表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/36

もしもの世界線

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明後日です。

(何やってんだ、俺は……)


 激しい自責の念と、自己嫌悪に襲われる。


 そうだ。こんなことをしても、何の意味もない。


 そもそも、俺は兄貴のことを疑っていないのだから、ノートに書かれている情報は基本的に信用していいはずだ。今更、信憑性の担保など不要である。


 それならば――――


 今、この場で俺がすべきことは一つしかない。


(まだ、兄貴がやっていないことをする)


 自慢じゃないが、俺はゲームの選択肢をすべて選んでみる派だ。ゲームにおける選択肢は、正解を選ぶクイズではない。イフの世界を体験できるパラレルワールドの入口なのだ。


 兄貴が既に「太ももを触る」と「尻を触る」を選択済みならば、俺が選ぶのはこれだ。


「ふん!」


 俺は腹筋に力を入れて上体を起こし、勢いよく幼馴染の胸に顔を埋めた。


 むにゅ。


 至高の柔らかさが、俺の顔を包み込む。


「ひゃあ!」


 突然の暴挙に驚いた俺の幼馴染――――アミ・ダンファンスは、俺から逃れようとしたせいで体勢を崩し、床に尻もちをついた。


「いたーい! な、なんなの!? どうしたの!?」


「おはよう!」


「おはようじゃないよ! 寝惚けているの!?」


「何が?」


「何がって……」


 アミは異様にハイテンションな俺を見て、気勢を削がれたようにため息を吐いた。


「はぁ……。もういいよ。起きたのなら着替えて。朝ごはんにしよう? 今日は分校のクラス分けの日だよ」


「そうだね」


 俺は頷いて、ベッドから身を起こした。


(ふむ……)


 目線の高さに、特に違和感は無い。自分の掌を見ると、見慣れた自分の手相だった。


 どうやら、俺は本当に自分の肉体のまま、この世界に転移したようだ。


 分校とか、クラス分けとか、本来ならば「何それ?」と尋ねたくなる単語も飛び出してきたが、そのへんは兄貴のノートに書いてあったので予習済みだ。


(それよりも……)


 今、俺が知りたいのは、人類と魔王軍の全面戦争のことだ。


 恐らく、プリムラは、戦争のことを話したら俺が怖気づくのではないかと考えて、直前まで告知せずに黙っていたのだろう。もしくは、ガチで忘れていたのだろうか?


 前者だとしたら小賢しいし、後者だとしたらポンコツすぎる。


(アミにそれとなく質問してみるか……)


 そんなことを考えながら、俺は手早く分校の制服に着替えた。

評価、ブックマーク、いいね、感想などをもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ