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人買いグループのイベントの総括

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明後日です。

『一年目の一学期(攻略ノートより)


 失踪事件について。


 人買いグループが、アセビの町の北にある山中に潜伏していて、山に入った町の住民を拉致している。拠点にしているのは、今は空き家になっている貴族の別荘だった建物。


 何も対策を取らずにいると、クランが犠牲者になってしまうので要注意。


 人買いグループは、衛兵が数人いれば問題無く捕縛できる程度の強さであり、脅威度はそこまで高くない。


 有効な対策としては、山に入り、人買いグループに「自分たちが山にいることを町の住人に知られてしまった」と思わせることが、最も手っ取り早い。そうすれば、人買いグループは逮捕されることを恐れて、自発的に山からいなくなってくれる。


 また、この方法ならば、クランが弓の訓練で山に入ろうとする前に、対処することも可能。人買いグループを「最初から山に潜伏させないこと」が一番の対策だと思われる。』


     *


「それで、シノブさん的にはどうだったんですか? 今回の展開は?」


 一連の事件がすべて片付いた後、プリムラの仕事部屋で総括をする機会があった。


「六十点から七十点ですね」


「あらら。思ったよりも低いんですね」


 俺の答えが意外だったのか、プリムラは不思議そうに首を傾げた。


「俺が怪我をしちゃいましたからね」


 もっと安全で確実なやり方がある以上、百点満点とは言えないだろう。


 結論から言うと、俺は足の怪我と出血が原因で一週間ほど寝込む羽目になった。


 そして、俺が養生しているうちに、人買いグループの男たちは全員逮捕されていたのだ。


 後日、ラップから聞いた話によると、男たちは拉致した町の人や、商品である奴隷の大半を置き去りにして、逃走を試みたらしい。


 だが、ラップの通報を受けて現場に駆け付けた衛兵たちと山道の入口で鉢合わせてしまい、あえなくお縄になったらしいのだ。


 実に呆気ない幕切れだが、アセビの町の住人の失踪事件はこれで解決。


 ただ、一人だけ犠牲者が出てしまった。


 人買いグループの男たちは、人質にするつもりだったのか、一人だけ連れて逃げた奴隷を、やぶれかぶれになってその場で殺害したのだ。


 殺されたのは、アセビの町の住人ではなかったが……。


 イベントの完全クリアを目指していた俺にとっては、最後の最後でケチが付く、後味の悪い結末になった。


 そして、俺にとって誤算だったことが、もう一つ。


 一学期の終了と同時に、臨時教官のペダルがアカデミー分校との契約を終了させて、アセビの町を出て行ってしまったのだ。


 それ自体は前回と同じ展開なのだが、今回は(多分、初めて)失踪事件の被害者にならずに夏休みを迎えたクランも、ペダルと一緒に転校してしまったのである。


 よくよく考えれば、二人は親子だから当然なのだが。


(せっかく好感度が上がったと思ったのに……)


 クラン本人から聞いた話によると、ペダルは昔から活動の拠点を定期的に変えており、二学期はアカデミー本校の臨時教官になって、王都で暮らすことになるのだそうだ。それに合わせてクランも本校に転入するらしい。


「残念でしたねぇ。せっかく良い感じだったのに。うふふ」


「なんで、ちょっと嬉しそうなんだよ」


 俺はノートに攻略情報をまとめながら、言葉と表情が一致していないプリムラを睨み付けた。

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