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第41話 つゆ知らずの晴天

 何故…何故こんなことになったの……


「ホロスちゃ~ん♡ クッキー食べる?」


「ホロホロー、ぬいぐるみあげるよー」


 エインに置いて行かれた私はメイメイの家で開催された女子会に強制参加させられている。

 別にこの二人が嫌いというわけではないけれども何をするのが正解かわからないわ……。助けてエイン!! ていうかエインの裏切り者!!


「あっぬいぐるみぎゅってしてる。かわいいんだー」


「ぐほあっ! 天使……」


 なんかリサ日に日に悪化していってないかしら。一度私の魔法で押しつぶされそうになったのになんでこんなことになってしまったの。どこで道を間違えたらそんなことに……。不思議でならないわ。


「それで何の用があって私を呼んだのかしら」


「用? 用なんてないよー。ただホロホロとおしゃべりしたかっただけー」


 この子はなにを考えているのかよくわからないのよね。悪い子ではないということはわかるのだけれども。


「せっかくの女子会なんだし恋バナしよ恋バナー。ホロホロ好きな人いるー?」


「いなっ…いわよっ…!」


「やっぱりエイエイのこと好きなのー?」


「いないって言ったじゃないの!? エインはそういうのじゃないわよ…! もっとなんというか家族的な存在よ…!!」


「ふ~ん。お兄ちゃんみたいな感じなんだー」


「違うわよ! 私がお姉ちゃんよ!」


 まったくエインより私の方がしっかりしているというのに。


「背伸びしているホロスちゃんもかわいい♡」


 背伸びではないし。そもそも歳は私の方が……いや、やっぱり歳のことを考えるのはよそう。


「あれー? そういえばホロホロって何才だっけー?」


「10才よ!!」


 と、食い気味に答えたのは私……ではなくリサだ。

 なんであなたが私の年齢知ってるのよ。でも……


「いや、11よ」


 ということにしておこう。背が伸びたしこれでも不自然ではないはず。私には誕生日なんてものはないから正直いったもん勝ちだ。


「私がホロスちゃんの歳を間違えて覚えていた……だと……!?」


 人の年齢でよくそこまで落ち込めるわね。

 メイメイはそんなリサを無視しつつ話を続ける。


「そっかー。じゃあエイエイはー?」


「16ね」


「おー。エイエイは成人してるのかー。それでも若いねー」


「そうなのよ。エインはまだまだおこちゃまよ」


 メイメイが何か言いたげな目でこちらを見ているがそれは無視しよう。


「エイン君とは5歳差か。だったらセーフね」


「いやいや今のホロホロの年齢がセーフじゃないでしょー」


「はっ…! たしかに! だったらあと5年かしら」


 え?リサが正気に戻ったはいいものの一体なにを話し始めているのこの二人は。というか本当に正気に戻っているの?


「うーん。16と21かー。王国規定的にはセーフだけどやっぱり両方20超えてないと安心感がないねー」


「だとすると9年後で20と25かしら」


「おーいい感じいい感じー」


 なにが??


「えっ? 本当になんの話をしてるの?」


「「二人の結婚の話」―」


 リサとメイメイは声を揃えて私を見る。


「だっ…だからっ…! エインはそういうのではないって…!! 家族みたいな存在って言ったじゃない…!!」


「でも結婚したら『みたいな』じゃなくてー、本物の家族になれるよー?」


「本物とか偽物とか私達の間でそういうのはないから…っ!」


 いくら女子会、いくら恋バナといえどなんて話をぶち込んでくるのよ…!


「でもいいのホロスちゃん? エイン君が他の子と結婚したら今の関係ではいられないわよ?」


「いまって二人は同居してるんだよねー? でも結婚したらさすがに同じ家には住めないよー」


「そんなの知らないわよ。エインが誰と結婚しようと勝手だけど私はエインの一生を見届ける義務があるの!」


 そう義務が。これはエインの人生を滅茶苦茶にしてしまった私のせめてもの罪滅ぼし。神をやめるとは言ってみたものの私の体にはまだ神性の力が宿っている。恐らくこの体も途中で成長が止まるだろう。エインと一緒に成長はできない。だからせめて「見届ける」。そしてエインがいつか降りかかる火の粉を自分で振り払えなくなってしまう時が来たら私が代わりに振り払う。


「えー? でも義務感でいられてもエイエイ困らないー? 重たいよー」


「そっ…そうなの…?」


「うーん、そうかも? でも私はそんな重たいホロスちゃんも大好き…!!」


「うるさい」


 話が逸れるでしょうが。


「そもそも結婚なんてずっと先の話でしょう? エインはまだ恋人すらいないというのに」


 エインは無愛想だから苦労しそうね。まったく私がいないと──


「でもエイエイモテモテだよー」


「……へ?」


「ギルドに突如現れた超新星。魔力がないのにも関わらず一等級以上の実力を持っている。そしてホロスちゃんを除けばうちのギルドで一番若い。注目される要素しかないもの」


「へ…は…ふ~ん…そうなんだ……。まあ私には関係な──」


「いま動揺したねホロホロ~」


「素直になったほうがいいわよホロスちゃん」


 な…なんなのよ二人して人が話している途中に肩組んできて…! 

エインがモテてるですって? だからなんなのよ。私はエインから白月花びゃくげつか貰ってるのよ。これが意味することはつまり……つまりなんだ? あれ? エインはあの花が私に似合うからって言ってたけどもしかしてそれ以上の意味はなかったりする?

 いやいや流石に……エインも花は好きだし花言葉くらいは意識して……そういえば前 花言葉には興味ないって言ってたな。こっちの世界の花はまだ詳しくないとも言ってたしもしかして本当に……


「というかなんで私がこんな悩まないといけないのよーーーー!!!」


 ホロスの魂からの叫びがこだまする。そんなことはつゆ知らず、エインは町を練り歩く。


「今日はいい天気だな」


 空を見上げ呟いた。


「ホロス、上手くやれてるといいが」



    第41話 つゆ知らずの晴天


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