明らかになる衝撃の事実
毎日1000文字を目標に続きを書いています。
次回の更新は明後日です。
「シノブ、やったね! 凄い凄い!」
「話が通じる相手で良かったよ」
俺としても、こんな人通りの多い場所で叫ぶと悪目立ちしてしまうので、できることなら、それは避けたかった。
「あの……。ありがとうございました」
ナンパされていた女子生徒が、感謝の言葉とともに、ぺこりと頭を下げる。
「俺はシノブ・テンドー」
「え? あ、えーと、私はクラン・アーベントイヤーです」
突然の自己紹介に、女子生徒――――クランも躊躇いがちに名乗った。
「……シノブって、たまに過程をすっ飛ばした会話をするよね」
半分呆れたような顔をして、アミも自己紹介をする。
俺たちの予想通り、クランは同学年でB組の生徒だった。同い年なので、お互いにタメ口で話そうということになる。
「さっきの奴らって、B組のクラスメイトだったの? 俺、マズいことしちゃった?」
「そんなことないよ。クラスメイトだけど、普段は殆ど話さないし」
クランとしては、むしろクラスメイトなので邪険に断ることができず、困っていたらしい。
「あの人たち、訓練もあまり真面目に受けていないし、ちょっと怖かったんだ」
「B組の生徒って、A組を目指してギラギラしている感じじゃないの?」
「そんなことないよ。そういう人も、いるにはいるけど。どちらかと言えば、A組になるのは諦めちゃっている人の方が多いかも」
実際、B組とC組の生徒が一学年に約百人ずついるのに対して、アミの話ではA組の生徒は数十人しかいないらしい。A組は本当に特待クラスなのだ。
「交流戦のメンバーを決める選抜試合でも、B組の生徒が選ばれることは殆ど無いみたい」
「え? そうなの? マジかぁ……。密かに狙っていたのになぁ」
俺が思わず呟くと、クランは意外そうな顔をした。
「あれ……? シノブくん、さっきC組だって言わなかったっけ?」
「今はC組だけど、なるはやでB組に昇級を決めて、選抜試合に出たいんだよね」
「ふーん?」
クランは曖昧に頷いて、衝撃的な事実を口にした。
「でも、クラスが変わるのって、基本的に二学期や三学期に切り替わる時だよ? あるいは、学年が繰り上がる時とか」
「えっ!?」
俺が驚いて、思わずアミの方を振り返ると、アミは気まずそうに視線を逸らした。恐らく、知っていたけど、俺のモチベーションを削がないように、黙っていたのだろう。
「じゃあ、俺は今からどんなに頑張っても、選抜試合に出られないってこと?」
「えーと……多分?」
クランが躊躇いがちに頷くのを見て、俺はがっくり肩を落とした。
どうやら、奇跡でも起きない限り、俺はこの周回では交流戦のメンバーに選ばれるどころか、選抜試合に出ることすらできなさそうだ。
「はぁ……。マジかぁ」
「シノブくん、物凄くやる気があるんだね」
「学年で一番ギラギラしてるの、シノブだと思う。アカデミーに通うようになってから、急に向上心の塊みたいになっちゃったんだよね」
その後、俺はアミとクランのガールズトークを黙って聞きながら、トボトボと家路についた。
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