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金の秋刀魚 ②

「金の秋刀魚が獲れなくなった理由はわかっているの?」


「大体は・・・ですじゃ」


「どうして?」


「一番の理由は漁船の性能が上がったからですじゃ」


「どうして、性能が上がると金の秋刀魚が獲れなくなるの?」


「元々、秋刀魚は親潮という寒流に乗って、秋から冬にかけて太平洋沖を南下してきますじゃ、

ゆっくりと北海道から東北を通ってたっぷりと太った秋刀魚がこの辺りの海まで来ると立派な金の秋刀魚と成るのですじゃ。

昔の漁船では近海に来た秋刀魚を獲るだけだったので、

沖合の秋刀魚はどんどん南下を続け、千葉の銚子港でもたくさんの秋刀魚が獲れましたのじゃ」


「うんうん」


「しかし、船の性能が上がり大型化することにより、沿岸以外の秋刀魚も獲れるようになり、関東圏まで南下する頃には取りつくされてしまうのですじゃ」


「え~そんなの何とかならないの?」


「今のところはなっとらんですじゃ、

更に漁獲制限というルールができ、

今年は何万トンと決められると、我先に遠洋まででて秋刀魚を獲り、

漁獲制限に達するともう取ることができませんのじゃ」


「何その変なルール?」


「ルール自体は水産資源を守るには良いことなのですじゃ

しかし、不平等というか、あまり公平なルールではないですじゃ」


「そうよね、南下してくる前に北海道や東北で獲っちゃったら、

この辺りや千葉では取れないじゃない」


「そうですじゃ、結果、大きく太る前の小さいうちにたくさん捕られてしまい、

小さいけど高い秋刀魚が世に出回っているのですじゃ」


「・・・・あのおじいさんがわたしにこの秋刀魚を託した理由が解ったわ」


「ただ、この問題は難しいですじゃ、川の利権争いにも似ていて、

上流の利権を優先すれば下流が不利益を被り、下流の利益を優先すれば上流が不利益を被りますじゃ」


「そっか、上流に住む漁師さんにも生活が懸かっているものね」


「そうですじゃ」


カミーネはテーブルに肘をついて、頭を乗せ、考える目をしていた。

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