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第60話 災厄王デッド・ディザスター

「城の次は平野か…」


「…おかしいです」


「何がだよ」


城に出てきたワープホールを潜った先に見えた光景は平野だった。まるで日本の大合戦の舞台になった場所のような光景。


辺りからは轟音が鳴り響き、何かしらが戦い合っているのだろう。


そんな場所に出てきたじゅんきたちの場所の近くでは戦いは起きておらず、近くには将軍やその側近達が居て、敵を待ち構えていたであろう仮拠点的なやつが造られており、大きく立派な白い旗にはこの世界の文字ではあるものの、()と書かれていた。


その光景にかつて日本にいた頃に学んだ戦いの舞台みたいであるとちょっと感動していたじゅんきだが、タトマはそうではなく、この光景を見て唖然としていた。


「普段ならこんな場所には出ないんですよ。城の時の首無しの魔物の時から何かがおかしいとは思っていたんですが…」


タトマが言うに、あの城まで行き、大量の骸骨達に襲われるまではタトマの見てきた光景ではあっているのだが、ボス部屋にはあの侍ではなく、巨大な魔術師の格好をした骸骨が出てくるらしい。


さらに、骸骨の魔術師の居る先のホールは倒す前から開いており、倒さずにホールを潜ると真っ暗な何も見えない感じない。そんな歪な空間に来るらしい。その場所は何もなく、進み続けたらそのまま出られなさそうな気がしたのですぐに引き返したそうだが…


「ボスを倒したらこんな光景が出るんですかね…いや…でもあの魔物は…」


タトマがそんな事に頭を悩ませていると、突然じゅんき達の頭の上が暗闇に包まれた。


じゅんきが上を見ると、変な悪魔の様な魔物がこちらに攻撃をしてこようとしていた。


「タトマ!…っつ!仕方ない!呼出(ヨビニング)!アマミチュラアス!」


精天門(エンジェルズ・ゲート)ではなく呼出では何気に初めて呼び出されるチュラアス。チュラアスは目の前の魔物目掛けて猛烈に強い毒を噴射した。


悪魔のような魔物は「ギョエェエ!」という声をあげながら静かに魔法石を残し消えた。


そこ叫び声を聞き、タトマはハッとしてじゅんきのの方を振り向いた。


「ぼさっとしてんじゃないよ!ここはお前の想像していた場所ではないんだろうが、ここもここで安全じゃあない!ここがなんなのかを調べるのもいいが、とにかく動くぞ!」


「わ、わかった!すまない!」


タトマは自分の置かれている場所がなんなのかわからないことに頭を悩ませたが、じゅんきの言う通り魔物が現れたこともあり、ここは自分の知っている場所ではないと知り、パチン!と自分の頬を鼓舞するかのように叩いた後に、じゅんきの後ろを着いていくのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「ここにいる魔物達全部災害クラスの魔物ばっかりじゃないですか!」


必死に拳をふるいながら、タトマは叫んだ。先程の魔物の叫びをきっかけに魔物がどんどんとじゅんきたちに襲いかかってきた。人間はここでは弱く見られているのだろう。


しかし、魔物達は襲う相手を間違えたのだ。例え、そいつらが災害級とかなんとかで恐れられている存在だったとしても、3つの王の力を継承し、それらをしっかりと扱えるじゅんきには勝てるわけがない。


じゅんきは新たにチュラアスと同じエンジェル族を持っているラグナオーガスを呼び出し、さらに自身も形態変化(ライドオン)によって天命王となったことで、歪なエンジェル達がここに揃った。


歪なエンジェル達は止まることを知らないと言わんばかりの勢いで災害級と言われる魔物を魔法石に変えてゆく。


じゅんきの心の中では強そうな奴の魔法石がどんどんと取れてゆくので、ゲームのフィーバー状態中の爽快感を味わっていた。


その中でエンジェル族ではないただの人間であるタトマは、ここに送られ、ある程度の戦いなどを経験してても、その途中に体のどこかを失うわけでもなく五体満足でここまでこれたくらいの実力はある。


しかし、じゅんきと愉快な仲間達(合体獣リスフォース)の恐ろしいくらいまでの蹂躙劇を見て拳を止め、あんぐりと口を開けながらただただ魔物が魔法石に変わってゆく光景を見ていたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「…うぉお!たっくさんの魔法石ゲットだぜ!」


「…は…はは。なんだかすごいものをみた」


「タトマもこっち来て手伝ってくれよ!」


「は、はいぃ〜」


タトマは過去の自分の行いを大変心から素晴らしいと褒めちぎった。喧嘩を売ったことは大間違いだったものの、早めに降参し、じゅんきの案内役を買って出たことで今こうして熟練の冒険者でも、倒すことが難しい災害級の魔物達から襲われまくるという事象から生還したのだから。


…じゅんきについていかなければ…と言う考えはじゅんきに倒された時からなかったタトマである。


そんなタトマとじゅんきが静かになった平原で2人魔法石の回収をしていると、またもやじゅんきたちの近くで轟音が鳴り響いた。


ベチャ。ベチャ。とこれまでの魔物が鳴らしてこなかった足音を聞き、タトマは魔法石を回収する手を止め、そっちの方向を見た。


「…!?…お、おおお王混さん!?」


「なんだ?新たな魔物かぁ?」


「…そ、そそそうなんですけどぉ…あれ!!」


タトマは迫り来る魔物を見た瞬間から焦りと恐怖の入り混じった声でじゅんきを呼んだ。


じゅんきもその声に釣られ、タトマが見ていた方向を見た。


「…何?あのなんか…キモいの」


そこにいたのは不気味な黒色の体に目が赤く不気味に光り、四足歩行で動くも○のけ姫に出てきた祟り神と、日本のとある県に伝わっていたびしゃがつくと言う奴を足したような存在だった。


これまでの魔物とは何もかもが違うその異様な魔物を見てじゅんきたちは魔法石を取ることをやめ、戦闘体制となった。


その瞬間。目の前の魔物の目がギラッ!と一瞬赤く光った。


じゅんきは何がしたいのかよくわからず「?」の顔をしていたが、隣でドサッと言う音がしたので、その方向に視線をやった。


「…タトマ?」


隣に立っていたはずのタトマぱたりと倒れた。なにをされたのか、じゅんきには分からず、帰そうとしていたチュラアスとオーガスを待機させ、じゅんきはここにきて初めての警戒体制になった。


「…まぁまぁそう警戒しなさんな…っていうのは無理があるかな?」


「…ウワァ!シャベッタァ!?」


目の前の魔物が突然として喋ったことに驚きを隠さなかったじゅんき。声は若干想像とは違ったイケおじボイス的な感じの声だった。


「よくここまで来た。我が友ブラックに認められし()()()()よ」


「ブラック…禁断王…ってお前まさか?」


ブラック…ブラック・フォービドゥン。じゅんきがこの異世界で旅を始めるきっかけを作り出した張本人であり、じゅんきに異常なまでのチートとも言える力を授けた張本人である。


「いかにも。我の名はデッド・ディザスター。悪夢乃(ナイトメア・)六王(シックスキングズ)の1体で災厄の王とは我のことよ!」


棚からぼたもちならぬ地獄から災厄王である。まさかこんな場所で自分の探している王の力を集められるチャンスが来るとはと嬉しくおもうじゅんきであった。


「ちなみにだが、お前がここに来ることはこの場所に来ることはこの街に来た時には決まっていたのさ。


…本当ならポーラーの所のあのアホ獣人達にここに来ることを吹き込んでここに来て…という計画していたのだがな…自ずとここに来てくれるとはやはり我らは運命で繋がっているのだなと心から思ったぞ。


しかもここの現将軍は無類の女好きのアホだ。お前の近くにいる女を自分のものにする方法を教えたらまんまとその通りにしおったぞ!!」


ディザスターの歓喜の入り混じった言葉を聞いていて、じゅんきの怒りのボルテージは上がっていった。


「…俺の大切な女達を…物みたいにそんな風に扱ったのか…クソが…クソ野郎がァァァァァ!!」


「…えっ?」


「俺の子分達のこともバカにしやがって!絶対に許さん!変形態変化(チェンジライドオン)!ブラックフォービドゥン!!」


先程までの美しさのあった天命王の力から変わり、禍々しいオーラを解き放つ禁断王の力に変わった。変形態変化(チェンジライドオン)。突拍子に思いついたものではあるものの、いちいち解除してと言う作業がめんどくさかったのでいつもの感じで作り上げた技である。


「ちょ…ちょっと?」


「ぶっ潰す!」


仲間をバカにされた事、そして自分の大切な恋人達を目の前の奴に諭された下劣極まりないやつに取られてこんな意味のわからない場所に放り込まれたことに対して怒りを覚え、目の前の奴が自分の追い求めていた王であることを忘れ、じゅんきは禁断王の槍を握りしめ、目の前の災厄王に立ち向かうのだった。

びしゃがつくについて

福井県などに伝わる妖怪の一種であり、雪やみぞれの場所を歩いているとびしゃびしゃと後ろから音を立ててついてくると言われている。

夜道の怖さを体現した妖怪である。(Wikipedia参照)


今回から登場キャラが長く話す時は少し区切りをつけて見やすいようにしてみました。一文にまとめられている方が見やすいとかなんとかのコメントがございましたら是非!コメントなどをよろしくお願いします!


これからも応援よろしくお願いします! by作者

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