昔、ギャルゲーありけり ニ
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次回の更新は明後日です。
当時、発売されたゲームの多くは、今でも電気街などの中古ショップに行けばお手頃価格で買い求めることができる。一部の隠れた名作にはプレミア価格が付いていることもあるが、大半は千円札数枚でお釣りがくる程度のお値打ち品だ。
大学生の俺にとっては、フルプライスの最新作を一本買うよりも、一万円で中古のゲームを数本買う方が経済的で魅力的だった。
そんなわけで、大学に進学して一人暮らしを始めてからというもの、俺は中古ショップに足繁く通っては、当時のギャルゲーを適当に見繕って購入し、片っ端からクリアするという不健康な生活を送っていたのである。
おかげでクソから名作まで幅広いギャルゲーをクリアした。
英検では二級も怪しいけれど、ギャルゲーの検定があったら一級合格は間違いなし。
いっそ、ギャルゲーソムリエを名乗ってやろうかと思っているくらいだ。
勿論、冗談だが。
*
「さて。寝よう」
クッションを枕、バスタオルを掛け布団の代わりにして、俺はカーペットに寝転がった。
布団を敷いてしまうと絶対に夜まで目が覚めないので、これは夕方までには起きるぞという決意の表れでもある。
だが、いよいよ寝ようと目を瞑ったところで、携帯の着信音が鳴った。
見れば、大学の同級生からの着信だ。同じ高校の出身で社交的な性格をしているため、大学デビューの際にはいろいろと世話になった。
知り合いを増やすという一点において、陽キャは役に立つ。
「――――はい。もしもし」
無視すると、後でノートをコピーさせてもらえなくなるので、やむなく電話に出た。
案の定、なぜ大学に来ないのかというクレームの電話だった。
「ちょっと、徹夜しちゃって……。眠いし、頭がふらふらするから、寝ようかと……」
すぐさま、どうせゲームをしていたのだろうと、正確に言い当てられる。
「そうなんだけどさ……うん……。はい、ごめんなさい。……明日は大学に行く。間違いなく行くから。……はい、それじゃあ」
通話終了のボタンを押して、俺はため息をついた――――と同時に一瞬だけクラッと意識が遠のいた。
(あ、やばいなこれ。本当に寝よう……。数時間だけ寝て、起きたらコンビニに行って……)
そんなことを考えながら、俺の意識は深い海の底に沈んでいくように暗転した。
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