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A組として臨む選抜試合

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明後日です。

(ということは、レジーナと出会うには、露骨に人探しをするのは駄目で、あくまでも偶然の機会を活かす必要があるってことか。ほぼ、ランダムイベントだな……)


 面倒くさいというか、それでは時間と手間が掛かりすぎる。


 前回、アカデミーから帰宅する途中に、大通りでラップとレジーナが話しているところを、たまたま発見することができたのは、かなりの幸運だったようだ。


「――――なあ。お前って、放課後はいつもどこでナンパしてるの?」


「は? ナンパなんかしてねーよ。失礼なことを言うな」


(そうだった……)


 今回のループでは、クラス分け試験の直後に(挑発して)やる気スイッチを入れてしまったので、ラップは放課後にナンパをしない真面目な生徒になってしまったのだ。


「ちっ……。使えない奴だな」(ボソッ)


「聞こえてんだよ!」


 何なんだ、お前は! ふざけんな! 馬鹿にしやがって! と。


 怒り心頭のラップからまくし立てるように罵声を浴びせられたが、今回はラップの言い分が正しいので、俺は甘んじて非難を受け入れることにした。


     *


『レジーナについて。


 こっちから探そうとすると、逆に会えなくなるので注意が必要。


 服装や名前を変えられてしまうと、探すための手掛かりが一気になくなってしまう。


 一度、警戒されてしまうと、もう、そのループで出会うことは困難だと思われる。


 次のループからは、褐色の肌の女性がいたら、それとなく注視するようにしたい。いっそ、ラップみたいに人畜無害なアホのふりをして、ナンパするのもありだろうか?』


     *


 レジーナの件はひとまず保留にして、次は交流戦に出るための選抜試合だ。


 今まではB組から挑戦者の立場で臨んでいたが、今回からはA組の一員として挑戦者を返り討ちにしなければならない。


 しかも、A組の生徒全員が交流戦に出られるわけではないのだ。


 交流戦に出られるのは、補欠を加えても一学年につき十数名。


 一方、選抜試合の参加者は、A組とB組の生徒を合わせて四十人ほど。


 つまり、A組の生徒目線で考えると、B組の生徒を返り討ちにした後、クラスメイトとも王都行きのチケットを懸けて戦わなければならないのである。


(二連勝すればほぼ内定だから、初戦はボーナスステージみたいなものだな)


 今までの経験則上、一試合目は高確率でA組の生徒とB組の生徒がマッチングされるので、これは俺にとって大チャンスだ。


 B組から選抜試合に参加してくる生徒は、B組の中でも上澄みの実力者たちだが、やはり、A組の生徒と比べると格落ち感は否めない。これはクラス分け試験から選抜試合までの期間が短いことが原因だろう。一か月、二か月で大化けする生徒はいないということだ。


(B組の生徒なら、相手がラップでも勝ち目があるな)


 ラップとは、今までに数えきれないくらいの模擬戦をこなしているので、はっきり言って、お互いの手の内を知り尽くしている関係だ。


 入学早々、やる気スイッチがオンになり、訓練に真面目に取り組むようになったラップは、今ではB組の中でもエース格の実力らしいが――――それでも、最近は俺の方が大きく勝ち越しているので、油断さえしなければ手堅く勝利できる。


 ラップ以外のB組の生徒が相手なら、申し訳ないが、俺が圧勝してしまうかもしれない。


 ――――そんなことを考えていたのだが。


「名前を呼ばれた生徒は前に出てくるように。まずは、シノブ・テンドー」


「はいっ!」


 ペダルに名前を呼ばれて意気揚々と決戦のバトルフィールドに進み出た俺を待ち構えていたのは、A組の剣のエースことエスタ・レントだった。

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