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金の秋刀魚 ③

カミーネの企画をけいごがプレゼンをする。


相手は各領の漁業関係者全般。

表題は【漁業先進国ノルウェーと金の秋刀魚】


・平均年収の違いから。


ノルウェーの漁師の平均年収1000万円。

日本の漁師の平均年収250万円。


日本の漁業に従事している大多数の漁師の年収は、生活費をギリギリ賄える程度に過ぎません。

それがもし、ノルウェーのように質の高い魚を安定的に供給する方式が導入されれば、漁師たちの生活がどう変わるか・・・




・漁業の方式の違い。


日ノ本の現在の漁業は、魚の漁獲高割り当てが地域全体で決められていて、

地域の漁師さんが競い合ってわれさきにと漁をするので、

これをオリンピック方式というそうです。


これだと、解禁になったときにみんなで、争うように、とにかく魚を捕りまくる。

多く獲った方が勝ちになるわけです。

そうすると、まだ育っていない魚だろうがなんだろうが、おかまいなしにとる。

漁場は枯れ、魚が減る。


そして、翌年も同じなのでさらに育っていない魚を獲ることになる。だから、安い魚しかとれない。しかも、それも枯渇していくのです。


結果として金の秋刀魚もが育つこともない。

金の秋刀魚が獲れなくなるというのは、単なる漁業の問題にとどまらず、地域経済全体、さらには日本の食文化にも大きな影響を及ぼす問題です。

銚子港での秋刀魚の水揚げはここ数年ほぼ0~数十トンになりました。



一方、ノルウェーは船ごとに漁獲高が割り当てられるそう。

60年前までは、ノルウェーも日ノ本と同じ方式だったのだが、

ニシンの漁獲量が激減し、そこで現在の割り当て方式に移行した。


これだと、漁師はどうするか?

割り当ての中で、なるべく質のいい魚を獲ろうとする。

実際に、魚を獲る網は荒くしてあるもし、幼魚、稚魚がかかっても放流する。


だから、魚は育ち、漁場は枯れない。

価値の高い魚のみを狙ってとる。

更に魚の鮮度を保つ工夫がされている。

だから、全般的に、ノルウェーの魚はおいしくて質がいいので高く売れるようになっている。


これにより、漁師さんによっては年の半分が休みの人も存在し、若者に人気の職業になっています。



60年前に、ノルウェーと日本の漁業は分岐し、先進化した国と、

経済や漁場が変化したにもかかわらず方法は変えずに古い漁業を踏襲している国です。


もちろん、日本の漁業は多種多様であり、即座にノルウェー方式を導入することは困難です。

しかし、今後、徐々にでもこの方式を取り入れていけば、漁業の未来は明るいものになると確信しています。


今後も惰性で漁業の現状を続けるのか、それとも先進的な国の方法を取り入れ、持続可能で収益性の高い漁業を築くのか。

それは、私たちがどんな未来を望むかによるのです。


これにてプレゼンを終了させていただきます。




けいごのプレゼンは終了し、カミーネが拍手で迎える。



このプレゼンによりすぐに茨の城領の漁港に金の秋刀魚が水揚げされるわけではない。

ただ、いつの日か、近海ものの金の秋刀魚を満載し大漁旗をなびかせる漁船が漁港を賑わす日が来ると


カミーネは信じて夢見るのであった。



茨の城、ならびに日ノ本の漁業関係者に幸多からんことを祈ります。



金の秋刀魚 END

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