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レクシア -de quodam lexicone fabula-  作者: Nekke
第2章 ルーメル編
24/30

0023 討伐

投稿遅れました。すみません。

 ……終わった?

 一瞬、信じられなかった。

 ついさっきまで、あれだけ圧倒的な存在感を放っていたオーガが、今はただの「動かない塊」になっている。


「……やった……のか?」

 誰かの震える声が聞こえた。

 それを合図にしたかのように、

「おおおおおおおお!!」

「やったぞォ!!」

「オーガ討伐だ!!」

 歓声が一気に広がった。

 士気を失ったゴブリンたちは、まるで糸が切れたように統制を失い、四方へと逃げ始める。そこへ冒険者たちが追撃をかけ、次々と討ち取っていく。戦場の流れは、完全にこちら側に傾いていた。


 ……よかった。木の陰で、私はそっと息を吐いた。全身から力が抜ける。

 MPは、ほとんど残っていない。今ここで見つかったら、たぶん何もできないかな。

 というか、最後の方は目立っちゃうこととか考えずに魔法を打ってたから、見つかる前に逃げた方がいいかも。

 でも、一つだけ確認しなきゃいけないことがあるよね。…そう、さっきのあの魔法。


 私は自分の手を見下ろした。指先が、わずかに震えている。

 さっきの詠唱は、今まで一度も使ったことがないはずだ。なのに、言葉は自然と口から出てきた。まるで、あの瞬間だけまるで別人だったみたいに。


「……もう一回、できるのかな」

 小さく呟いてみる。でも、体の奥は空っぽみたいで、何も応えてくれない。…当たり前か。あれだけの魔力を一気に使ったんだから。

 ……それでも、胸の奥に、微かな「感触」だけは残っていた。

 あの時、確かに何かに触れたような、そんな感覚。

 シャドウランスの魔法式が描かれたページを開いてみる。…でも、特に変わったことは無さそう。ちょっと【索知】で調べてみよっか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

魔法式:

闇属性中級魔法「シャドウランス」の魔法式。

従来の魔法式と違い、消費MPを犠牲に威力を極限まで高められるように変化している。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 へえ、でも確かに言われてみれば端の方が少し変わっているような気もする。言われて初めて気づくほどに小さな変化で、元々あった部分が少しだけ無くなっている。ひょっとして、MP制限を撤廃したとか、そんな感じ?


 ちょっとこれに関してはまたノーモスさんに聞いておきたい。…でもまあ、ルーメルに戻らないとそろそろ待機させてた分体の稼働時間もちょうど切れるし、ちょっと戻ろうかな。






 その後は、何事もなくルーメルに帰って来れた。分体の稼働時間はすでに切れてて、細かい紙切れになっていた。もし他の人の前でこれが起こったら…と思うと、頭痛が痛くなる。…まあつまり、めっちゃグロい。気をつけておこう。

 そういえば、まだ【索知】でステータス確認してないかも。あれだけ頑張ったから、おそらく上がっているはず。少し見てみよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レクシア 種族:人類/人間 年齢:13歳 性別:女

役職:無職 レベル:12

HP:63/63 MP:89/152

ステータス傾向:

MP:SS

魔法攻撃:S

属性傾向:

闇:S

スキル:

索知:レベル6

 探識:レベル4

分体:レベル3

読書:レベル5

 御伽:レベル2

偽装:レベル2

隠密:レベル1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 レベルが2も上がってる。これはやっぱり、オーガを倒したからかな。まあ、倒したのは私じゃないけど、恐らくそれもあってレベルが上がってるはず。

 あと、MPが大きく上がったみたい。前回が125だったから、一気に2レベル上がって、27も増えた。…あれ、増えすぎじゃない?こんな増えていいの?

 さて、スキルは…新しく【隠密】って言うスキルが増えたのかな?ちょっと【索知】で調べてみようか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

隠密:

隠密行動をしている際、より気付かれにくくなる。

近くにいる相手ほど効果が薄くなる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 へえ、そんなのがあるんだ。「隠密行動」って、どのくらいの範囲まで含まれるんだろう?それ次第ではすごく強いスキルだよね。恐らく、討伐隊から隠れてる時に獲得したものかな?


 そういえば、【索知】と【探識】もレベルが1ずつ上がっていた。恐らく消費MPが減ってるんだろうけど、これについては確認できなかったからまた今度確かめてみようかな。


 さて、移動中にMPも回復したみたいだし、さっきの魔法の実験をしようかな。

 部屋のランプを消すと、窓から入ってくる光だけが部屋を照らす。シャドウランスは影を媒体にして放つ魔法だから、光源は一個だけの時が一番効率が良い。


 ページを開いて、魔法式をなぞる。魔力の流れが、なんとなく分かる気がした。

 そのまま、唱える。

「シャドウランス」

 黒い槍が、紙で作った的を貫く。まずはできるだけ少ないMPで。毎回詠唱が必要になるって訳ではないみたい。

 それなら、できるだけMPを込めたらどうなるんだろう。


 もう一度的を用意して、今度はできるだけMPを込めて打ってみる。

「シャドウランス」

 今度はより黒く鋭い槍が、もう一度的を貫く。やっぱり、MPを込めれば込めるほど威力が上がるのは、説明文の通りだ。でも、あの時の詠唱は出なかった。なんでだろう、もっと必死になってる時しか出ないのかな?

 実は、あの時の詠唱がどんな内容だったのかあまり覚えていない。あの瞬間は本当に、記憶が曖昧になっている。かろうじて自分が何をしていたのかは覚えている程度だ。だから、もう一度使えるかどうかは分からない。

 …それにしてもやっぱり、このシャドウランスはMPをたくさん使うみたいだ。今は昼過ぎくらいなのに、MPの使い過ぎでもう眠くなってきた。続きはまた起きてからにして、ちょっと昼寝しようかな。

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