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レジーナ

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明後日です。

「貴方、女性ですよね?」


「お前の方が、絶対に俺より失礼だろ!」


 ラップが隣でわめいているが、俺は気にせずに目の前の女性を観察した。


(肌の色が褐色なのか。まあまあ珍しいな)


 厚ぼったい服を着ているのは、もしかしたら、肌の色を隠すためかもしれない。


 だとしたら、大きなフードを被っているのは頭を隠すため――――ひょっとして、獣耳でも生えているのだろうか?


 獣人が目立ちたくないから正体を隠しているのだと考えれば、この服装にも説明がつく。


(新キャラか?)


 確証は無いが、多分、初登場の新キャラだろう。こんなにも印象に残る相手、過去の周回で遭遇していたら、攻略ノートに書き残していたはずだ。


「初めて会いましたよね?」


「そうだが……。なんだ、こいつは?」


 褐色の女性は、怪訝な顔をしてラップに質問した。


「クラスメイトの変人ですよ。ちょうど良かった。この町で起きた変な出来事や、不審人物を調べているんですよね? それなら、俺の知る限り、こいつが町で一番の変人です」


「失礼なことを言うんじゃねーよ」


 俺は売り言葉に買い言葉でラップを睨み付けたが、頭の中では別の事を考えていた。


(今、変な出来事や不審人物を調べている……って言ったのか?)


 それは、つい先程まで、俺が情報収集を強化するために考えていたことと同じだ。


 いったい、どんな了見で、そんなことをしようとしているのだろうか?


 はっきり言って、めちゃくちゃ怪しい。


「お前、変人なのか?」


「は? その言い方には、語弊がありますね」


 不躾な発言をする女性に、俺は毅然と反論した。


 変なのはお前じゃい! と言い返してやりたいところだが、天下の往来で喧嘩をするわけにはいかない。


「たしかに、俺は変わったことが好きで、よく首を突っ込みますが、あくまでも常識の範囲内でのことです。俺自身が変人であったことは、ただの一度もありません」


「あったよ……?」


 アミがすかさず否定してくるが、大きなお世話だ。というか、そこは幼馴染として否定しないでほしかった。


「俺は変わり者ではなく、単に好奇心が旺盛なだけです」


「そうか……。私も似たようなものだ。そういうことなら、先程はすまなかった」


 女性は頷いて、俺を変人呼ばわりしたことを素直に謝罪した。


 差し出された女性の手を、しっかりと握る。結構、力強くて、俺はびっくりした。


「私は……えーと、そうだな……まあいいか。私はレジーナだ。お前の名は?」


「……シノブ・テンドーです」


 今、偽名を使ったよね!? と。


 問いただしたい気持ちをぐっと堪えて、俺は女性に自己紹介をした。


「私はしばらくの間、この町に滞在する予定だ。シノブ、何か変わったことがあったら、どんなことでもいいから教えてくれ。――――また会おう」


 レジーナと名乗った女性は、俺にそう告げると、ラップとアミのことは一顧だにせず、踵を返して、雑踏の中に消えてしまった。

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