交流戦の見送り
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「お前が自分から攻撃を仕掛けないから、最後は牽制しているだけだと見透かされて、相手に休む時間を与えちまったな」
その結果、しっかり呼吸を整えたエスタから怒涛の連続攻撃を受けてしまい、捌き切ることができずに、敗北を喫してしまったのである。
「守りを固めるのはいいが、やっぱり、どこかで攻めに転じないと勝てないってことだ」
「うっす」
「――――それにしても。お前、疲れてないのか?」
肩で呼吸をしているエスタと、平然と突っ立っている俺を見比べて、ペダルが不思議そうに尋ねてくる。
「守りに徹していて、あまり動きませんでしたから」
「それでも、エスタの倍は木剣を振り回していたと思うけどな。体力だけなら、俺よりあるんじゃないか?」
「それなら、お目こぼしで交流戦のメンバーに……」
「それをやったら、いかんだろ。さあ、退いた退いた。お前の試合が長引いたせいで、時間が押しているんだから」
最後はすげなくシッシッと追い払われて、俺の選抜試合は初戦敗退が確定した。
その後は、俺と一緒に選抜試合に申し込んでいたアミが、俺の敗退を知るや否や、試合には圧勝したにもかかわらず交流戦出場を辞退すると言い出したため、A組総出で説得してそれを撤回させるという珍事が起きたものの、結果的にはA組の上位陣がしっかり勝ち残り、今年の選抜試合は幕を閉じた。
*
交流戦に出場するメンバーが王都に出発する日、アカデミーの正門前には、大勢の見送りの生徒が集まっていた。
「それじゃあ、行ってくるね」
「うん。怪我しないように。楽しんできて」
差し出されたアミの手を、両手でしっかりと握って必勝祈願の念を込める。
A組総出で説得した結果、アミは不承不承ながらも交流戦への出場を承諾してくれたのだ。
毎年、交流戦で本校に負け越している分校の生徒たち(特にA組)の中では「打倒本校」の思いが強いらしく、剣のエースであるエスタと、魔法のエースであるアミのツートップが出場する今年は期待できるぞと、見送りはさながら壮行会のような雰囲気になっていた。
「お土産を買ってくるから、楽しみにしていてね」
「うん。頑張ってね」
「シノブに教えてもらったカフェも、最終日に友達と行ってみるよ」
「その店、ホットケーキが美味しいらしいよ。開店時間に合わせて行ってみて」
「シノブの家族にも、会えたらご挨拶をしてくるね」
「うん、よろしく」
壮行会のような雰囲気が漂う中、アミは交流戦に向けての意気込みなど一切語ることなく、観光とお土産の話だけをして、王都に向けて出発した。
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