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ギャルゲーの主人公あるある

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明後日です。

 兄貴のノートによると、主人公は王立士官学校、通称「アカデミー」の分校に通っており、初日にクラス分けの試験が実施されるらしい。


     *


『兄貴のノートより


 一年目の一学期、初日。


 クラス分けの試験はほぼ実技試験であり、剣や弓、あるいは魔法の腕前により、A組、B組、C組の三段階にクラス分けされる。試験管の評価が高いとA組になり、低いとC組になる。


 幼馴染には魔法の才能があるらしく、魔法の試験を受けてA組に編入される。


 これは所感だが、剣道や弓道の有段者程度の実力があれば、なんとかB組には入れそうだ。A組に入るのは至難の業だと思われる。


 魔法に関しては「何も分からない(削除されている)」体系化されており、呪文を正しく発音することが、魔法の発動には重要であるらしい。』


    *


 分校の制服に着替えた俺は、アミと一緒に朝食を食べた。


 俺の家とアミの家はいわゆるお隣さん同士であり、俺とアミは子供の頃から兄妹(あるいは姉弟)同然に育った関係らしい。要するに、幼馴染だ。


 そして、現在、俺の家族は父親の仕事の都合で、俺以外の全員が王都で暮らしているため、アミは一人暮らしをしている俺のために、頻繁に家事を手伝いに来てくれているようだ。


(一人暮らしか。ますます、ギャルゲーの主人公みたいだな……)


 親の仕事の都合で一人暮らしというのは、実は「ギャルゲーの主人公あるある」だ。


 現実なら、俺も一緒に王都に引っ越すのが自然の流れだと思うのだが、ゲームでは、なぜか主人公の我が儘が受け入れられて、一人暮らしをしていることが多いのである。


 それは、なぜか?


 身も蓋もないことを言ってしまえば、一人暮らしの自宅を「いつでもヒロインを連れ込むことのできるラブホ」として機能させるためだ。


 ギャルゲーにおける主人公はプレイヤーの分身なので、その行動がプレイヤーに嫌悪感を抱かせるものであっては、マズいのである。


 例えば、いくら「ヒロインとイチャイチャするため」という大義名分があっても、毎回、臆面もなく本物のラブホに連れ込むような主人公や、家族が同居しているにも関わらず、そんなの知るかと言わんばかりに、自室でヒロインとおっぱじめるような主人公では、プレイヤーの共感を得ることは難しいだろう。


 その点、一人暮らしをしている主人公の自宅ならば、家に遊びに行く、一緒に勉強するなどの健全な理由でヒロインを招きやすいし、その後も、なんやかんやで良い雰囲気になったら、場所を変えることなくセンシティブなシーンに移行できる、万能の舞台装置なのである。

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