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また会えるといいね

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明後日です。

(すっかり、忘れてた)


 そう言えば、俺はレジーナの正体について、現在、失踪している獣人国のお姫様ではないかと疑っていたのだった。


 しかし、だとすると――――


 レジーナは、人買いグループを捜索していたのだろうか?


 自国の民である獣人を拉致して連れ去った人買いグループの行方を追って、隣国までやってきた――――それならば、国境から近いアセビの町にいたことも理解できるし、アセビの町で変わった事件や不審者を探すという奇妙な目的とも合致する。


(お転婆なお姫様が周囲の制止を振り切って捜索の旅に出てしまったので、国内では失踪した扱いになっている……とか? ヤバいな)


 そのように考えると、何から何まで辻褄が合ってしまう。


 人買いグループを半殺しにした犯人が隣国の王族だったら――――間違いなく、外交問題に発展するだろう。


 一国の姫が諸国漫遊記よろしく旅をするだろうか? という疑問もあるが、現実の世界でも超大物スターがお忍びで来日したなんてニュースはたまに聞くし、なによりこの世界は「あのプリムラ」が管理していた世界なのだ。ゲーム的な話をすれば、お転婆なお姫様は百%の確率で城を抜け出すと言っても過言ではない。


「えーと……。これから、故郷に帰るの?」


「そうだな。目的も果たしたので、帰ろうと思う」


「そっか」


 失踪していたお姫様が帰還すれば、獣人国の政情不安は解消されて、アセビの町に攻めてこなくなるだろうか?


 ぜひ、そうなってほしいものだ。


「元気でね」


 俺が手を差し出すと、レジーナは穏やかに微笑んで、俺の手を握り返した。


「シノブもな。いろいろと世話になった。……私の正体を詮索しないでくれて、ありがとう」


「また、どこかで会えるといいね」


 会えないだろうけど……とは、口にしなかった。


 身分が違うとか、別れに涙は不要だとか、そんなことを言うつもりはない。


 どうせ、次の周回でもレジーナとは会うことになるのだ。たとえ記憶がリセットされても、攻略ノートの記録を頼りにして、必ずまた会える。


「そうだな。私も、また会いたい。……笑顔の再会には、ならないかもしれないが」


「え?」


「いや。こっちの話だ」


 最後に気になることを呟くと、レジーナは俺から手を放して、くるりと背を向けた。


「さようなら、シノブ」


 ひらひらと手を振って立ち去るレジーナの背中を、俺はいつまでも見送っていた。


 すると、しばらくしてから大慌てで戻ってきたラップに、


「おい! レジーナさんは!?」


「帰っちゃった」


「アホか! 見張っていろと目配せしただろ! この役立たず! 死ね!」


 大激怒されることになってしまった。


 でも、さすがに「死ね」は言い過ぎだと思う。

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