蒼穹のフロンティア
キャラクター紹介
ヘリオス・ウィンチェスター
階級は中佐。年齢は26歳で、身長は170cm。誕生日は10月17日。
蒼白いロングヘアに青い瞳の太平洋連合経済圏のパイロット。士官学校卒業後に第一次機動大戦に一般兵として参戦した後、実力で以て昇進を続ける。後に指揮能力が優れていることが判明し、独自の指揮系統を持つ部隊の隊長に任命される。
現在は第五世代の試作機に搭乗し、自らも前線で戦闘行動に参加する。
好きなものはカフェイン等。嫌いなものは特に無し。
※本キャラは原案者からの提供によるもので、許可・監修を経て登場・掲載しております。原案者への許可の無い使用は無断借用・剽窃行為にあたりますのでおやめください。
「ここ、か」
輸送機が着陸し、貨物スペースに入ってきた兵士からメガホンでさっさと降りるよう怒鳴られ、悪い夢を見ていたのか、体表を濡らす冷や汗を拭いながら機体を起動。輸送機から機体を降ろし、格納庫へと歩かせハンガーへと固定を終える。
コックピットハッチを開放し、ハンガーに備え付け得られた昇降用のゴンドラに乗り、エレーナは地上へと降ろされる。ヘルメットを外し、耳に着けていたインカムを外しておく。
周辺の整備士からは奇異なものを見る目を向けられていた。
(……ああ、これのことか)
自身の居住まいを見下ろし、何となく合点がいく。
──野戦服
EFWパイロットは黒燼結晶の粉塵が舞う極限環境でも問題無く活動できるように気密性の高いパイロットスーツを着るのが鉄則なのだ。しかし、エレーナはカーキの迷彩柄の野戦服、それも元々倉庫で埃を被った古びた男性用の、サイズがまだ大きく若干ダボついたものを着用していた。傍から見れば自殺行為ともとれる居住まいなのだ。
尤も、パイロットスーツは量産されているとはいえ値が張る為、敵性外国人で構成された特攻部隊に支給されることは無く、要求したとしても「貴様等に渡すパイロットスーツ等ない」と一蹴されるのがオチだが。
「ここの前線隊長に挨拶に行かないと」
ぽつり、と呟きながら格納庫から出て基地の執務室へと向かうべく歩みを進める。
「君が、エレーナ・コマロフ中尉かな」
格納庫から出ようとしたその時、すぐ近くについ先ほど詰められたのであろう軍用車両から降りてきた女性に声をかけられた。
蒼白い──それこそ銀色のような長髪に青い瞳。自身よりも頭一つ分背の高く、スラリとした体形。
必然的に見上げることになるエレーナはやや気圧されながらも応える。
「ええ……そう、です」
「そんなに緊張しなくていい……と言っても難しいかな」
驚かせてしまったのなら申し訳ない、と述べる名も知らぬ上官と思しき女性に慌ててそんなことはない、と述べる。
「私はヘリオス・ウィンチェスター……階級は中佐。この基地の隊長をさせて貰ってる」
(この人の部隊が新しい転属先、か)
よろしくお願いします、と敬礼で応えつつエレーナは周囲を軽く見渡す。
しっかりと整備の行き届いた機体群に、演習用の敷地も整えられている。
軍用車に乗るよう促され、エレーナはおずおずといった様子で乗り込む。
走り出す車両の中、到着するまでに妙な沈黙が生まれた。距離感を測りかねている、とも言えるし、どう話を切り出せばいいのかわからない、とも言えるだろう。
暫くした後、庁舎へ到着。そのまま執務室へと通された。
ヘリオスはコーヒーを淹れ、エレーナに差し出しつつ、デスクの前にあるソファに座る。
「君の事は上から聞いているよ」
話を切り出したヘリオスの言葉にぴくり、とエレーナの眉が動く。
なるほど、既に自身の出自や適性外国人、特攻部隊のことも知っていたか、とエレーナは心の中で独り言ちる。
まあ、この後の反応は大方予想がつく。
拒絶と、罵倒。
どこに行っても同じことだ。
国民感情的に仕方の無いこととはいえ、やはり最初は身構えてしまう。
「君の居場所はここだ。そして、君は私の部下だ。前の部隊とは違う」
「……?」
──居場所
その言葉を聞いた時、一瞬頭が真っ白になった。
居場所とは何だ。
言い換えれば、戦場こそが彼女の居場所となっていた。
安住の地はどこにもなく、戦場こそが自分にかかるしがらみを忘れさせてくれている気がした。
今更、居場所だなんて。
大勢殺した。
敵も味方も。
少なかったが、信じてくれた人すら手にかけた。
今更、安住を求めていいのだろうか。
赤い瞳は昏く沈んでいく。
それを知って知らずかヘリオスは再び口を開く。
「……すまなかった。このような扱いになったのは、我々の責任だ。誤って許されることではない……だが、それでも謝罪させてほしい。本当に……すまない」
「ちょっ……」
深々と頭を下げるヘリオスに慌てるエレーナ。
別に謝罪が欲しかったわけではない。
──そもそも自分の欲しいものがよくわからない
「頭上げてください……」
こういう時どうしたらいいのだろうか。
ああでもない、こうでもない、と頭の中で思案するエレーナ。
「……なら、先程の発言。ちゃんと責任は持って下さい」
落とし所を探るにはこの発言しか思い浮かばなかった。
エレーナのその言葉に一瞬目を見開くヘリオス。
しかし、すぐに何か決意のようなものを感じさせる瞳に変わる。
「ああ……もちろん。約束しよう」
「……約束ですよ」
頭を下げることはやめてくれた。しかし、変に気負わせていないだろうか、とエレーナは内心で思う。
「そうだ、後で歓迎会を開こうと思ってるんだ。来てもらえると嬉しいんだけど……」
ぽかん、とするエレーナ。
歓迎会、とな。
「……おいしいもの、あるんですか」
「ふ……ああ。もちろんあるとも。」
「行きます」
即答であった。
新たな転属先はアラスカに程近いエリア。
蒼穹の下、新たな戦場へと立つ。
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