻を複数娶るのが多いんだそうだ。

これは村人でも変わらず、村長とかの身分にかかわらず、その人を家庭に入れて養えるのなら問題にはならない。

まぁ流石に婚姻関係に無い人と関係を持つことは宜しくないこととされているが。


だが当然、命が優先されるのはどこの世界でも変わらない。

特にそれ以外に方法が無いのなら猶更。

人の道に反していないのなら・・・問題は無い。


「だけどーなー・・・」

「??」


キイナさんの顔を見ると、そんな気分ではいられなくなる。

何というか・・・ダメなのだ。悪いことじゃないと分かっていても、この人を見ると駄目になる。

この人を裏切るようなことは、絶対にしてはいけないと、そう思うのだ。


「・・・キイナさん」

「はい」

「ちょっと質問いいですか?」

「何でも聞いてください!」

「男女間の貞操観念の話なんですけど」

「・・・ふぇ//」


速攻でキイナさんの顔が真っ赤になる。

だが今は効かないといけないのだ。


「例えばなんですけど。キイナさんに好きな人がいるとするじゃないですか」

「は、はい・・・///」

「・・・例えですからね?」

「わ、分かってますよ!?」

「・・・まぁ続けますけど」


もしキイナさんの好きな人が、どうしようもない事情で、他の女性と体の関係を持つことをどう思いますか。

俺がしたのは、そんな質問だ。

正直ズルイ質問だとは思う。


キイナさんも想像していた質問とは違うベクトルの質問が来たので驚いている。

頬はまだやや赤いが、大分戻った感じだ。

そして、ゆっくりと答えてくれた。


「そう・・・ですね。本当に、どうしようもないことなんですよね?」

「そうですね。それが無いと、その人が死んじゃうくらいのことです」

「・・・ちょっと、本当にちょっとだけ嫌な気持ちになります」

「・・・ですよね」

「でも!」

「・・・でも?」

「それで、その人がそれからずっと私の傍にいてくれるなら。

 その時だけは我慢します」

「我慢?」

「でもその一回だけです!それからは絶対に許してあげません!」


胸の前で、小さな手で握りこぶしを作ってキイナさんはそう言う。


ああ・・・なるほど。

聞けて良かった。


「キイナさん」

「あ、えっと。今ので大丈夫だったでしょうか」

「はい。完璧な答えでしたよ」

「えへへ。そうですか?」

「ええ。おかげで覚悟も決まりましたよ」

「あ、お役に立てたのんら良かったです!」

「だから。今回の事が終わったら、ちょっとだけ時間をくれますか?」

「時間・・・ですか?」

「はい。長くは掛からないので、二人っきりになりたいんです」


その場には、ののかもライチもましろも。クロウもノーツもいては駄目だ。

正真正銘。二人っきり二なら無いといけない。


「正直、もっと前に伝えたかったですけど。ちゃんと、俺の気持ちを伝えますんで」

「え・・・ええ!?」


そもそもだ。未婚の女性・・・それも適齢期の女性が、男の家に入り浸っているという時点で言うべきだった。

相手の気持ちなんて、ずっと前から分かっていたのだから。

そうだな。今改めて思う。俺は案外ダメな男らしい。


「だから。待っててください。この家で」

「は・・・はいぃ」


















数日後。サーベス内


「・・・ふふ」

『随分と良い顔になりましたね』

「そうか?」

『ええ。私が村を出た時と比べたらかなり変わりました・・・答えは出た、ということでいいんですね?』

「ああ。まぁ終わったらちゃんと伝えるわ」

『・・・そうですか。まぁあなたが決めたことに従いましょう。それがどのような答えでも』

「あんがとよ。んで?肝心の海魔の場所は分かったのか?」

『当然。ちゃんと見つけておきましたよ』

「案外早かったな。俺ももっと早く出ればよかったか」


『オルカ・ラーゼン』のさらなる改良を済ませ、サーベスでモルトン王国方面へ。

その間、キイナさんとはあまり会っていない。

伝えるのは帰って来てからって決めたからな。会わないようにしないと、ぽろっと伝えてしまいそうだから。


準備を整えた俺は、アルとの事前の打ち合わせ通りに村を出発。

本来ならほぼ同タイミングで生贄の少女の救出も行う予定だったが、あちらの海魔捜索が案外早く終わった。

だがそれならそれでいいのだ。手っ取り早く俺がことを済ませてしまえば何も問題ない。


『貴方に渡された・・・かめら?でしったっけ、それも使いましたが・・・』

「じゃあ画像送ってくれ」

『・・・どうやるんですか』

「・・・横の赤いボタン押してくれ」


おかしいな渡す時に教えたはずなんだけど・・・


まぁそこは良い。

送られてきた画像は、モルトン王国の王城の画像だった。

色々な角度から撮られたその画像は、キクヒメの解析により中身が筒抜けになる。


「・・・ふむ。地下か塔の上のどちらかか」

『すいません。精霊避けがあったので近づくのは不味いと思いまして』

「無茶はしなくていいさ。後は俺が調べるよ」


建造物の情報が分かればどうにでもなる。

そこからは無人機で調べて目的の人物がいる所を攻める。

問題はそこまでのルートだ。


「・・・警備の薄そうなところは流石にないな」

『今回の場合、対象の人物を逃がさない配置も考えられます』

「そもそも儀式自体外には漏らしてないんだ。

 だから警戒するのは外じゃなくて内側」


アルカナ達の行動は、とっくの昔に知られているはずだ。

最悪の場合、生贄を無理矢理国から離すなんてことも警戒されているはず。

そういった様々に推測される情報から警備網を予測。俺の侵入ルートを作っていく。


「可能な限り最速。殺害も止む無し」

『・・・侵入ルート検索完了。候補を3つ表示します』


一つはとにかくバレないように動き回るルート。

二つ目はある程度警戒されているだろうが、気合で突破するルート。

三つめは・・・最も警戒が厳しそうな場所を強行突破するルート。


一番戦闘回数にもよるが・・・いや、最も時間が掛からないのは強行突破ルートだ。

『無影』と『アビスキュイラス』の合わせ技を使えばこの世界の人間程度なら容易く崩せる。

そしてバレても問題が無いのが、今回の俺の良い部分なのだ。

何せ救出対象さえ救えださせれば何も問題ないのだから。


「だが一番安定するのは二つ目か」

『ルートを確定しますか?』

「ああ。二つ目で行くぞ」


だがまぁ。無駄に殺戮する気もないのだ。

だからもっともバランスの良さそうな二つ目のルートを選ぶ。

それに『無影』なら問題なくステルスで行動出来るだろうしな。


「城から出してサーベスに連れて来たら、お前に任せていいんだな?」

『はい。そこは任せてください』


正直キイナさんを連れて来た方が良かったかとも思ったが・・・今回はまぁ俺の事情でな?

だからお世話はアルに頼むことに。

色々サトハさんから聞いてるらしいし、問題はないだろう。

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